▼ 2015/03/23(月) 第354回3月14日放送
■入選句
題『光る』猫の背に光あつめた春みっけ 恭子
詐欺の目が妖しく光る電話帳 英明
親の目を避けて遊んだ反抗期 野薫
一隅を照らすぐらいは私でも 聖也
光る星亡夫はいつでもその中に 瑠璃子
何かしらちがった光 春ですね めぐ
題『自由吟』
出かけるぞ春が来た気た胸もキュン 寿
夢で逢う子細きっちり雪おんな 喜明
お隣と比べメロンの匙を置く 孝志
■選者の一句
菩提寺の池は大師の像うつす 正明☆ 4月のお題は『上役』 3月末日締切りです。
☆ 5月のお題は『歌う』 4月末日締切りです。
☆ なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『生一本な少年 画布を光らせる』
『生一本な少年』、生一本を広辞苑で引いてみました。『気持ちがまっすぐ
で、策略を用いないでうちこんでゆく性格』と、ありました。調べなくても大体
の意味はわかります。辞書は上手く表現してくれます。
まっすぐな少年が、感じたままを感じたままに描んだ、とカンバスに対峙す
る姿が浮かびます。少年の描くものは荒削りであっても光を放っている…。
思春期の少年の姿が思い浮かびます。あらゆるものに真っ直ぐで不器用
で。その生き方自体が光を放っているのかも知れません。
ああ、もう、本当に素敵な句だなと思いました!