▼ 2013/03/11(月) 第248回3月2日放送
*特選句
もう武器にならぬ涙は胃に落ちる すみえ
もう武器にならぬ涙は胃に落ちる すみえ
■入選句
題『涙』虚と実のたっぷり涙使い分け 千恵子
お別れと涙でつづる昭和歌謡 俊夫
旅立ちに涙見せまい空を見る 正子
勝って泣き負けては涙スポ根性 好
子のための涙の跡は見せられぬ なごみ
題『自由吟』
雪道もすべらないよう工夫する (三木市)英樹
好きなのとそっと告白歌に乗せ エリ
■川柳ヒストリー
膝の子の重さに足りて夜の父 前田雀郎(ジャクロウ)幼い我が子を膝に抱いて、幸せを感ずる父親の心境を詠んだこの句は、引用
の本にはありませんが、雀郎30歳代後半の句と思われます。雀郎は、大正3年
に『狂句』のグループに入り、貿易商社に勤めたあと講談社に入社、川柳欄担当
を手伝い、新川柳運動家の阪井久良伎(クラキ)、井上剣花坊、また吉川雉子郎
(のちの吉川英治)と知り合い、26歳の時、都新聞へ移り、川柳壇選者となり、
川柳の啓蒙につくしました。
■選者の一句
ips命を繋ぐ世界の輪 ヨシヱ☆4月のお題は『茣蓙』 2月末日締切りです。
☆5月のお題は『切る』 3月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『もう武器にならぬならぬ涙は胃に落ちる』
女の涙が武器云々の句は、ちょくちょく見かけるのですが、『胃に落ちる』とは、
面白い表現ですね!放送の時もいろいろな受け取り方がありましたので、解説
のような事は書かずにおきます。全体のリズムも語呂も良く、すんなり入ってきて
おきながら、最後の『胃に落ちる』でドキッとさせられました!
本当に、すごい句だと思います。