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2013年6月の日記

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2013/06/27(木) 第264回6月22日放送

特選句 

     自転車を漕げば十五の風に会う           英樹

入選句

題『自転車』
     ガソリンを気にせず悠々ツーリング          めぐ
     補助輪をとって得意な顔がある            もみ
     川沿いを走る銀輪 夏感じ               孝一
     パンクした自転車押して日暮れ坂      おーちゃん
     ペダル踏み止めれば夜逃げもう必至        節城
     初恋は自転車通学女学生               有子
                                       
       
題『自由吟』
     風渡る橋の向うで旅おわる              喜明
     線香の煙たなびく山の寺                翔空
     賑やかにポックリ寺へ着飾って            光子
                        

江戸川柳

     するが町(チョウ)とあるのが わたしが傘

   梅雨の季節、傘にまつわる江戸川柳をご紹介します。
   番傘は、広辞苑には『紙張りの粗末な雨傘』と書かれています。蛇の目傘
  は、元禄時代から用いられ、主に女性が利用し、高級感のある色が塗られ
  ています。
   さて、するが町に『越後屋三井呉服店』という大店がありましたが、この店
  では雨の日にお客に『するが町』と記名した番傘を貸し出していましたが、こ
  のサービスで借りた番傘を、返さないまま自分の傘として使っている人がい
  るよ、という内容です。『そこの、するが町と書いた傘が私の傘だ、取っておくれ』
   くす、っと笑える川柳です。

     

    

選者の一句

    追伸の逢いたいねえになぜ揺れる            ヨシヱ




    ☆7月のお題は『スイスイ』             6月末日締切りです。   
    ☆8月のお題は『だから』              7月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




  今回の特選句『自転車を漕げば十五の風に会う』

  自転車に乗って漕ぎ出せば、自転車を乗り回していた、何処へ行くにも自転車
 で走り回っていた十五歳の頃の風を感じる。
  分かる気がします!本当にそうでした。小学生から高校生くらいまで、何処に
 行くにも自転車でした。今、この年齢になっていても、あの頃の自分を感じる、あの
 頃の『風』を感じる。
  『風に会う』というのは、本当に素晴らしい表現だと思います。放送では、「十五歳
 の時に素敵な想い出があってのかしら!」なんて言ってしまいましたが(^_^;)
  清涼感のある一句だと思います。

2013/06/21(金) 第263回6月15日放送

特選句 

     サドル上げ少し大人になった朝           英樹

入選句

題『自転車』
     ママチャリを急かせて目玉買いに行く       なごみ
     フラフラと飲酒自転車命取り              孝一
     ペダル踏む このふんばりが愉しいの        めぐ
     自転車の紙芝居みて育ったよ             有子
     たくましく前後背中に母走る              恭子
     もう必死 自転車こいだ間にあった         すみえ
                                            
       
題『自由吟』
     縁起物四角いカップで酒を呑み            翔空
     糸電話無邪気に好きと云えました           野薫
     無防備な腹見せ猫の無手勝流             はな
                                  

楽々川柳

   お便りコーナー

  寄せて頂いたお便りを時間の限り紹介させて頂きました。
  あたたかいお便り、季節のお便り、ありがとうございます。
  とっても励みになります!
  また、質問にお答えするコーナーもありますので、どうぞお寄せ下さい。    

    

選者の一句

    おっとっと そこは昨日の水たまり            敏子



   
    ☆7月のお題は『スイスイ』             6月末日締切りです。
    ☆8月のお題は『だから』              7月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




  今回の特選句『サドル上げ少し大人になった朝』

  うっわ~!と、なりました!
  朝の空気感も伝わって来るようです。サドルを上げるのですから少年です。
 小学生でしょうか。中学生?
  サドルを上げる、そんなささやかな変化にも心を弾ませる少年期の新鮮さを
 感じました。きっと、その後に続く『ちょっとおとなになった朝』の、特に『朝』でし
 ょうね!
  少年が颯爽と自転車に乗って走らせる姿が浮かびます。
  お上手な句だ、と、感心しました。
  

2013/06/14(金) 第262回(第10回みっきぃ賞)6月8日放送

    樹の上に人間がいて下駄があり      椙元紋太

24年12月~25年5月 みっきぃ賞ノミネート句


     絵手紙の賀状に一句書き添える             すみえ
     穏やかに過ぎて欲しいわこの師走             清香
     スイッチオン川柳広場来年も                 めぐ
     新年の晴れ着を出して除夜の鐘              有子
     家計簿へ赤鉛筆が良く動き                なごみ

     君の名を書く鉛筆は温かい              おーちゃん
     鉛筆の両端にある嘘 誠                おーちゃん
     妬心少しもやして老いを遠ざける              重子
     南向き燃える陽炎寺の屋根                 翔空
     落椿亡母は文箱の中で燃え                 重子

     もう武器にならぬ涙は胃に落ちる             すみえ
     惜敗のシューズ涙はもう捨てる               なごみ
     大粒と小粒の涙使い分け                  英明
     どの涙するか女の底を見る                 喜明
     パソコンの合格通知涙出ず               はるママ

     ござの下に残すあなたの花言葉              重子
     茣蓙敷いて軽い噂を弾ませる             はるママ
     ままごとの一人二役ござの上              はるママ
     美容院まだ迷ってる切る止める               有子
     けんめいに咲いているから切らんとこ           恭子

     赤い糸切ってあなたは空の上                もみ
     からみつく縁を切って五月空                 恭子
     命日に逢える気がして散髪屋                 健
     ワープして母に逢いたし冬銀河               英樹
     還暦を過ぎてわかった酒の味                翔空
               
              
  

みっきぃ賞発表

   優秀みっきぃ賞  鉛筆の両端にある嘘 誠     神戸市   おーちゃん

    鉛筆であるから。消すことも可能な鉛筆だから。鉛筆で書かれた文字の端
   っこに嘘と誠がある…。いえいえ、私ごときに解説は無理です。でも、すごい!
   と、思いました。だから一票も投じました。力不足で解説なんて出来ないです。
    へまな解説は抜きにして句を味わい、感じて頂きたいと思います。

   
   最優秀みっきぃ賞  大粒と小粒の涙使い分け    神戸市   英明

    涙を流すシーンにも様々ありまして…。先生方の見解の一つに「大粒は心か
   らの涙、小粒は脚色の涙」なーんてのもありました。空気を読みながら涙を流す
   のはどんな人でしょう?女性!とは男性の先生方の意見でしたが、女性とは限
   らないけどなぁ!子どもって、使い分けませんか?特に末っ子ほど…。ちなみに
   私は末っ子です(^_^;)
    いかにも川柳っぽい、楽しくて穿ちの効いた一句です!


  他、選者のお気に入りの一句
    『妬心少しもやして老いを遠ざける』    敏子さん押し
    妬心(ジェラシー)であれ何であれ、少し燃やして「老い」を遠ざける。女性なら
   ではの柔らかさで(まだまだ!)と表現されていて、好きな一句、と敏子さん。

    『ままごとの一人二役ござの上』     ヨシヱさん押し
    可愛らしい、微笑ましい情景が浮かぶ一句です。誰と誰の役をこなしているの
   でしょう。けっこう女の子は巧みです。ほっこりさせられますね、と、ヨシヱさん。

    『けんめいに咲いているから切らんとこ』  夏牛さん押し
     平仮名が多くて柔らかく、優しさが滲み出ていてリズム良く。特に下五の「切
   らんとこ」の表現が絶妙です。「この句、好きだー!」と、夏牛さんでした。

    『命日に逢える気がして散髪屋』       正明さん押し
    命日に、逢える気がする、それは大切な人だったのでしょう。お彼岸の頃投句
   された自由吟でした。「散髪屋」という表現が絶妙。グッときました、と、正明さん。

    『赤い糸切ってあなたは空の上』        桔理子押し
    泣けちゃいましたので!素直な言葉で作られた一句ですが、「空の上」、真っ
   青な空が浮かびました。切なくて愛おしい、そんな一句だと思います。

  
   
    樹の上に人間がいて下駄があり
   冒頭の川柳は、ふあうすと川柳社創始者 椙元紋太さんの代表句の一つです。



  ☆7月のお題は『スイスイ』            6月末日締切りです。
  ☆8月のお題は『だから』             7月末日締切りです。


   次回の『みっきぃ賞』発表は12月です!
   5月~11月ご投句頂いた中の「今日の一句」から選ばせて頂きます。
   『ようこそ川柳広場へ』も早、5年!皆様のおかげで長寿番組の仲間入り、、、
  に近付きました。これからも一緒に川柳を楽しみませんか?!

   これからも、どうぞよろしくお願いします!m(__)m



   

2013/06/05(水) 第261回6月1日放送

特選句 

     おさがりの自転車でいいボクのもの          もみ

入選句

題『自転車』
     ママチャリは三円安い大根へ             喜明
     補助輪をはずした孫の得意顔            おさむ
     立ちこぎのできたあの頃懐かしむ          ゆきこ
     モタモタと駐輪場で君を待つ              朝子
     自転車が駅で待ってる雨三日            千恵子
     自転車もブレーキ加減夫婦仲              寿
     自転車に乗りたい思う忘れ物               栄
                                            
       
題『自由吟』
     夢うつつ妻のどなりにベッド落ち           節城
     音もなく老いが来るので一万歩             健
                             

楽々川柳

   川柳は簡単に作れるから面白くない。…と、俳句をしている人から言わ
  れました。そうなんでしょうか?

  『なにを!(-"-)』と、ちょっと熱くなってしまいましたが、ここは冷静に。
  いいえ、そんな事はありません。
  ここでの川柳は、文芸川柳の分野ですが、なかなか奥は深いものです。
 ルールは三つ。一つ目は『五・七・五で作りましょう』二つ目は『差別用語
 は使わない』三つ目は『口語体で作りましょう』
  とは言っても短詩文芸、たった十七音字で自分の心を詠むのですから、
 知れば知るほど難しさに気付くのは川柳も俳句も短歌も同じでしょう。俳
 句をされている方が『簡単』と思われたのは、扉を開けたばかりだったの
 ではないでしょうか?もう少し川柳を続けていたら、考え方は少し違った
 かも知れません。残念です。
  確かに、ルールが少ない分『簡単』と思いがちですが、そんな事はあり
 ません。
  私は、日本語の美しさ、微妙さを改めて知り、作句に四苦八苦の日々
 ですが、どの習い事でも突き詰めていくと底無しの沼、しかし、自己表現
 がうまく出来た時は本当に嬉しいものです。
  やっぱり長くなってしまいましたが、私は川柳作家です!と、大見得切
 って、早く言えるようになりたいです。(^_^;)
    

    

選者の一句

    冷や水を承知 宇宙へ飛んでみる            夏牛



   
    ☆7月のお題は『スイスイ』             6月末日締切りです。
    ☆8月のお題は『だから』              7月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




  今回の特選句『おさがりの自転車でいいボクのもの』

  もう、一言!!!ああ、かわいい!!!

  『ボクのもの』の、自転車。きっと、今までは空いている時に借りたりして使
 っていたのでしょうか?ともかく、ボクの自転車は無かったのです。それが、
 今日から『ボクのもの』!キラキラ嬉しそうな男の子の顔が見えるようで可愛
 らしくてたまりません。
  しかも、それは『おさがり』なのです。『新品』じゃないけど、というシーンが
 この句を輝かせている気がします。
  私も、中古自転車でしたが、自分用に買って貰った時の嬉しかった気持ち
 が蘇りました。
  みなさんも、いろんな記憶が蘇るのでは?
  とっても素敵な一句だと思います。