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2014/10/01(水) 第324回8月16日放送

特選句 

     髪の毛を洗えば五本さっと逃げ                英明

入選句

題『 洗う 』
     百選の水でおらがの芋洗う                 なごみ
     わだつみのこえがこころのさび洗う          おーちゃん
     孫の目が洗う入れ歯を不思議がる              敏晴
     補欠の子次は活躍靴洗う                   有子
     もう一度心を洗う月青く                     喜明
     足洗うそんな事などしてはダメ!               清香
題『自由吟』
     ジーンズの穴から大声でる暑さ                無球
     号泣が地方議会に流れ弾                   節城
     役もらい元気ももらう七十路から                 寿

                      

江戸川柳

    伯父が来てとかく他人のめしという

    明和8年(1771年)、柳多留6篇の川柳です。
    この『他人のめし』とは、親元を離れずにいつまでも一緒に暮らしている
   と、人間が甘えてしまって一人前にならないから、どこか奉公勤めをせよ、
   という意味で、江戸川柳は、時代を超えて、多くの類句がみられます。
    この句の鑑賞は、現代にも当てはまるでしょう。
    
    現代であれば外国という選択肢も加わってくるのかもしれません。


選者の一句

    切手にはうさぎが跳ねる雨の午後            ヨシヱ
   


    ☆9月のお題は『遠い』         8月末日が締切りです。
    ☆10月のお題は『とことこ』      9月末日が締切りです。                          

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『髪の毛を洗えば五本さっと逃げ』

    川柳の三要素と言われる『穿ち』 『ユーモア』 『軽み』、この句は、
   『ユーモア』そして『軽み』の句と言えると思います。

    髪の毛を洗って、シャンプーを流したら髪の毛が五本、サッと流れ
   ていってしまった…五本、という、僅かな本数も何だか可笑しく、加えて
   何とも笑えるのが『サッと逃げ』という表現ですね!
    『逃げた』と言われているので、『あ、待て、待て!』という気持ちや
   『あ、流れてしまった』…と、見つめている様子とか見える気がします。
    どちらにしてももう、元には戻らないのだけど。
    クスリと笑える川柳らしい一句だと思います。