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2014/05/01(木) 第306回4月12日放送

特選句 

     鳥が鳴き大地が動く春が来た                 寿

入選句

題『 鳴く 』

     春一番呼び込み狂い鳴く鴉                 としや
     人居ない古墳でそっとホーホケキョ            瑠璃子
     ダイエットすると鳴き出す腹の虫               めぐ
     雄鳥は鳴いてなんぼの恋路知る               恭子
     母を呼ぶ子猫の声に痛む胸                 佐知
     鐘が鳴り二人は凛と聞いている               清香
 
                                              
題『自由吟』

     金づるを求め近づく傍観者                  翔空
     鈍い手を介護の笑みが勇気づけ             なごみ
     嘘らしい本音 頭をかきながら                重子

                      

江戸川柳

    使者はまづ馬からおりて鼻をかみ

    春になると最近では、黄砂、花粉症、PM.2.5など気を遣いますが、江
   戸時代は?と調べて、少し内容は異なりますが楽しい句を見つけました
   ので、ご紹介します。

    『使者』は武士の事でしょう。馬が最も便利な交通方法。しかし、現在の
   ように舗装された道路ではありませんから、馬で、ゆっくり歩いても砂埃が
   立ちます。黄砂の春でなくても、一年中、埃で衣服や顔が汚れます。
    使者は訪問した屋敷の前で、まず鼻をかんで、衣服の埃を払って、身綺
   麗な姿を確かめてから、お伺いの言葉を、という事になります。

    この江戸川柳が評価されているのは、使者の姿をよく観察されている点
   でしょう。鼻をかむ時は人前で堂々とするのではなく馬の陰などでかむか
   ら句になったのでしょう。ただ日常を写すだけではなく、観察し、クスリ、と
   笑えるところが川柳の醍醐味です。


選者の一句

    春らんまん いのちの賛歌風の彩            ヨシヱ
   



    ☆5月のお題は『部屋』         4月末日締切りです。
    ☆6月のお題は『布団』         5月末日締切りです。                          

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『鳥が鳴き大地が動く春が来た』

    大きな句だなあ、というのがとても印象的でした。
    主題は『春が来た』という喜びでしょう。思わぬ大雪が降ったり、緩んだ
   かと思うとまた寒くて、春の訪れを感じる事は嬉しかったです。
    小鳥たちの声が軽く響いて、『大地が動く』とは、花が咲き、川が流れ、
   草木が茂る様でしょうか。春が来た!!!目の前がパアーッと広がる気
   がしました。
    私の印象で申し訳ないですが、小鳥の囀りの心地よさ、そして、『大地
   が動く』広がり、『春が来た』と続くのが素敵でした。