▼ 2014/04/21(月) 第305回4月5日放送
■入選句
題『鳴く』初鳴きに幼さのこる今朝の事 恭子
鳴き交わす小鳥うらやむ独りです 葵
退屈な午後に庭ではカラス鳴く 佐知
鳴いてみる老いた蛙も春だもの 喜明
家電たちどれが鳴くやらピーの音 幸二
卵の値聞いて雌鳥鳴いている なごみ
見合い席鳴いてくれるな腹の虫 英樹
題『自由吟』
合格と拳突き上げ孫の顔 栄
生返事うかつな語尾が走り出す かほる
■楽々川柳
『ひらがな、漢字、カタカナの使い分け』今回はひらがな、漢字、カタカナ表記の使い分けについて、考えてみ
ました。
例えば『桜』 や『烏』など
『桜』 『さくら』 『サクラ』 や、『からす』 『カラス』 『烏』 『鴉』等々、
日本語はさまざまは表記が出来ます。
川柳の場合、投句、という形を取るので、ラジオのように耳で聴くのと
違い、表記の仕方でも印象が変わってきます。
『文字』 は、『顔』 です。
そう考えて、提出する前にまず、書いてみて、どの表記が自分の川柳
に相応しいか、しっくり馴染むか、吟味しましょう。
今日の私の句ですが、
『桜咲く あの春はもう来ないけど』
『さくら咲く あの春はもう来ないけど』
『サクラ咲く あの春はもう来ないけど』
と、書いてみて、納得して出句するようにしましょう。
『あう』 という言葉も、『会う』 と 『逢う』 では、印象が違います。『逢
う』 という表記にすると、恋人に逢う、とか、久しく逢う、とか、何やら切
なげに感じたりします!また、『遇う』 は、遭遇する、といった意味合い
が強いので、辞書で確認した方が良いでしょう。
『かお』 にしても、『顔』 と 『貌』 では、印象がまったく変わってきます
よね!
ややこしい様ですが、印象が変わる、なんて、日本語ならではの醍醐味。
十七音字で勝負する世界、表記一つ取っても楽しみたいです(#^.^#)
■選者の一句
桜咲く あの春はもう来ないけど 桔理子☆5月のお題は『部屋』 4月末日締切りです。
☆6月のお題は『布団』 5月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句ピリオドを探しながらのの三次会
『う~ん!!!』と、唸ってしまいました!納得の、楽しい句ですね!
『忘年会』 『新年会』 だけでなく、『親睦会』 『歓送迎会』 etc.。二
次会までは、体調やノリでふぁ~~っと行っちゃいますが、『三次会』
となると、わ~っと騒いで燥いでる頭の片隅に『時間』 『終電』 『明日
の仕事』なんかがうごめいて、ちょっと冷めた部分がイエローカード出
してるんですよね!!!『どう、お暇しよう?』 『こっそり?』 『いやい
や、公言して』・・・。
まさに天使と悪魔が会話してる状態かも知れません。(早く帰ろう~)
(もう、いいじゃん!最後まで行っちゃえよ!)とかなんとか。
そんな葛藤を『ピリオドを探しながらの』と表現されていて、リズムも語
呂も良い句だと思います。
『三次会』が効いていますね!奥様の逆鱗に触れる寸前に帰宅でき
ますように!!!(#^.^#)