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2014/10/25(土) 第333回10月18日放送

特選句 

     とことこと からくり人形お茶を出す              恭子

入選句

   題『とことこ』
     公園の母子を重ねる青い空                   葵
     孫の後とことこ追ってお祖父ちゃん             敏晴
     老いの足とことこ鍛える万歩計                 寿
     秋の暮とことこ歩く散歩道                   翔空
     戸開けると幼い足が駆けてくる                はな
     カルガモの親子とことこ国道を                有子
   題『自由吟』
     満月や心の棘が抜けていく                   栄
     言い訳を聴いて返して絆とや                かほる
     頂点に立てば見えない登り口                英樹


選者の一句

    泣くのは簡単 傾げて見る世界               桔理子

 

    ☆11月のお題は『指示』         10月末日締切りです。
    ☆12月のお題は『宝石』         11月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『とことことからくり人形お茶を出す』

    この句を読んだ瞬間、精巧に作られたからくり人形が澄ました顔で
   箱の中から出てきて、その手にはお盆、お盆の上には小さな湯呑が
   載せられていてお茶を運んでくる…そんな様子が浮かびました。
    とことこ、で、からくり人形か!なるぼど!

    『見付け』の良い句、楽しい一句だと思います。

2014/10/25(土) 第332回10月11日放送

特選句 

     泣きながら とことこ母の腕の中            おーちゃん

入選句

   題『とことこ』
     とことことまだ引き摺っている昭和              重子
     ローカル線とことこ もみじ連れて乗る           かほる
     しかられて歩幅が狭く重い音                 益弘
     とことこと同じ歩幅で進む蟻                  無球
     この先も孤独をつれて歩むなり                喜明
     とことこと のんびりペースで生きていく            葵
   題『自由吟』
     アルバムのセピアのきみに光射す             としや
     ロボットが恋す嫉妬す近未来                 はな
     十月の空の高さに五輪塔                   翔空


選者の一句

   ありがとう重ねて今日を輝いて               ヨシヱ

 

    ☆11月のお題は『指示』         10月末日締切りです。
    ☆12月のお題は『宝石』         11月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『泣きながら とことこ母の腕の中』

    可愛らしい情景が見えるようです。思わず顔が綻んでしまう一句
   ですね!息子が小さかった頃を思い出します。
    小さいくせに肩で風切って歩いていて、ちっとも言う事を聞かない
   子が、ふいにコン、と頭を打ったりして痛いと、ぎゃんぎゃん泣きな
   がら方向転換して戻ってくる。(#^.^#)
    こういう時はやっぱり母親、お父さんには申し訳ないですが!!!

    『泣きながら』が、とても効ていて、この句に表情を与えていると
   思います。

2014/10/25(土) 第331回10月4日放送

特選句 

     おすそ分け隣近所へとことこと              栄

入選句

   題『とことこ』
     碁敵が鴨ネギ背負いとことこと                俊博
     四分休符ときどき入れて歩く孫                益弘
     夏色が追われとことこ逃げている                葵
     腕ひろげ とことことことママの胸               恭子
     今日もまたとことこ歩く影法師                 英樹
     月と影ついて来たのはお月さん               喜明
   題『自由吟』
     ロボットにストーカーされ どうしよう             はな
     酒一杯奢って話す孫自慢                   無球
     まだ生きているのですかとアンケート            幸二

          

選者の一句

    行列を見ると並んでみたくなる               夏牛

 

    ☆11月のお題は『指示』         10月末日締切りです。
    ☆12月のお題は『宝石』         11月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『おすそ分け隣近所へとことこと』

    幼い子のとことこと歩く様子を詠まれた佳句はたくさんありましたが、
   この句はなんとなく、おばあちゃんがおすそ分けを持って行かれている
   情景が浮かびます。下
    町情緒漂う一句ですね(#^.^#)『見付け』の良い句だと思います。
    お皿に盛り分けて、今でしたらタッパでしょうか、ニコニコと届けられて
   いる情景。
    『とことこ』が、とても効いている気がしました。

2014/10/25(土) 第330回9月27日放送

特選句 

     遠くまで見えた自慢の目がかすむ              有子

入選句

   題『遠い』
     遠い日のかん声のこる運動場                恭子
     遠くまで来たのだろうか痩せた犬             ちあき
     約束をしたのにいまだ着かぬ恋               無球
     悪口はちゃんと聞こえる遠い耳               敏晴
     万発の花火対岸まで揺らぐ                  氷筆
     古里をたどれば遠い君の影                   栄
   題『自由吟』
     外食に飽きて恋しいママの味                 重子
     黙祷後君だれ続くクラス会                  節城
     無縁墓処理でご先祖迷う宙                  喜明

          

選者の一句

    野仏の背に添うて咲く曼珠沙華               敏子

 

    ☆11月のお題は『指示』         10月末日締切りです。
    ☆12月のお題は『宝石』         11月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『遠くまで見えた自慢の目がかすむ』

    小さい字が読めない…初めて『老眼』を意識したのはいつ頃でしょ
   うか。まさか…と、ひどくショックでした。だからでしょうか、この句は
   とても心に響きました。私はもともと近眼なので、それでもショックだ
   ったけど、『目は良いの』と自負されていた方はきっと、もっと残念な
   んじゃないかな、と思います。

   何気ない日常をリズムよく詠まれた佳句だと思いました。