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2014年2月の日記

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2014/02/27(木) 第299回2月22日放送

特選句 

     横丁の匂いに五感踊り出す                 良種

入選句

題『匂い』
     お雑煮に小さく柚子の良いしごと                葵
     犯罪の匂いを察知刑事(でか)の勘             敏晴
     ふる里の匂いあふれる荷が届き             なごみ
     号外のインクの匂う枕元                   翔空
     あの店はいらっしゃいませハーブの香           清香
     父母の匂い探して遍路旅                   英明                                     
       
題『自由吟』
     あの頃は一度で決めた試着室                重子
     ろうばいの淡い蕾が春告げる               瑠璃子
                                  

楽々川柳

   『未発表句の意味について』

    川柳の投句をする際、『未発表句であること』という事が書かれている
   場合があります。
    特別なもの、例えば『合同句集』などは、自選句(過去に発表した事が
   ある、無しにかかわらず自分で選んだ自分の句)でも良いのですが、た
   いがいの句会、大会、同人誌、などは、未発表句の投句となります。

    この『未発表句』というものの定義付けは『何処にも提出していない句』
   で、小さな勉強会で発表した句も『未発表句』とはなりません。活字にな
   った川柳は大きい大会、小さい句会関係なく『発表句』となります。

    『勉強会なら良いのではないですか?』という質問もよく有りますが、勉
   強会での句は皆さんの意見を貰った句なので、『共作』という考え方をし
   ます。ただし、最近は『この勉強会で作った句は余所の句会に出してもい
   いですよ』という会もあるようなので、よく調べて投句して下さい。

    大会で『二重投句』とみなされると、たとえ賞を頂いていても、取り消し、
   という事になります。
    また、全く同じ句が別の句会で入選する事もあります。十七音字の世界
   なので、盗作ではなくても、そういう事もたまに起こるのですが、川柳の世
   界では先に発表された句が優先されます。その場合は、潔く諦めて下さい。

    投句しても入選しなかった句は、『没句』と言います。『没句』は、一人の
   選者の目だけで落とされた句であり、活字として発表されていないので、
   他の句会に出しても大丈夫です。
    『没句』が、違う選者には『ツボ』で、大きい賞に入選する場合もあるので、
   自信のある没句は再チャレンジするのは良い事だと思います。私も、そう
   いう経験はあります。…句の管理はちゃんとしなくちゃいけませんが。^_^;

    

選者の一句

    逢えますか 白木蓮のひらくころ                敏子




   
    ☆4月のお題は『鳴く』              3月末日締切りです。
    ☆5月のお題は『部屋』             4月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句  横丁の匂いに五感踊り出す

    楽しい句ですね!!!
    『横丁』は、何処を指しているのでしょうか?
    作者の方が男性なので、やっぱり駅裏の『横丁』じゃないか?って事に
   なりましたが、『五感が踊り出す』わけですし、『焼き鳥』や『おでん』、『串
   カツ』などなど、様々な匂いが浮かんで楽しかったです。
    人情のような温かさも伝わってくるような…(#^.^#)
    私が描いた『横丁』は、作者の意図とは違うと思いますが、映画『三丁目
   の夕日』に出てくるような下町の横丁!!!コロッケの匂いと味が浮かん
   できて、何だかお腹が空きました!!!(食いしん坊なもので…)
    『横丁』と『五感』という言葉で、いろんな想像が出来てしまうのも、川柳
   の醍醐味ですね!

1: なごみ 『先週の放送聞いてましたよ~いつも温かみを感じるみなさんの会話と川柳披講こちらまでほっこりします。 敏子先生の”白木蓮”の句、唸り...』 (2014/02/28 9:48)

2: 時森めぐ 『3/1の放送台本無しのスッピンゲスト、めぐです。 300回目は偶然我が70回目の誕生日でもあり「七十路川柳広場でお茶を飲む」お招...』 (2014/03/01 17:41)

3: 桔理子 『なごみ様! いつも応援ありがとうございます! そうだ~!最初の頃は私、まだ同人じゃなかったんですよね!!!歴史、感じます! これ...』 (2014/03/01 23:21)

4: 桔理子 『時森めぐ様 お疲れ様でした!スタジオにお越し頂いて本当に嬉しかったです!ありがとうございます。 これからも頑張って400回、50...』 (2014/03/01 23:27)

2014/02/16(日) 第298回2月15日放送

特選句 

     好きと言うにおいがほしい片思い              清香

入選句

題『匂い』
      味噌汁が優しく起こすありがたさ              葵
      誘惑に負け追いかける焼芋屋             ひろこ
      懸命に生きる命の匂いする                野薫
      匂いますあなたが傍に居る如く              頼夫
      好い人の匂いに出会う花の径               英樹
      舞妓はんの匂い袋に酔いました             良種



題『自由吟』
      長旅もまだ先がある道を行く                 栄
      古稀祝い四年大学願書出す                めぐ
      カバーした本が気になる妻の書架             敏晴
                            

川柳ヒストリー

     大袈裟に驚いてやる親心        西島0丸(レイガン)

    『きやり吟社』同人・『東都川柳長屋連』創立者 西島0丸(にしじま 
   れいがん)の川柳をご紹介します。

    雅号の『0丸』の文字が独特です。昭和33年(1958年)、75歳で亡
   くなっていますが、亡くなってから56年が経ち、間違って『れいまる』と
   振り仮名の付いた書籍もあるそうですが、正しくは『れいがん』です。

    よく分かるほのぼのとした句ですが、『大袈裟に』、『驚いてやる』と
   強調されていて、なるほど!と思わせる一句です。

    西島0丸の略歴をご紹介します。
    東京深川区・西念寺の住職で、14歳の頃から俳句、和歌、川柳、冠
   句、都都逸(ドドイツ)、何でも投稿して入選、また、童話作家でもあった
   そうです。
    一時は『きやり吟社』の事務所をお寺に置いていたそうです。

    西島0丸は、川柳人としても優れていましたが、何より、幅のある自
   由な、川柳観の秀でた川柳指導者であった、と言われています。

 
           

選者の一句

    空からの視線に恥じぬ古庭園            正明


 

    ☆3月のお題は『魚』            2月末日締切りです。
    ☆4月のお題は『鳴く』           3月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『好きと言う匂いが欲しい片思い』

    うっわぁ、難しい句だなぁ!…というのが、私の本音です^_^;
    と、言っても、実はとても好きな句です。
    ただ、解釈が正しいのか、心配です。現に、正明さん、ヨシヱさん、と私の
   感想は違っており、ここに書いてしまって良いものか…悩みます。…柳歴浅
   いし、人間もまだまだ未熟なので大きく違っているかも…ですが…(^_^;)

    間違っている前提で、
    『その人の、何か匂いの感じられるもの、気配の感じられるものが欲しい。
   片思いの人の…』
    って、思ったのですが・・・・・。
    片思いの切なさと甘さを詠んだ一句じゃないかなぁ、と思うのです。
    なので、表現が素敵だなぁと思いました。

    間違ってたら、すみません!m(__)m

2014/02/12(水) 第297回2月8日放送

特選句 

     貴方の背危険な匂いだから好き            有子

入選句

題『 匂い 』

    朝市の匂い旅情を掻き立てる                朝子
    古箪笥亡母の匂いが詰めてある             なごみ
    母の手は魔法の匂い持っている                寿
    にんにくをうっかり食べた歯医者の日          瑠璃子
    ほっとする心美人のいい匂い                 益弘
    畳屋が藺草の匂い連れて来る                敏晴
                                              
題『自由吟』

    美しく狂うこの世に恋がある                  喜明
    握手した後にも残るすきま風                  良種
    何度目の冬か小さな二人鍋                 ひろこ

                      

江戸川柳

    まな板をたばこの時にけずらせる

    明和5年(1768年)柳多留3篇の川柳です。
    今でいうリフォームの仕事に来ている大工さんの、休憩中煙草を吸
   っている時、『凹んだ俎板を削って平らにして貰えないかしら』と奥さん
   が頼んでいる、というやり取りを詠んだ川柳です。きっと、この頃、どこ
   にでもある風景だったのでしょう。
    江戸時代も仕事の合間にはキチンと休憩の時間が設けられていて、
   煙草を喫い、お茶を飲んで一服しました。その休憩が終わったら一寸
   この俎板も削って貰えない?という会話があったのでしょう。

    江戸時代、『煙草を喫う事を禁ずる』という禁令が度々布かれ、見つ
   かったら売主も買った者も家財を取り上げる、煙草はどこで喫ってもい
   けない、といった厳しいものでした。今でいうと麻薬取締り、それ以上
   の罪に問われたそうです。
    栽培も禁じられ、隠れて栽培した場合、栽培した土地の代官は罰金
   を支払わなければならなかったそうです。

    しかし、この川柳が作られた頃には禁令もすっかり解かれ、煙草の葉
   や煙管は持参しなくても先方で揃えてあって、それを喫う時代だったよ
   うです。
    もしかしたら、接待の煙草だったから俎板を削ったのかも知れません。


選者の一句

    血の絆愛しく脆く 波を打つ            ヨシヱ

   

    ☆3月のお題は『魚』           2月末日締切りです。
    ☆4月のお題は『鳴く』          3月末日締切りです。                          

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『貴方の背危険な匂いだから好き』

    『やっぱり危険な香りのする男の人はモテるんでしょうな』などと正明
   さんが言われたのでスタジオは爆笑でした。
    あなたの背中(後姿)、危険な匂いがする…。
    悪い(冷たい?)男だと分かっていても惹かれる…っていう事はよくあ
   る事なのでしょうね。危険な匂い、では、もっと危ない、危うい、という感
   じが強まりますね。
    『匂い』というお題で、この川柳は異彩を放っていました。
    
    ちょっと、くすぐる、面白い川柳だと思います。

2014/02/05(水) 第296回2月1日放送

特選句 

     シャネル5も湿布も匂うシャトルバス            なごみ

入選句

題『匂い』
     よい匂い思わず焼芋買っちゃった            瑠璃子
     うなぎ屋の前でいったん止まりかけ            益弘
     故郷の匂い持ち寄るクラス会               ひろこ
     直感で同じ匂いの人を選り                 英樹
     汗だくの男くささに惚れました                野薫
     牡蠣洗う胸に潮風吹いてくる                 葵
                                     
       
題『自由吟』
     若い人まだ負けられんスマホ繰る              栄
     お茶の間に土足で上がるコマーシャル          良種
     グーチョキパー炬燵の運動春もそこ            めぐ

                                  

楽々川柳

   『お題(兼題)にどう取り組むか』

    出されたお題(兼題)に、どう取り組むのか…。最近は、もう本当に悩
   むので、私にとって目からウロコのお話でした。
    放送も白熱し(って感じたのは私の目下の悩みの種だったからかもし
   れませんが)この場ではサラリとしか書けない事が残念です。(-_-;)

   ①連想ゲーム
    お題について、紙(ノート)に思い付いた言葉、フレーズを書き出してみ
   る。例えば『足』なら、右足、左足、足腰、凧の足、とかなんとか、色々思
   い付くまま書き出してみる。
    すると、思わぬ発想に辿り着いたり、こんな句を詠んでみよう、と繋がっ
   たりします。
   ②喜怒哀楽
    今日の私は『笑おうか』『泣こうか』『怒ろうか』、どの私で句を詠んでみ
   ようか、と、まず設定してみる。
    川柳は十七音字、たった一行の詩ではありますが、案外キチンとした
   ドラマを描けるものなのです。短い一遍の中にドラマがあると、生き生き
   とした川柳になります。
   ③反対の発想
    例えば『長い』というお題だったら、反対の『短い』を浮かべてみると面
   白い句が出来ます。『短い』と作るのではなく、『短くない』と詠んでみる、
   みたいな。

    色々、話されたのですが、こんな感じで…すみません!m(__)m
    でも、こんな風に楽しんで川柳に対峙していきたいですね!!!

    

選者の一句

    鬼追えぬまま 暮れなずむ古稀の坂           敏子




   
    ☆3月のお題は『魚』               2月末日締切りです。
    ☆4月のお題は『鳴く』              3月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




  今回の特選句シャネル5も湿布も匂うシャトルバス

    思わず吹き出してしまう、でもでも、納得の川柳です!
    シャトルバス、なので、空港間の往復運行バスかな?
    温泉地の旅館の往復運行バスかな?などと色々思い浮かべましたが、
  『シャネルの5番』のような香水のいい匂いもすれば、そういえば案外、湿
  布の匂いも匂ってくる!(#^.^#)
   シャトルバスはそうそう停留所があるわけではないので、かなり密閉さ
  れた空間だし…逃げようがないですね!

    でも、香水も湿布も、どちらも嫌な匂いではないのです。

    発想がとっても楽しくて放送も盛り上がりました。
    さりげなく日常を詠まれた楽しい一句だと思いました!

2014/02/05(水) 第295回1月25日放送

特選句 

     七つ星ひとつはボクの母の星              喜明

入選句

題『七』
    七十路から始めた川柳四苦八苦               寿
    七転び八起きといえば都合よく               益弘
    虹色のセーターを編む冬の夜                有子
    七ならべジョーカーどこで笑うのか             清香
    歳だねと言いつつ達者喜寿傘寿            はるママ
    揺れ動くこころを叱る北斗星                 英樹
                                            
       
題『自由吟』
    元気だけあればいいよと陽が沈む              葵
    テレビ消ししばらく娘ヒロインに               敏晴
    忍ぶ恋窓にピンクのシクラメン                光子
                                  

楽々川柳

   お便りコーナー
  寄せて頂いたお便りを時間の限り紹介させて頂きました。
  楽しいお便り、川柳の事、近況報告、励ましの言葉、本当に嬉しいです。
  『川柳広場』楽しんで頂けて、嬉しいです!!!

  また、川柳に関する疑問・質問を受け付けています。
  こんなこと、聞いて良いのかしら?って思われる事も本当はとっても新鮮
 な事だったりします。
  私たちも勉強になります、どしどしお寄せ下さい!(#^.^#)


   

選者の一句

    病名が判ってからの予定表              夏牛



    ☆3月のお題は『魚』               2月末日締切りです。
    ☆4月のお題は『鳴く』              3月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。





  今回の特選句『七つ星ひとつはボクの母の星』

    七つ星、北斗七星の事です。辞書に『一昼夜に12方を指すため、古来
   これによって時を測った。』とあります。春夏秋冬、必ず夜空に輝く星座で
   す。
    見上げれば夜空に簡単に見つける事が出来る七つ星。説明なんて要ら
   ないですね!

    優しくて少し切ない、とても美しい一句だと思います。

    お母さんって、生きている時も亡くなってからも本当の無償の愛で見守っ
   てくれている存在なんですね。昨今、そうでない事件を耳にすると、良い母
   であった事の幸せをしみじみ有り難かったと思います。