■特選句　

　
　　　　　後輩が上司になった日の辞表　　　　　　　　　　　　　　　孝志

■入選句

　　 題『上役』
　　　　　イケメンが上役ドラマとは行かぬ　　　　　　　　　　　　　　朝子
　　　　　上役に おいこら と言う夢の中　　　　　　　　　　　しゅういち
　　　　　上役も彼女を連れている出合い　　　　　　　　　　　　　　氷筆
　　　　　飲み会の上役財布だけが要り　　　　　　　　　　　　　　　無球
　　　　　年下の上司の悩み聞いてやる　　　　　　　　　　　　　　　益弘
　　　　　お局に「ちゃん」で呼ばれている上司　　　　　　　　おーちゃん
　　 題『自由吟』
　　　　　挨拶をされて戸惑うマスク族　　　　　　　　　　　　　　　　　　寿
　　　　　結論を先延ばしするふやけ麺　　　　　　　　　　　　　　　　受身
　　　　　梅干しの一つで描ける国の旗　　　　　　　　　　　　　　　　幸二

■選者の一句　

　　　　同じ事しても謗られ誉められて　 　　　　　　　 　　　　　　夏牛
　



　　　　☆　６月のお題は『警報』　　　　　　　　５月末日締切りです。
　　　　☆　７月のお題は『看板』　　　　　　　　６月末日締切りです。


　　　　☆　なお『自由吟』は随時、募集しています。




　　　今回の特選句『後輩が上司になった日の辞表』

　　　　夏牛さんと敏子さんがこの句を特選に選ばれた時、私は、本当は深い
　　　所が読み取れていませんでした。
　　　　でも、放送中のお二人の解説を聞いていて、サラリーマンの悲哀、の
　　　ひと言では片付けられないこもごもの気持ちが詰まっていたのだと思い
　　　ました。

　　　　どんな後輩だったのでしょうか。可愛がっていた後輩？それとも感じ方、
　　　やり方の真逆だった後輩？ずいぶんと年下の後輩だったのかも知れま
　　　せん。もう自分の出世の道は無くなったと感じたのか、或いは、これから
　　　は彼の下で働かなくてはいけないのか、と感じたのか。

　　　　本当に辞表を出したかどうかは問題ではなく、そこにある人間関係、人
　　　間臭さ、葛藤などが詠み込まれています。

　　　　じわじわと景色が見えるようで、心にズシンとくる一句です。


　

■特選句　

　
　　　　　ＯＢ会元上役は呼ばれない　　　　　　　　　　　　　　　　　無球

■入選句

　　 題『上役』
　　　　　上役もアットホームな町工場　　　　　　　　　　　　　　　　　恭子
　　　　　上役のうまい指し手に踊る駒　　　　　　　　　　　　　　　　英明
　　　　　退職日会社上役立場消え　　　　　　　　　　　　　　　しゅういち
　　　　　パワハラやセクハラ上司身も細る　　　　　　　　　　　　　氷筆
　　　　　上役が世話役になる定年日　　　　　　　　　　　　　　　　　俊博
　　 題『自由吟』
　　　　　小包に詰める無償の親心　　　　　　　　　　　　　　　　　知江美
　　　　　まだ何も失敗のない朝が好き　　　　　　　　　　　　　　　　聖也
　　　　　勝ち組が株価ボードに屯する　　　　　　　　　　　　　　　　英樹
　　　　　人生の最後の車　新車買う　　　　　　　　　　　　　　　　　　めぐ

■選者の一句　

　　　　切り捨てる悩む心とπの桁　 　　　　　　　 　　　　　　　　　　正明
　



　　　　☆　５月のお題は『歌う』　　　　　　　　４月末日締切りです。
　　　　☆　６月のお題は『警報』　　　　　　　　５月末日締切りです。

　　　　☆　なお『自由吟』は随時、募集しています。




　　　今回の特選句『ＯＢ会元上役は呼ばれない』

　　　　主人に『ウチの会社、ＯＢ会ってあるの？私、呼ばれた事が無い』っ
　　　て言ったら『あるよ！お前は早く辞めたんだからＯＢと違うやん！』と言
　　　われました。ああ、そうか。８年も務めた、って思ってたけど８年ぽっち、
　　　ですよね！(^_^;)

　　　　ＯＢ会においても『元上役は呼ばれない』。そうか、上役という存在も
　　　辛いですね。確かに退職してからも、敬語を使わなければならない人
　　　は呼びたくないのでしょう。気の置けない集まりで有りたいですものね！

　　　　でも、上役って孤独だな、なんて思ってしまいました！

　　　　組織の中の上役という立場は徹すれば徹するほど辛いものですね。

　　　　

■特選句　

　　　　　上役より良い靴服は着られない　　　　　　　　　　 　　　佐知

■入選句

　　 題『上役』
　　　　　上司との距離感上手く泳ぐ君　　　　　　　　　　　　　　　朝子
　　　　　課長補佐まさかワリカン言い出せず　　　　　　　　　　　恭子
　　　　　上役にその上役が居る辛さ　　　　　　　　　　　　　　　　英樹
　　　　　下積の長い上役部下思い　　　　　　　　　　　　　　　　　めぐ
　　　　　カラオケの音痴の社長いつ果てる　　　　　　　　　　　　喜明
　　 題『自由吟』
　　　　　タッチの差エレベーターが先に行く　　　　　　　　　しゅういち
　　　　　片思い抱き続けて古稀こえる　　　　　　　　　　　　　　としや
　　　　　大根の辛みが増して春に入る　　　　　　　　　　　　　　　野薫
　　　　　その良さが使えばわかる美辞麗句　　　　　　　　　　　　敏晴

■選者の一句

　　　　絵筆持ち始めてみよう旅ごよみ　 　　　　 　　　　　　ヨシヱ
　



　　　　☆　５月のお題は『歌う』　　　　　　　　４月末日締切りです。
　　　　☆　６月のお題は『警報』　　　　　　　　５月末日締切りです。

　　　　☆　なお『自由吟』は随時、募集しています。



　　　『ふあうすと1000号記念　　2015ふあうすと川柳大会　（ご案内）　』

　　　　開催日時　　　平成２７年４月１２日（日）
　　　　　　　　　　　　　午前１０時　　開場
　　　　開催場所　　　兵庫県民会館　　９階ホール
　　　　　　　　　　　　　神戸市中央区下山手通４-１６-３
　　　　　　　　　　　　　※　JR元町・阪神元町駅より北へ徒歩７分
　　　　　　　　　　　　　※　地下鉄県庁前　東１・２出口よりスグ
　　　　同時開催　　　１０００号記念～ふあうすと川柳展～
　　　　　　　　　　　　　　（於　　当館２階小展示室　　１１：００～１６：３０）　　　


　　　　宿　　題　　『刻　む』　　　　　　　　　　　　　　　　　村上　氷筆　選
　　　　　　　　　　　『スマイル』　　　　　　　　　　　　　　　　徳永　怜子　選
　　　　　　　　　　　『中　心』　　　　　　　　　　　　　　　　　瀬川　伸幸　選
　　　　　　　　　　　『高　い』　　　　　　　　　　　　　　　　　大野登志子　選
　　　　　　　　　　　『感じる』　　　　　　　　　　　　　　　　　上野　悦子　選
　　　　　　　　　　　『世　界』　　　　　　　　　　　　　　　　　宮崎ただじ　選

　　　　出句締切　　１２時（各題　２句）
　　　　会　　　費　　4,000円（1000号記念誌・記念品・発表誌呈）
　　　　懇 親 会　　大会終了後、同会館１０階『福の間』にて。
　　　　　　　　　　　　当日受付　　 会費 5,000円（先着８０名まで）



　　　今回の特選句『上役より良い靴　服は着られない』

　　　　サラリと詠んで、ちょっと辛口！サラリーマンの悲哀ですね(^_^;)
　　　　上役、上司の人はそこそこお洒落なのでしょうね。チクリ、と刺された
　　　経験でもあるのでしょうか。

　　　　私がＯＬしていた時の女性の先輩にちょっと気を遣う人がいて、良い
　　　服を着てると『あら、どこどこのブランドね！似合ってるわね！高かっ
　　　たでしょう？』と言われ、ちょっとラフな服だと『お勤めに着る服じゃな
　　　い！キチンとした服装をしなさい！』と叱られ、丁度を見極めるのに苦
　　　労しました。

　　　　上司には、こんなところまで気を遣う。溜息の出る気持ちを上手く詠
　　　まれた一句だと思います！