■入選句
題『切る』不景気が無難な道に舵切らせ 有子
おかめだが切り盛り上手くすぎた嫁 千恵子
あふれる程の愛を注いで裏切られ すみえ
どの親も分かり切った小言言う 清香
塔婆の木一本切って森を出る 野薫
生き下手が切り取り線でまた迷う 英樹
題『自由吟』
三本目そろそろ舌が縺れ出し なごみ
見舞客の足音春をたずさえて 重子
もう飼わぬ言うてはったが犬の声 朝子
■川柳ヒストリー
少なくていい訳はない所得税 野村 圭祐(ケイスケ)野村圭祐は、東京都立川市にある、川柳きやり吟社(大正9年4月創立)の
主幹を昭和45年(1970年)から引き継いで勤めています。
川柳きやり吟社は村田周魚ほか2人、合計3人で創立、周魚31歳の時です。
関東大震災で一時休刊しましたが、一年余り後に復刊、周魚が主幹となり、
圭祐は6年後の昭和15年にきやり吟社に入っています。
周魚の川柳への姿勢の第一のものは『家庭が第一、川柳はその次』です。
この川柳は、『所得税は多く納税する方が、家庭に、家計にいいのだ』との考
えから作られたのでしょう。
消費納税の日が近付きました。納税を詠んだ51年前の句を紹介しました。
■選者の一句
虚も実も背負うて渡る虹の橋 ヨシヱ☆7月のお題は『スイスイ』 6月末日締切りです。
☆8月のお題は『だから』 7月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『からみつく縁(エニシ)を切って五月(サツキ)空』
からみつく、縁(えにし)とは、どういうものでしょうか?作者にとって、どのよう
な縁なのかはわかりませんが、からみつく、ですから、頭の痛い問題なのでしょ
う。いつも頭を悩ませる問題というのは誰にでもあります。
五月の空はスッキリとして、美しい。
どの様な状況で見上げた五月の空だったのか、私は願望のように思えたので
すが、ちゃんと切れて、スッキリして、見上げた空、とも読めるかもしれません。
読み手に任されるのでしょう。
また、時事川柳と考えると、今の政権を詠った句、と言えそうです。
1: なごみ 『はあ~い今聞いてました、放送圏外にいてもPCでラジオ聴けるのってうれしいです。 これからも楽しい放送をおまちしてます。 みなさん...』 (2013/05/25 9:30)
2: 桔理子 『なごみさん、いつも番組を聞いていただき、ありがとうございます! 放送圏外でも、インターネット放送で聞いていただけますので、どしど...』 (2013/05/27 23:00)