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2014年10月の日記

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2014/10/02(木) 第326回8月30日放送

特選句 

     拉致された時は昭和という昔                 幸二

入選句

題『洗う』
     どうしても研ぎたくさせる無洗米              益弘
     人様の一句にはっと洗われる               めぐ
     洗っても消えない染みは二つ三つ              寿
     ストレスを洗い流したひと泳ぎ               清香
     ひと夏の恋もシャワーでジ・エンド             恭子
     顔洗う鏡が皺を映し出す                  節城
     丸洗いする泥んこのチビギャング             重子
題『自由吟』
     病室の窓カンバスに遠花火                としや
     せせらぎも怒り狂えば濁流に              行兵衛


楽々川柳

   お便りコーナー
   寄せて頂いたお便りを時間の限り紹介させて頂きました。
   楽しいお便り、川柳の事、近況報告、励ましの言葉、本当に嬉しいです。
   『川柳広場』楽しんで頂けて、嬉しいです!!!

   また、川柳に関する疑問・質問を受け付けています。
   こんなこと、聞いて良いのかしら?って思われる事も本当はとっても新鮮
  な事だったりします。
   私たちも勉強になります、どしどしお寄せ下さい!(#^.^#)


   

選者の一句

    蜩がかなかな 湯気の立つ庭で              桔理子



    ☆10月のお題は『とことこ』          9月末日締切りです。
    ☆11月のお題は『指示』           10月末日締切りです。
    ☆12月のお題は『宝石』           11月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




  今回の特選句『拉致された時は昭和という昔』

    ああ、本当にそうだ、と、改めて気付かされた一句です。切ない悲しい
   時事川柳です。
    拉致された人達と、そのご家族を一刻も早く逢わせてあげたいと願ってい
   ます。それなのに、遅遅として事が進みません。
    逢わせてあげたい、ご家族が逢いたいと願う心情を詠った川柳は多く、ど
   の句も心が痛みますが、『拉致された、その事件が起こったのは昭和という、
   もう26年以上前の年号の時だったんですよ』という、この句を読んで、ハッと
   させられました。
    本当に、一刻も早く、再会が現実のものとなりますよう願って止みません。

    時事川柳として見付けの良い秀句だと思います。

2014/10/01(水) 第325回8月23日放送

特選句 

     雨はいい 心も垢も洗うから                  英樹

入選句

題『洗う』
     好きな服洗って洗ってまだ着ます              めぐ
     忘れようさぶさぶさぶと飛沫あげ               葵
     流木を洗う 仏が顔を出す              おーちゃん
     夕立に洗い流して欲しい罪                 無球
     退院し我が家の風呂でゴシゴシと            瑠璃子
     わだかまり洗い流して空仰ぐ               かほる
題『自由吟』
     解毒剤のんで同居を楽しみに                重子
     孝行をよってたかってされて喜寿              敏晴
     鳳仙花植えもせぬのに庭埋める             としや


川柳ヒストリー

     大正っ児古い子守の唄で寝ず         小尺一(コシャクイチ)

    大正5年11月、読売新聞『よみうり時事川柳』。選者は、井上剣花坊です。
    生活様式が変わり、社会が大きく変わる時代の川柳で、新時代への希望
   が明るく楽しく詠まれています。
    川柳の解釈は『大正生まれの二、三歳児を寝かすのに親や祖父母の時
   代から伝わる子守唄では寝つかない。蓄音機という新しい音の世界がある
   のだ。幼児でさえ、その音に親しんでいる。』
    大正時代の初頭は蓄音機が大流行し、子守唄でさえも蓄音機で聞かせま
   しょう、と謳われたのだそうです。
    新しい文化の時代を謳歌した一句でしょう。

          

選者の一句

    小六の孫と戦争写真集             正明

 

    ☆9月のお題は『遠い』           8月末日締切りです。
    ☆10月のお題は『とことこ』        9月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『雨はいい 心も垢も洗うから』

    雨、といえば、鬱陶しいものです。洗濯物は乾かないし(主婦ですから!)、
   傘はささないといけないし、それでも洋服は濡れるし靴も汚れる…、でも、こ
   の句の作者は『雨はいい』と言うのです。
    なぜなら…。
    『心も垢も洗うから』
    ふと、雨上がりの情景を思い浮かべました。雨上がりの清々しさ。街も家々
   も草花も庭も、違って見えます。
    雨が降って、心の中も、目に見える世界の汚れも洗い流してくれる。証拠
   に、雨上がりは美しい…。
    雨の鬱陶しさと、雨上がりの晴れ晴れした情景の浮かんでくる佳句だと思
   います。

1: 川柳ファン 『☆9月のお題は『遠い』8月末日締切りです。 ☆10月のお題は『とことこ』9月末日締切りです。 そして・・・?』 (2014/10/02 21:52)

2014/10/01(水) 第324回8月16日放送

特選句 

     髪の毛を洗えば五本さっと逃げ                英明

入選句

題『 洗う 』
     百選の水でおらがの芋洗う                 なごみ
     わだつみのこえがこころのさび洗う          おーちゃん
     孫の目が洗う入れ歯を不思議がる              敏晴
     補欠の子次は活躍靴洗う                   有子
     もう一度心を洗う月青く                     喜明
     足洗うそんな事などしてはダメ!               清香
題『自由吟』
     ジーンズの穴から大声でる暑さ                無球
     号泣が地方議会に流れ弾                   節城
     役もらい元気ももらう七十路から                 寿

                      

江戸川柳

    伯父が来てとかく他人のめしという

    明和8年(1771年)、柳多留6篇の川柳です。
    この『他人のめし』とは、親元を離れずにいつまでも一緒に暮らしている
   と、人間が甘えてしまって一人前にならないから、どこか奉公勤めをせよ、
   という意味で、江戸川柳は、時代を超えて、多くの類句がみられます。
    この句の鑑賞は、現代にも当てはまるでしょう。
    
    現代であれば外国という選択肢も加わってくるのかもしれません。


選者の一句

    切手にはうさぎが跳ねる雨の午後            ヨシヱ
   


    ☆9月のお題は『遠い』         8月末日が締切りです。
    ☆10月のお題は『とことこ』      9月末日が締切りです。                          

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『髪の毛を洗えば五本さっと逃げ』

    川柳の三要素と言われる『穿ち』 『ユーモア』 『軽み』、この句は、
   『ユーモア』そして『軽み』の句と言えると思います。

    髪の毛を洗って、シャンプーを流したら髪の毛が五本、サッと流れ
   ていってしまった…五本、という、僅かな本数も何だか可笑しく、加えて
   何とも笑えるのが『サッと逃げ』という表現ですね!
    『逃げた』と言われているので、『あ、待て、待て!』という気持ちや
   『あ、流れてしまった』…と、見つめている様子とか見える気がします。
    どちらにしてももう、元には戻らないのだけど。
    クスリと笑える川柳らしい一句だと思います。

2014/10/01(水) 第323回8月9日放送

特選句 

     洗い髪 鏡の私若くなれ                   めぐ

入選句

題『洗う』
     満天の星に五欲を洗われる                 英樹
     何時の間に食事のあとは俺の役            行兵衛
     初孫をコワゴワ洗う母の顔                瑠璃子
     泥洗い明日も跳ねる靴を干し               なごみ
     シャンプーは豆粒ほどで足りる髪              益弘
     手を合わすたびに洗っているココロ            英明
題『自由吟』
     筋トレに弾む熟女の良い笑顔               かほる
     病窓の雨を見ている余命表                 喜明
     湯壺から四方眺めて願いあり                翔空


川柳ヒストリー

     仲よしにそろそろわかる貧富の差            波濤

    出典は、昭和38年10月、『番傘川柳一万句集/創元社』です。
    何時の時代でも、そうだ、そうだ、子供だって気付くことだ。と、子供の
   世界を詠まれた川柳です。昭和の半ば頃の句、と紹介されています。

    子どもの世界だって難しいものがあります。仲よしだった友達との間
   にも徐々に生活空間の違いを知る時が来ます。
    貧富の差の自覚、ですから、貧乏である子がお金持ちの子を羨ましく
   思った、と、とらえても良いと思いますが、裕福な家の子が、今まで親し
   くしていた友達から、金持ちの子と疎まれたり敬遠されたりして孤独で
   寂しい、と受け取る事も出来ます。

    川柳ならではの人間を詠んだ胸の痛むような一句だと思います。

          

選者の一句

    ひまわりの迷路でスーッと醒めた夢           敏子

 

    ☆9月のお題は『遠い』           8月末日締切りです。
    ☆10月のお題は『とことこ』        9月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『洗い髪 鏡の私若くなれ』

    思わず共感してしまいました!お風呂上がりの鏡はちょっぴり『魔法の鏡』
   です。顔色も良くて、スッキリしていて若くなった感じ!そして、洗い髪も手伝
   って何となくイイ感じです。

    思わず『若くなれ!』って呟いてしまう。いじらしい(んですよ、女は何時まで
   も!)女心を詠まれた秀句です。ちょっぴり切ないような、でも可愛い一句だと
   思いました。

    川柳ならではのリズムも良くて、さらりと詠んで共感し、う~ん、とつい鏡を
   見てしまうような句ですね!