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2013年3月の日記

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2013/03/31(日) 第252回3月30日放送

特選句 

     パソコンの合格通知涙出ず           はるママ

入選句

題『涙』
     今日巣立つ牛の瞳に光るもの            なごみ
     嘘泣きの涙乾いた音がする           おーちゃん
     逆転に涙する日よ早く来い               俊博
     傷心の涙を隠すアイシャドー              和喜
     ごめんねと涙の頬をそっと撫で             正子
     涙声 尖閣諸島声がする                清香

            
題『自由吟』
     何かしら明るい日ざし春の声              めぐ
     恋破れ鞄一つの風の駅           (小野市)英樹
     棚の上もの言わぬ荷の一つあり            翔空
                       
 

川柳ヒストリー

      雨よりも幸せ風に散る桜      渡辺蓮夫(ハスオ)

   昭和51年(1976年)から「川柳研究」の代表となった渡辺蓮夫の句です。
   桜の花は、雨や風のあと散るもの。桜が雨で散る時、風で散る時に着眼し、詠
  まれた一句です。
   「川柳全集/構造社出版」の中に書かれた川柳考を紹介します。

   『たとえばどんな絵を描いても、絵とはそういうもの、とは言われない。たとえば
  どんな小説を書いても、小説とはそういうもの、とは思われない。ところが、川柳
  が艶笑や皮肉を書けば、川柳とはそういうものと思われる危険が未だにある。絵
  や文学と川柳への一般の理解の程度の差である。』

   『あなたが日記を書くとすれば、誰にも読まれなくてもいい文字を綴ろう。だが、
  あなたが随筆を書くとすれば、人に読ませるような文字を綴ろう。自分だけわかれ
  ばいいものには、文学の意識はない。日記川柳を書くか、文学の川柳を書くか。』

   『川柳は詩である、の意識を持っていないと川柳は崩れる。川柳は詩である、と
  思い込んでしまうと、川柳は狭くなる。』
    
 

選者の一句

    勝ち力士明日の新聞写真かと          正明



    ☆5月のお題は『切る』                4月末日締切りです。
    ☆6月のお題は『自転車』               5月末日締切りです。


    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句『パソコンの合格通知涙出ず』

  少し時事川柳のような風合いの川柳です。
  パソコンや携帯メールで頂く『合格通知』は、何となく無機質で『ああ!良かった!
 おめでとう!』とは思っても、涙は出てこない。そこには声の抑揚も高まりも無いか
 らでしょうか。
  私は、この合格通知は、大学の合否のパソコンで確認している姿が思い浮かび
 ました。最近はパソコンでわかるそうです。『合格』の受験番号が見つかっても「お、
 やった!」と、小さくガッツポーズ…。『不合格』には冷たい時間が流れそう…。現在
 社会の一面を詠まれた句だなって思います。
 

  

1: ようこそ川柳広場へ 『なごみ様 おはようございます!いつもありがとうございます。 すみません、ブログの入選句、『牛の瞳』でした、訂正しました。m(_...』 (2013/04/05 8:50)

2013/03/29(金) 第251回3月23日放送

特選句 

     どの涙するか女の底を見る             喜明

入選句

題『 涙 』
      福寿草涙腺ゆるむ花ことば               末美
     うす墨の手紙に思うこと あらた            重子
     涙目に追いうちかけるPM2・5            恭子
     はじめての父の涙で目を覚ます            令子
     荒れる世に千羽の鶴の目に涙            翔空
     すごいなあ このタイミングその涙          朝子
                                  
       
題『自由吟』
     雪の富士新幹線から写メを撮る           節子
     おばちゃんになっても恋をする私           清香
     遺産なく思い出話し形見分け             和喜
                   

江戸川柳

      大地震五百羅漢の鉢合せ

   震災は、語り継ぐこと、と言われ続けています。江戸川柳の地震の句です。
   五百羅漢は、羅漢、古くは阿羅漢といい、仏教の修行の最高段階の称で、
  詳しくは不明ですが、五百人の羅漢が集まったと、江戸の本所・天恩山羅漢
  寺に五百羅漢石像があって、名所になっています。
   大きな地震で、石像が揺れ、ぶつかり合うほどだった、という意味で、地震の
  大きさを詠んだのでしょうが、仏でさえも防ぎようがないのが地震だ、と、羅漢が
  最高の修行という方向からも解釈することが出来ます。
   江戸の大地震は天保3年11月22日。この川柳はその翌年に作られました。
  
    

選者の一句

    ゴミじゃない瓦礫は生きてきた叫び         ヨシヱ


   
    ☆4月のお題は『茣蓙(ござ)』           3月末日締切りです。
    ☆5月のお題は『切る』               4月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句『どの涙するか女の底を見る』

  嫌だなぁ!女はみんな、こういう芸当が出来ると思ってらっしゃるようですが、
 ごく一部の羨ましい女性だけですよ!…と思うんですが…。女は受け身って言
 いますから、こういう強かさは自然に備わっているのかも知れません(^_^;)
  『どの涙にするか』女はササッと計算して、その場にピッタリの涙を流してみせ
 る。結局負けてしまう男性側の『分かってるのに』負ける優しさなども見え隠れ
 するようです。

1: めぐ 『3/30の放送で私の小さなお便りも読んで下さって 感激します。ブログの6人衆、はつらつとされて 力をもらいます。一寸前を見ました...』 (2013/03/30 10:54)

2: ようこそ川柳広場へ 『めぐ 様 いつも「川柳広場」を楽しみになさって下さり、ありがとうございます。 ブログも随時更新するよう、頑張りますので、これか...』 (2013/03/31 10:35)

2013/03/16(土) 第250回3月16日放送

特選句 

     大粒と小粒の涙使い分け           英明

入選句

題『涙』
     負けるものか 心涙で溢れても              節子
     拉致された家族の涙届け天                清香
     少年の涙の痕に嘘は無い          小野市   英樹
     一寸したドラマに涙お父さん                めぐ
     また涙たかがペットというけれど              朝子
                                         
題『自由吟』
     ポックリと逝って会いたい人が居る              健
     宇宙から地獄の使者も迷い込み              翔空
     投句後は早めにのぞく郵便受                俊夫
 

楽々川柳

    皆様からのあたたかいお便りを幾つか紹介させていただきました。
    これからも頑張ります!
    そして、4月14日㈰の大会のご案内させて頂きました。


    『2013 ふあうすと川柳大会  (ご案内)  』

    開催日時   平成25年4月14日(日)
             午前10時  開場
    開催場所   兵庫県民会館  9階ホール
            神戸市中央区下山手通4-16-3
             ※ JR元町・阪神元町駅より北へ徒歩7分
             ※ 地下鉄県庁前 東1・2出口よりスグ


    宿  題  『リーダー』            蛯原 夏牛 選
           『甘 い』              国方 艶子 選
             『 坂 』               弘兼 秀子 選
           『笑 う』               木本 朱夏 選
           『集 う』              谷垣 郁郎 選
           『 旅 』                岡田  篤 選
           『自由吟(事前投句)』      赤井 花城 選

    出句締切  12時(各題 2句)
    会   費  2,000円
    懇 親 会  大会終了後、同会館10階にて。
            当日受付   会費 5,000円(先着80名まで)

        

選者の一句

    就活の収束見える駐車場         夏牛


   
    ☆4月のお題は『茣蓙(ござ)』          3月末日締切りです。
    ☆5月のお題は『切る』               4月末日締切です。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句『大粒と小粒の涙使い分け』

   一口に『涙』といっても、そうですね、様々なシーンがあって様々な設定が
  あって…もしかしたら男、女、とかに限らず無意識に使い分けているのかも
  知れません。が、この句は、やっぱり女、でしょうか(#^.^#)
   今は大粒の涙はらはらと、とか、ここでは小粒の涙でつつましく、とか。何だ
  かいろんなシーンが浮かんできて、とっても楽しい一句です。使い分けるのは
  女性ばかりでなく、『子供』だって、けっこう上手だな、って思います(#^.^#)
   大粒・小粒という表現がとても面白いと思いました。

1: ようこそ川柳広場へ 『 もみ様 ご投句、ありがとうございます! いつも本当にありがとうございます! 私も頑張らなくちゃ!励みになります(^^)v ...』 (2013/03/29 13:53)

2013/03/13(水) 第249回3月9日放送

特選句 

     惜敗のシューズ 涙はもう捨てる          なごみ

入選句

題『炎(ひ・ほのお』
     亡き夫の声どこからか涙落つ                 好
     強くなる悔し涙を流すたび                  恭子
     母ちゃんの本気の涙立ち直る              千恵子
     幸せと涙の数は表裏                     正子
     又来るね 孫の言葉に涙する                 栄
     一筋の涙で終る恋でした                   喜明
            
題『自由吟』
     行楽の夢破れそうダニ事件                   寿
     週一の川柳広場我が友ヨ                   めぐ
          
     

楽々川柳

  『造語について』

   日本語は意外と造語が多いです。例えば近年よく使われる『断捨離』は私
  の電子辞書では載っていません。でも、今ではすっかり市民権を得た言葉で
  すね。
   また、『就活』も『就職活動』を短縮した造語ですが、最近の『シュウカツ』は
  『終活』とか。人生の『終』に対する『活動』、高齢化社会ならではの造語です。
  また『夫唱婦随』を、男女逆転で『婦唱夫随』…これはどうでしょう?最近使わ
  れているようですが、川柳での使い方は難しいと思います。また『カラコン』は
  『カラーコンタクト』の略等々、これらの造語は短詩文芸としては面白いし助か
  りますが、使い方、時期を考えないと伝わらない場合もあります。また、自分
  で勝手に短縮した言葉を作ってしまわないように気を付けたいです。
   造語をつかう場合、辞書で確認する、新聞で使われているか確認するように
  した方が良いでしょう。


   

選者の一句

    風は春 ちょっと外してみる釦          敏子


   
    ☆4月のお題は『茣蓙(ござ)』          3月末日締切りです。
    ☆5月のお題は『切る』               4月末日締切りです。


    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




  今回の特選句『惜敗のシューズ 涙はもう捨てる』

   『惜敗のシューズ』ポツンと置かれた汗にまみれた、汚れたシューズ。悔しさが
  目に見えるようです。偉そうですみません、お上手な表現だと感心しました!
   その後に続く『涙はもう捨てる』。前向きで力強い句です!思いきり泣いて、悔し
  さから立ち上がる。
   …でも、私の感想なんですけど、どこか、まだ惜敗の悔しさが漂っている気がし
  ます。余韻が感じられます。

1: ようこそ川柳広場へ 『なごみ様 いつもご投句、ありがとうございます! 愉しい番組、川柳の面白さを伝えられるよう頑張ります! これからも、よろしくお願...』 (2013/03/13 14:30)

2: ようこそ川柳広場へ 『もみ 様 初投句、ありがとうございます! すごく嬉しいです! 楽しくて、川柳の面白さを伝えられる番組作りを、と、私たちも頑張り...』 (2013/03/13 14:34)

3: ようこそ川柳広場へ 『もみ 様 自由吟のご投句、ありがとうございます。 大切に、読ませて頂きます。 私たちの番組が、そして、川柳が『大きな力』になり...』 (2013/03/16 22:15)

2013/03/11(月) 第248回3月2日放送

*特選句 

     もう武器にならぬ涙は胃に落ちる          すみえ

入選句

題『涙』
     虚と実のたっぷり涙使い分け            千恵子
     お別れと涙でつづる昭和歌謡             俊夫
     旅立ちに涙見せまい空を見る             正子
     勝って泣き負けては涙スポ根性             好
     子のための涙の跡は見せられぬ          なごみ
                              
       
題『自由吟』
     雪道もすべらないよう工夫する      (三木市)英樹
     好きなのとそっと告白歌に乗せ            エリ
     
                     
 

川柳ヒストリー

      膝の子の重さに足りて夜の父      前田雀郎(ジャクロウ)

   幼い我が子を膝に抱いて、幸せを感ずる父親の心境を詠んだこの句は、引用
  の本にはありませんが、雀郎30歳代後半の句と思われます。雀郎は、大正3年
  に『狂句』のグループに入り、貿易商社に勤めたあと講談社に入社、川柳欄担当
  を手伝い、新川柳運動家の阪井久良伎(クラキ)、井上剣花坊、また吉川雉子郎
  (のちの吉川英治)と知り合い、26歳の時、都新聞へ移り、川柳壇選者となり、
  川柳の啓蒙につくしました。     
 

選者の一句

    ips命を繋ぐ世界の輪         ヨシヱ


    ☆4月のお題は『茣蓙』                2月末日締切りです。
    ☆5月のお題は『切る』                3月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。


  今回の特選句『もう武器にならぬならぬ涙は胃に落ちる』

  女の涙が武器云々の句は、ちょくちょく見かけるのですが、『胃に落ちる』とは、
 面白い表現ですね!放送の時もいろいろな受け取り方がありましたので、解説
 のような事は書かずにおきます。全体のリズムも語呂も良く、すんなり入ってきて
 おきながら、最後の『胃に落ちる』でドキッとさせられました!
  本当に、すごい句だと思います。