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2013/03/11(月) 第247回2月23日放送

特選句 

     落椿亡母は文箱の底で燃え             重子

入選句

題『炎(ひ・ほのお)』
     怪気炎あげて戦くクレジット              英明
     どんど焼き昔懐かしへそ団子             俊博
     地が裂けて私の長田炎上し           はるママ
     暗がりに炎が恐い羅生門               翔空
     遺言も燃やして見れば炎だけ             清香
                              
       
題『自由吟』
     母さんが逃げ道くれた少年期             正子
     新年も花粉の便り春の音                めぐ
              

江戸川柳

      めいめいに褒めて引込む冬の月

    寛政7年か8年(1795年か1796年)出版の柳多留26篇の川柳です。
    外気の寒い冬の月は『寒の月』と句にされてはいますが、春や秋に比べて鑑
   賞され難いようです。
    この句は、『いい月だねぇ』と言って美しい月を眺めても、寒いので、すぐ部屋
   の中に引っ込んでしまう、そんな様子を少しコミカルに詠んでいます。『そうか、
   じゃ、俺も』と鑑賞するが、やっぱりすぐ引っ込んでしまう。でも、寒いから、とい
   って月を見ないで過ごすのではなく、いいお月様だ、と言って、一度は外へ出る
   所が嬉しいです。


選者の一句

    マスコミが世論醸成する社会         正明


   
    ☆3月のお題は『涙』                2月末日締切りです。
    ☆4月のお題は『茣蓙(ござ)』           3月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句『落椿亡母は文箱の底で燃え』

  亡きお母様の文箱の底には、何があったのでしょうか。恋文?誰かからもらった
 お手紙でしょうか?それとも出せなかったお手紙でしょうか?
  『文箱の底で燃え』という表現は秀逸だと思いました!