ようこそゲストさん

ようこそ川柳広場へ

2014/10/01(水) 第323回8月9日放送

特選句 

     洗い髪 鏡の私若くなれ                   めぐ

入選句

題『洗う』
     満天の星に五欲を洗われる                 英樹
     何時の間に食事のあとは俺の役            行兵衛
     初孫をコワゴワ洗う母の顔                瑠璃子
     泥洗い明日も跳ねる靴を干し               なごみ
     シャンプーは豆粒ほどで足りる髪              益弘
     手を合わすたびに洗っているココロ            英明
題『自由吟』
     筋トレに弾む熟女の良い笑顔               かほる
     病窓の雨を見ている余命表                 喜明
     湯壺から四方眺めて願いあり                翔空


川柳ヒストリー

     仲よしにそろそろわかる貧富の差            波濤

    出典は、昭和38年10月、『番傘川柳一万句集/創元社』です。
    何時の時代でも、そうだ、そうだ、子供だって気付くことだ。と、子供の
   世界を詠まれた川柳です。昭和の半ば頃の句、と紹介されています。

    子どもの世界だって難しいものがあります。仲よしだった友達との間
   にも徐々に生活空間の違いを知る時が来ます。
    貧富の差の自覚、ですから、貧乏である子がお金持ちの子を羨ましく
   思った、と、とらえても良いと思いますが、裕福な家の子が、今まで親し
   くしていた友達から、金持ちの子と疎まれたり敬遠されたりして孤独で
   寂しい、と受け取る事も出来ます。

    川柳ならではの人間を詠んだ胸の痛むような一句だと思います。

          

選者の一句

    ひまわりの迷路でスーッと醒めた夢           敏子

 

    ☆9月のお題は『遠い』           8月末日締切りです。
    ☆10月のお題は『とことこ』        9月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『洗い髪 鏡の私若くなれ』

    思わず共感してしまいました!お風呂上がりの鏡はちょっぴり『魔法の鏡』
   です。顔色も良くて、スッキリしていて若くなった感じ!そして、洗い髪も手伝
   って何となくイイ感じです。

    思わず『若くなれ!』って呟いてしまう。いじらしい(んですよ、女は何時まで
   も!)女心を詠まれた秀句です。ちょっぴり切ないような、でも可愛い一句だと
   思いました。

    川柳ならではのリズムも良くて、さらりと詠んで共感し、う~ん、とつい鏡を
   見てしまうような句ですね!