▼ 2013/12/13(金) 第287回11月30日放送
■入選句
題『 写す 』写真から溢れてるのは過去の今日 朝子
陽炎の中に少年佇んで 喜明
それなりに写るカメラを持っている おーちゃん
盗撮とは言えぬが尻尾大アップ 重子
庭の池八十路の姿そっと見る 瑠璃子
手鏡が揺れる心を写してる 寿
亡夫恋し こころを写すコンパクト 光子
題『自由吟』
あの人の心の内は謎だった 清香
夕焼けに明日の日の出を予約する 英樹
■江戸川柳
大名に生れぬ徳で夫婦旅第11代将軍家斉の時代、天保四年(1833年)柳多留121篇の江戸川柳
です。
この頃、京都大地震があり、幕府も苦しい時代で、後に、天保の飢饉が
起きています。
大名は、石高1万石以上の武士で260人から270人がいました。当時、
経済的に苦しい大名はいたと思われますが、大名行列は権力の象徴とし
て、通行人は土下座をする事になっていました。
大名に対する羨望や妬みから、一方で大名には形式上の生活の規則
や掟があり、夫婦でお国入りする事は出来ませんでした。その事を『生ま
れぬ徳』などと言って、詠んでいるようです。
当時の庶民は夫婦で出かける事が多かったようです。男尊女卑と言わ
れますが、明治時代になってからの方が激しくなったのではないでしょうか。
■選者の一句
相聞歌遺して古人 今を生き 正明☆来年1月のお題は『七』 12月末日締切りです。
☆来年2月のお題は『匂い』 来年1月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『幼子の計り知れないポテンシャル』
幼い子どもは、どの子も好奇心に満ちていて、可愛いだけではなく輝い
ていて、反面、(よく動くなぁ…、元気だなぁ…)って思いますよね。小さな
子の動きや、仕草、目の中に『潜在する能力、可能性』を感じずにはいら
れません。
幼い子を見つめる側の目や、心が直に伝わってくる力強い一句だと感
じました。
本当に!!そうだなぁ!!よく動くなぁ。『これは?』 『これは?』って、
うんざりするくらい聞いて来るなぁ。でも、子どもって可愛いですね。(#^.^#)
ほっこりする、でも力強い、ワクワクするような一句だと思いました!