▼ 2013/06/05(水) 第261回6月1日放送
■入選句
題『自転車』ママチャリは三円安い大根へ 喜明
補助輪をはずした孫の得意顔 おさむ
立ちこぎのできたあの頃懐かしむ ゆきこ
モタモタと駐輪場で君を待つ 朝子
自転車が駅で待ってる雨三日 千恵子
自転車もブレーキ加減夫婦仲 寿
自転車に乗りたい思う忘れ物 栄
題『自由吟』
夢うつつ妻のどなりにベッド落ち 節城
音もなく老いが来るので一万歩 健
■楽々川柳
川柳は簡単に作れるから面白くない。…と、俳句をしている人から言われました。そうなんでしょうか?
『なにを!(-"-)』と、ちょっと熱くなってしまいましたが、ここは冷静に。
いいえ、そんな事はありません。
ここでの川柳は、文芸川柳の分野ですが、なかなか奥は深いものです。
ルールは三つ。一つ目は『五・七・五で作りましょう』二つ目は『差別用語
は使わない』三つ目は『口語体で作りましょう』
とは言っても短詩文芸、たった十七音字で自分の心を詠むのですから、
知れば知るほど難しさに気付くのは川柳も俳句も短歌も同じでしょう。俳
句をされている方が『簡単』と思われたのは、扉を開けたばかりだったの
ではないでしょうか?もう少し川柳を続けていたら、考え方は少し違った
かも知れません。残念です。
確かに、ルールが少ない分『簡単』と思いがちですが、そんな事はあり
ません。
私は、日本語の美しさ、微妙さを改めて知り、作句に四苦八苦の日々
ですが、どの習い事でも突き詰めていくと底無しの沼、しかし、自己表現
がうまく出来た時は本当に嬉しいものです。
やっぱり長くなってしまいましたが、私は川柳作家です!と、大見得切
って、早く言えるようになりたいです。(^_^;)
■選者の一句
冷や水を承知 宇宙へ飛んでみる 夏牛☆7月のお題は『スイスイ』 6月末日締切りです。
☆8月のお題は『だから』 7月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『おさがりの自転車でいいボクのもの』
もう、一言!!!ああ、かわいい!!!
『ボクのもの』の、自転車。きっと、今までは空いている時に借りたりして使
っていたのでしょうか?ともかく、ボクの自転車は無かったのです。それが、
今日から『ボクのもの』!キラキラ嬉しそうな男の子の顔が見えるようで可愛
らしくてたまりません。
しかも、それは『おさがり』なのです。『新品』じゃないけど、というシーンが
この句を輝かせている気がします。
私も、中古自転車でしたが、自分用に買って貰った時の嬉しかった気持ち
が蘇りました。
みなさんも、いろんな記憶が蘇るのでは?
とっても素敵な一句だと思います。