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2014年4月の日記

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2014/04/21(月) 第305回4月5日放送

特選句 

     ピリオドを探しながらの三次会                 敏晴

入選句

題『鳴く』
     初鳴きに幼さのこる今朝の事                 恭子
     鳴き交わす小鳥うらやむ独りです               葵
     退屈な午後に庭ではカラス鳴く                佐知
     鳴いてみる老いた蛙も春だもの               喜明
     家電たちどれが鳴くやらピーの音              幸二
     卵の値聞いて雌鳥鳴いている               なごみ
     見合い席鳴いてくれるな腹の虫               英樹

                                       
題『自由吟』
     合格と拳突き上げ孫の顔                    栄
     生返事うかつな語尾が走り出す              かほる
                                  

楽々川柳

   『ひらがな、漢字、カタカナの使い分け』
    今回はひらがな、漢字、カタカナ表記の使い分けについて、考えてみ
   ました。

    例えば『桜』 や『烏』など
    『桜』 『さくら』 『サクラ』 や、『からす』 『カラス』 『烏』 『鴉』等々、
   日本語はさまざまは表記が出来ます。

    川柳の場合、投句、という形を取るので、ラジオのように耳で聴くのと
   違い、表記の仕方でも印象が変わってきます。
    『文字』 は、『顔』 です。
    そう考えて、提出する前にまず、書いてみて、どの表記が自分の川柳
   に相応しいか、しっくり馴染むか、吟味しましょう。
    今日の私の句ですが、
    『桜咲く あの春はもう来ないけど』
    『さくら咲く あの春はもう来ないけど』
    『サクラ咲く あの春はもう来ないけど』
    と、書いてみて、納得して出句するようにしましょう。

    『あう』 という言葉も、『会う』 と 『逢う』 では、印象が違います。『逢
   う』 という表記にすると、恋人に逢う、とか、久しく逢う、とか、何やら切
   なげに感じたりします!また、『遇う』 は、遭遇する、といった意味合い
   が強いので、辞書で確認した方が良いでしょう。
    『かお』 にしても、『顔』 と 『貌』 では、印象がまったく変わってきます
   よね!
    ややこしい様ですが、印象が変わる、なんて、日本語ならではの醍醐味。
    十七音字で勝負する世界、表記一つ取っても楽しみたいです(#^.^#)

    

選者の一句

    桜咲く あの春はもう来ないけど               桔理子


   
    ☆5月のお題は『部屋』             4月末日締切りです。
    ☆6月のお題は『布団』             5月末日締切りです。


    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句ピリオドを探しながらのの三次会

    『う~ん!!!』と、唸ってしまいました!納得の、楽しい句ですね!
    『忘年会』 『新年会』 だけでなく、『親睦会』 『歓送迎会』 etc.。二
   次会までは、体調やノリでふぁ~~っと行っちゃいますが、『三次会』 
   となると、わ~っと騒いで燥いでる頭の片隅に『時間』 『終電』 『明日
   の仕事』なんかがうごめいて、ちょっと冷めた部分がイエローカード出
   してるんですよね!!!『どう、お暇しよう?』 『こっそり?』 『いやい
   や、公言して』・・・。
    まさに天使と悪魔が会話してる状態かも知れません。(早く帰ろう~)
   (もう、いいじゃん!最後まで行っちゃえよ!)とかなんとか。
    そんな葛藤を『ピリオドを探しながらの』と表現されていて、リズムも語
   呂も良い句だと思います。
    『三次会』が効いていますね!奥様の逆鱗に触れる寸前に帰宅でき
   ますように!!!(#^.^#)

 

2014/04/04(金) 第304回3月29日放送

特選句 

     魚市場手品のようなせり現場            有子

入選句

題『魚』
     春便りくぎ煮届けて芽吹く幸              末美
     ここにきて魚嫌いの骨密度               恭子
     海老で鯛 私は亭主釣りました             寿
     福島の沖の魚はさびしそう               益弘
     拉致された挙句捨てられ外来魚         おーちゃん
     故郷のお日様抱いた干し鰈             はるママ


題『自由吟』
     下の歯が二本 初孫よく笑う                海童
     モノクロのどこか娘に似た蕗のとう            重子
     痛いとこ突かれて胸の不整脈              かほる                                   


楽々川柳

   お便りコーナー
  寄せて頂いたお便りを時間の限り紹介させて頂きました。
  楽しいお便り、川柳の事、近況報告、励ましの言葉、本当に嬉しいです。
  『川柳広場』楽しんで頂けて、嬉しいです!!!

  また、川柳に関する疑問・質問を受け付けています。
  こんなこと、聞いて良いのかしら?って思われる事も本当はとっても新鮮
 な事だったりします。
  私たちも勉強になります、どしどしお寄せ下さい!(#^.^#)


   

選者の一句

    メビウスの輪から明日こそはみ出そう             敏子




    ☆5月のお題は『部屋』             4月末日締切りです。
    ☆6月のお題は『布団』             5月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句『魚市場手品のようなせり現場』

    私は魚市場での『せり』の様子はテレビでしか見た事がありませんが、
   暗号のような手の動き、熱気、すごいなあ、とか、面白いなあ、とか思い、
   ただ見ていましたが、そのセリの様子を『手品』と表現された事に感心し
   ました。

    本当に『手品』のような手の動き、ですね!

    この句を読んだだけで伝わってくる勢いや活気、魚市場の様子(残念
   ながらテレビでしか知りませんが)、柳人の目の楽しさと鋭さに改めて感
   心しました!
    なかなか、こういう句が作れないです(-_-;)
    日々、勉強ですね!!!いつもの景色をいつもの景色と思わずに楽し
   めるようになれたらなぁって思います。

2014/04/04(金) 第303回3月22日放送

特選句 

     滝登る鮎に拍手の応援歌                氷筆

入選句

題『匂い』
     魚捌く妻の手先にある殺気                 英樹
     半身ずつ分けて満足 老いの皿             なごみ
     軽く見て雑魚にもあった太い骨              かほる
     話すたび逃げた魚が肥大する               海童
     魚好き猫もあきれる食べっぷり               めぐ
     キリストのようなかたちの一夜干し         おーちゃん

題『自由吟』
     春はそこ梅の蕾とお出かけよ              瑠璃子
     貼り換えた障子が怯える孫の指              敏晴
     手作りの帽子キラリと自己主張              恭子
                            


川柳ヒストリー

     妻と母終えて女の夢ひろげ        みぎわ はな

    今回ご紹介する句は、現在も活躍中の女流川柳作家 みぎわはな
   さんの句です。

    『妻と母終えて』とあります。そして、『女の夢ひろげ』と。色々とあっ
   た。凹んでなんかいられない。その年齢の女性の活躍を高らかに詠み
   上げています。
    数年前に発表された句ですが、はなさんは昨年11月、川柳句集『雪
   月花/新葉館』を出版されています。約900句が収められています。

    書家としても活躍され、1987年、シンガポールの日本人基地公園の
   門標の手本を書いたり、九谷焼の陶芸家と二人展を開かれました。

    川柳を始められたのは平成10年です。転勤族で、ホトトギス俳句の
   句会、九年母の俳句の会などに参加、句作りの愉しさを学ばれたのち
   県文化人交流会で『ふあうすと川柳社』同人と同席した事が川柳との
   出会いだったそうです。
    現在、『ふあうすと川柳社』同人です。


 
 
          

選者の一句

    光線のいたずら大きな影が出来            正明


 

    ☆4月のお題は『鳴く』           3月末日締切りです。
    ☆5月のお題は『部屋』           4月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『滝登る鮎に拍手の応援歌』

    流れ落ちる滝を跳ね上がるように登って行く鮎。

    鮎は、稚魚期を海で過ごし、初春に川を遡って急流に住む魚ですが、
   遡上の様子はテレビでしか見た事がありません。
    もし、目の当たりに観たら『おお~!』と声が出て、その姿に驚き、思
   わず拍手してしまうんじゃないかと思います。
    滝を登る様子は見た事がありませんが、急流を反対に、流れに逆らっ
   て泳ぐ様子は見た事があります。『すごい!』と、その時でさえ思いまし
   た。

    この句は、その様子を詠っているだけでは無いのでしょう。
    何時の時代も若い人にとって生きにくいのが社会なのかも。そんな時
   代の流れに逆らい、遡上する鮎のごとく、現代の若い人への応援歌とも
   思えます。