▼ 2013/05/19(日) 第259回5月18日放送
■入選句
題『茣蓙』テープ切るたった一度の幼き日 栄
雲切れて悲しみも解け五月晴 寿
もう逢わぬ覚悟でおんな髪を切る なごみ
髪切って未練の失せるものでなく 朝子
二番手が切り札もっている焦り 重子
一晩で読み切りました新刊書 清香
題『自由吟』
終活は妻子のために意志残し 孝一
よもぎ餅明治の母の味楽し 翔空
幾つもの秘密も有っていい夫婦 千恵子
■江戸川柳
笠三つ見へて恋しく一首よみ遣唐使 阿倍仲麻呂を詠んだ江戸川柳です。
阿倍仲麻呂の有名な和歌
『天の原ふりさけ見れば春日なる
三笠の山にいでし月かも』
この和歌の作られた動機は、きっと、唐の国で船頭さんがかぶっている笠
が三つあるのを見て、三笠山を連想し、故郷を思う歌が出来たのだろうと、
詠んだ川柳人の、想像力を伝える句です。
阿倍仲麻呂は遣唐使として唐に渡り、帰国に失敗して唐の国の高官を歴
任し、没しています。李白、王維らとの親交があった事が知られています。
この川柳、笠三つ、恋しく、から、仲麻呂の『天の原ふりさけ見れば…』の
和歌が思いつかないと、ああ、いい川柳だ、と言われないでしょう。
時代、環境を越えた川柳人の句作りと鑑賞眼をみる句といえます。
■選者の一句
四島の晴れて嬉しい時を待つ 正明☆6月のお題は『自転車』 5月末日締切りです。
☆7月のお題は『スイスイ』 6月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『赤い糸切ってあなたは空の上』
赤い糸。切って。…空の上。これらの言葉でいろんな事が伝わって来ます。
とても素直で切ない一句だと思いました。詠まれた方の心情がするっと入って
来て、心に響きました。
見上げる空は澄みきった青空のような気がしました。美しいけれど、とても
切ない一句です。
川柳六大家の一人、椙元紋太さんは、難しい言葉を使わず、平らかな優し
い言葉で川柳を作るべき、と言われていたそうですが、私が目指したい川柳
の形です。
1: なごみ 2013年05月25日(土) 午前9時30分
はあ~い今聞いてました、放送圏外にいてもPCでラジオ聴けるのってうれしいです。
これからも楽しい放送をおまちしてます。
みなさん明るくて穏やかで聴き良い番組ですね。
2: 桔理子 2013年05月27日(月) 午後11時00分
なごみさん、いつも番組を聞いていただき、ありがとうございます!
放送圏外でも、インターネット放送で聞いていただけますので、どしどし聞いていただきたいです。
聞いていただいてると思うと、すっごく張り切ります(^^)v
張り切り過ぎて、すべっちゃう時が多々ありますが、めげずに頑張ります。