▼ 2013/03/11(月) 第247回2月23日放送
■入選句
題『炎(ひ・ほのお)』怪気炎あげて戦くクレジット 英明
どんど焼き昔懐かしへそ団子 俊博
地が裂けて私の長田炎上し はるママ
暗がりに炎が恐い羅生門 翔空
遺言も燃やして見れば炎だけ 清香
題『自由吟』
母さんが逃げ道くれた少年期 正子
新年も花粉の便り春の音 めぐ
■江戸川柳
めいめいに褒めて引込む冬の月寛政7年か8年(1795年か1796年)出版の柳多留26篇の川柳です。
外気の寒い冬の月は『寒の月』と句にされてはいますが、春や秋に比べて鑑
賞され難いようです。
この句は、『いい月だねぇ』と言って美しい月を眺めても、寒いので、すぐ部屋
の中に引っ込んでしまう、そんな様子を少しコミカルに詠んでいます。『そうか、
じゃ、俺も』と鑑賞するが、やっぱりすぐ引っ込んでしまう。でも、寒いから、とい
って月を見ないで過ごすのではなく、いいお月様だ、と言って、一度は外へ出る
所が嬉しいです。
■選者の一句
マスコミが世論醸成する社会 正明☆3月のお題は『涙』 2月末日締切りです。
☆4月のお題は『茣蓙(ござ)』 3月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『落椿亡母は文箱の底で燃え』
亡きお母様の文箱の底には、何があったのでしょうか。恋文?誰かからもらった
お手紙でしょうか?それとも出せなかったお手紙でしょうか?
『文箱の底で燃え』という表現は秀逸だと思いました!