■特選句　

　　　　　遠くまで見えた自慢の目がかすむ　　　　　　　　　　　　　　有子

■入選句

　　 題『遠い』
　　　　　遠い日のかん声のこる運動場　　　　　　　　　　　　　　　　恭子
　　　　　遠くまで来たのだろうか痩せた犬　　　　　　　　　　　　　ちあき
　　　　　約束をしたのにいまだ着かぬ恋　　　　　　　　　　　　　　　無球
　　　　　悪口はちゃんと聞こえる遠い耳　　　　　　　　　　　　　　　敏晴
　　　　　万発の花火対岸まで揺らぐ　　　　　　　　　　　　　　　　　 氷筆
　　　　　古里をたどれば遠い君の影　　　　　　　　　　　　　　　　　　　栄
　　 題『自由吟』
　　　　　外食に飽きて恋しいママの味　　　　　　　　　　　　　　　　 重子
　　　　　黙祷後君だれ続くクラス会　　　　　　　　　　　　　　　　　　節城
　　　　　無縁墓処理でご先祖迷う宙　　　　　　　　　　　　　　　　　 喜明

　　　　　　　　　　

■選者の一句

　　　　野仏の背に添うて咲く曼珠沙華　　　　　 　　 　　　　　　敏子

　

　　　　☆１１月のお題は『指示』　　　　　　　　　１０月末日締切りです。
　　　　☆１２月のお題は『宝石』　　　　　　　　　１１月末日締切りです。

　　　　☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



　　　今回の特選句『遠くまで見えた自慢の目がかすむ』

　　　　小さい字が読めない…初めて『老眼』を意識したのはいつ頃でしょ
　　　うか。まさか…と、ひどくショックでした。だからでしょうか、この句は
　　　とても心に響きました。私はもともと近眼なので、それでもショックだ
　　　ったけど、『目は良いの』と自負されていた方はきっと、もっと残念な
　　　んじゃないかな、と思います。

　　　何気ない日常をリズムよく詠まれた佳句だと思いました。

■特選句　

　　　　　秋茄子を楽しみにして枝を切る　　　　　　　　　　　　　　　瑠璃子

■入選句

題『遠い』
　　　　　すぐそばのあなたが遠い歯がゆさよ　　　　　　　　　　　　氷筆
　　　　　遠い国みんな日本の生きがいに　　　　　　　　　　　　　　としや
　　　　　くすり指するりと女遠くなる　　　　　　　　　　　　　　　　　 　重子
　　　　　遠くなり　か細い月を見上げてる　　　　　　　　　　　　　　 朝子
　　　　　二階から今年も綺麗遠花火　　　　　　　　　　　　　　　　　　めぐ
　　　　　浴衣柄褒め合い花火遠い日よ　　　　　　　　　　　　　　　　　栄
　　　　　虎キチに近くて遠い優勝旗　　　　　　　　　　　　　　　　　　俊博
題『自由吟』
　　　　　地平線越えた夕陽に祈る明日　　　　　　　　　　　　　　　　節城
　　　　　度忘れにヒント出し合う夫婦仲　　　　　　　　　　　　　　　　敏晴

　　　　　　　　　　

■選者の一句

　　　　戦時中 捏造戦果聞かされる　　　　　 　　　　　　　　　正明

　

　　　　☆１１月のお題は『指示』　　　　　　　　　１０月末日締切りです。
　　　　☆１２月のお題は『宝石』　　　　　　　　　１１月末日締切りです。

　　　　☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



　　　今回の特選句『秋茄子を楽しみにして枝を切る』

　　　　私は知らなかったのですが、茄子は夏に収穫をしたら、一度思い
　　　切って剪定するそうです。そうすると、また育って実がなり、それが
　　　秋茄子になるそうです。
　　　　この句は、その収穫を終えて、剪定する、その時の気持ちを詠ま
　　　れた句です。
　　　　茄子の枝に鋏を入れながら、鋏を入れる事でもう一度元気に実っ
　　　て欲しいと思う気持ちを素直に詠まれています。

ＢＡＮ－ＢＡＮラジオでお聴きの皆さま

１０月１１日の放送が機材のトラブルにより、最後まで放送出来ませんでした。
楽しみにして下さっているリスナーの皆さまにはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。つきましては、ＢＡＮ－ＢＡＮラジオで振り替え放送をさせて頂きます。

放送日時
２０１４年１０月１８日　２０：００～

尚、２０：３０～の通常の放送も予定通り放送致します。

■特選句　

　　　　　親介護遠い近いは理由付け　　　　　　　　　　　　　　　　恭子

■入選句

題『 遠い 』
　　　　　多すぎる日帰りツアーの土産物　　　　　　　　　　　　　　　　　葵
　　　　　悔いる過去羊百匹また数え　　　　　　　　　　　　　　　　　　喜明
　　　　　遠雷のように聞いてる国の秋　　　　　　　　　　　　　　　　　幸二
　　　　　不義理して生まれ故郷が遠くなる　　　　　　　　　　　　　　　益弘
　　　　　遠目にはきれいな妻が傍にいる　　　　　　　　　　　　　　　英明
　　　　　遠い明日いつも探して万華鏡　　　　　　　　　　　　　　　はるママ
題『自由吟』
　　　　　コスモスが咲いてやさしい秋告げる　　　　　　　　　　　　　かほる
　　　　　図書館の棚でカントが欠伸する　　　　　　　　　　　　　　　　英樹
　　　　　ところてん　ひとつの涼の味をして　　　　　　　　　　　　　　　無球

■選者の一句

　　　　振り返りみんな愛しい点と線　　　　　　　　　　　　ヨシヱ
　　　


　　　　☆１１月のお題は『指示』　　　　　　１０月末日が締切りです。
　　　　☆１２月のお題は『宝石』　　　　　　１１月末日が締切りです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



　　　今回の特選句『親介護遠い近いは理由付け』

　　　　ああ、そうかも知れない…。介護をする立場から詠まれたのでしょうか。
　　　される立場から詠まれたのでしょうか。高齢化社会の問題点の一つを
　　　サラリと川柳にされていて、どちらの立場であってもドキリとする一句です。

■特選句　

　　　　　父母逝きてふる里だんだん遠くなり　 　　　　　　　　 　 　　　瑠璃子

■入選句

題『遠い』
　　　　　目の前の君の瞳が遠すぎる　　　　　　　　　　　　　　　　英樹
　　　　　遠い日の苦労は言わぬ紙おむつ　　　　　　　　　　　　なごみ
　　　　　万歳にもっとも遠い主婦の椅子　　　　　　　　　　　　はるママ
　　　　　だんだんと遠くなってるショッピング　　　　　　　　　　　　恭子
　　　　　母の星探しています夏銀河　　　　　　　　　　　　　　　　節城
　　　　　終戦日遠い記憶を呼び戻す　　　　　　　　　　　　　　　　有子
題『自由吟』
　　　　　夏休み残り十日は丁寧に　　　　　　　　　　　　　　　　　　めぐ
　　　　　ひとり寝の寂しさ 月も覗き込む　　　　　　　　　　　　　かほる
　　　　　旅先で読む地方紙の新鮮味　　　　　　　　　　　　　　　　氷筆

　　　　

■選者の一句

　　　　ひっそりと夏を手放す 駅裏喫茶　　　　　　　　　　　　　　敏子


　　　　☆１１月のお題は『指示』　　　　　　　　　　　１０月末日締切りです。
　　　　☆１２月のお題は『宝石』　　　　　　　　　　　１１月末日締切りです。

　　　　☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



　　今回の特選句父母逝きて古里だんだん遠くなり

　　　　なるほどと思わせる実感句です。素直な表現で、心に沁みる気がします。
　　　　優しいけれと、背景を思うと切ない一句ですね。