■特選句　

　　　　　聞こえずに微笑している老いの耳　　　　　　　　堅坊

■入選句

　　 題『担当』
　　　　　担当者出て来い担当が消えた　　　　　　　　　 孝志
　　　　　島の名も読めぬ大臣何望む　　　　　　　　　　　恭子
　　　　　担当は人の分まで飲むお酒　　　　　　　　　　　隆太
　　　　　恩返しさせて下さい母介護　　　　　　　　おーちゃん
　　　　　担当を忘れてました聖火台　　　　　　　　　　　 喜明
　　　　　本能か担当あって蟻の列　　　　　　　　　　　　　　寿
　　 題『自由吟』
　　　　　びっくりポン言わせてみたい投句しよ　　　　　　めぐ
　　　　　自由化の原発電気買わぬ主義　　　　　　　 千恵子
　　　　　二センチの段差が老いを攻め立てる　　　　　 英樹

　

■選者の一句

　　　　被災地へせめて支援のひとしずく　　　　　　　ただじ

　


　　　　☆　６月のお題は『越える』　　　　　５月末日締切りです。
　　　　☆　７月のお題は『スタート』　　　　６月末日締切りです。　　　　

　　　　☆　なお『自由吟』は随時、募集しています。
　

■投句の宛先

　　　　☆　葉書・封書　　　〒673-0493　三木市エフエムみっきぃ
　　　　☆　Fax番号　　　　　0794-86-1761
　　　　☆　e-mailアドレス　 melbo@fm-miki.jp
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　　　今回の特選句『聞こえずに微笑している老いの耳』

　　　　人は皆、老化します。人だけじゃなく生きているものは全て老いていき
　　　ます。
　　　　以前、飼っていた犬は雷が怖くて、中型犬だったのですが怖がって怖
　　　がって、繋いでいた太い綱を引きちぎって玄関に回って来た事がありま
　　　した。家の中に入れながら「お前は雷が怖いらしいけど、お母さんはこの
　　　太い綱を引きちぎったお前の方が怖いのだけど…」って抱き締めたので
　　　すが、老犬になると『耳が遠く』なって雷に怯えなくなりました。「よかった
　　　ね、一つ怖いものが減ったね」って言いながら切ない気持ちになりました。

　　　　この句は、『聞こえずに微笑している』という言葉が、とても良いなあと
　　　思います。言葉が聞き取れなかったのでしょう。苛々して聞き返すのでは
　　　なく、曖昧に微笑している。
　　　　穏やかな人柄、どこか切ない思いが漂っている気がします。

■特選句　

　　　　　聞き役で楽しく過ごす喫茶店　　　　　　　　　　　堅坊

■入選句

　　 題『担当』
　　　　　任された司会ジョークも混ぜ進み　　　　　　　なごみ
　　　　　担当が何もわからず喚くだけ　　　　　　　　　　　富夫
　　　　　担当の者呼びますとそれっきり　　　　　　　　千恵子
　　　　　担当のセンセもガッコもエエかげん　　　　　　　 秀夫
　　　　　イケメンの担当医者に紅 差して 　　　　　おーちゃん
　　　　　八咫烏 結弦(ﾕｽﾞﾙ)招いて桜咲く　　　　　　　　　春慶
　　 題『自由吟』
　　　　　どの駅も撮り鉄の居て平和です　　　　　　　　　凉平
　　　　　同窓会八十路の友と出合えるよ　　　　　　　 瑠璃子
　　　　　春風にいいこいいこと撫でられる　　　　　　　寿美代

　

■選者の一句

　　　　家計簿は黒でも赤と舌使う　　　　　　　　　　　　　正明

　


　　　　☆　５月のお題は『迷う』　　　　　　 ４月末日締切りです。
　　　　☆　６月のお題は『越える』　　　　　５月末日締切りです。　　　　

　　　　☆　なお『自由吟』は随時、募集しています。
　

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　　　今回の特選句『聞き役で楽しく過ごす喫茶店』

　　　　ほっこりと気持ちの良い一句です。
　　　　思い浮かぶのは『笑顔』ばかり。というのも『聞き役』の作者が『楽しく過
　　　ごす』と、聞き役を楽しんでおられるのです。

　　　　きっと、話し手の方は本当に話し上手な方なのでしょう。また、気心の
　　　知れた人たちの集まりという情景も浮かんできます。
　　　　作者は『聞き上手』な方かも知れません。私はおしゃべりなのでなかな
　　　か聞き役に回らないのですが(^_^;)上手に相づちを打って下さると嬉しく
　　　て少し調子に乗ってしまいます。

　　　　喫茶店の空気も和ませる、そんな優しい一句だと思います。

　　　　

■特選句　

　　　　　爺さんと言われるたびに老いてくる　　　　　　　英樹

■入選句

　　 題『担当』
　　　　　もしかして担当部署が窓際に　　　　　　　　　　　恭子
　　　　　お見通し私の全て知る名医　　　　　　　　　　　　一徳
　　　　　「ハイカット」どこかでそんな声がする　　　　　喜八郎
　　　　　家事担当決めて男の不満顔　　　　　　　　　　　 洋子
　　　　　年金日預金担当上手言い　　　　　　　　　　　　　有子
　　　　　家事担当亭主関白消えました　　　　　　　　　　　　寿
　　　　　担い手の無い農場に「食」の危機　　　　　　　　 敏晴
　　 題『自由吟』
　　　　　上品な声の電話は詐欺師かも　　　　　　　　　　無球
　　　　　順調に老化してると医者笑う　　　　　　　　　　　義樹

　

■選者の一句

　　　　菜の花と弾むお喋りきのう今日　　　　　　　　 ヨシヱ

　


　　　　☆　５月のお題は『迷う』　　　　　　 ４月末日締切りです。
　　　　☆　６月のお題は『越える』　　　　　５月末日締切りです。　　　　

　　　　☆　なお『自由吟』は随時、募集しています。
　

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　　　今回の特選句『爺さんと言われるたびに老いてくる』

　　　　面白い句だなあ、分かる、分かる。というのが第一印象です。でも、ちょ
　　　っと引っかかって…。もう一度読み返してみました。

　　　　この句はとても巧妙な一句だと思いました。
　　　　『おじいちゃん』と言われるたびには老いません。おじいちゃんは子ども
　　　が使う言葉なので、あまり気にならない。孫も、いくつになっても『おじい
　　　ちゃん』と呼びますよね！

　　　　この句は『爺さん』が本当に嵌っていると思いました。
　　　　爺さん、と呼ぶのは大人なのです。成人した男性にそう呼ばれて自覚を
　　　強いられる。悔しさと自負が入り混じって、返事に躊躇する気持ちが伝わ
　　　ってきます。

　　　　川柳は十七音字しかありませんが、『言葉』一つでちゃんといろんな事
　　　が伝わってくるのだなあと感心させてくれる佳句だと思いました。

■特選句　

　　　　　逆流の日もあり僕の血は若い　　　　　　　　　真理子

■入選句

　　 題『担当』
　　　　　新年度新担当のハート燃ゆ　　　　　　　　　　　　めぐ
　　　　　担当者代えて事実はうやむやに　　　　　　　　　孝志
　　　　　顔を見て言葉が変わる担当者　　　　　　　　　　鶏子
　　　　　定年後掃除洗濯ごみも出す　　　　　　　　　　千恵子
　　　　　担当の変わる四月に期待して　　　　　　　　　　凉平
　　　　　擦り合いしていませんか担当者　　　　　　　　　洋子
　　　　　担当の医師はイケメン治りそう　　　　　　　　　　有子
　　 題『自由吟』
　　　　　徘徊の父連れ歩く蒼い月　　　　　　　　　　　　 としや
　　　　　馬鹿だなあそっと見ている影法師　　　　　　　 節城

　

■選者の一句

　　　　夜桜の下でひととき姫になる　　　　　　　　　　　 敏子

　


　　　　☆　５月のお題は『迷う』　　　　　　 ４月末日締切りです。
　　　　☆　６月のお題は『越える』　　　　　５月末日締切りです。　　　　

　　　　☆　なお『自由吟』は随時、募集しています。
　

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　　　今回の特選句『逆流の日もあり僕の血は若い』

　　　　怒りも若さなのだ。
　　　　血が逆流するほど怒っている。反論しようとしている。『違う！』と、叫ぼ
　　　うとしている。

　　　　血が逆流する（と、私は受け取ったのですが）感情は普通だと肯定され
　　　ないモノだと思います。しかし、その感情を丸ごと肯定しているのです。

　　　　しかも表現が凄いと思いました！
　　　　『僕の血は赤い』だと、当たり前。
　　　　『僕の血は熱い』だと、よくある表現。ちょっとカッコつけている。
　　　　『僕の血は若い』ズバッと言い当てていて小気味良いのです。

　　　　川柳は十七音字の文芸です。一語に血を通わせる事が川柳の醍醐味
　　　だと思います。

■特選句　

　　　　　担当者替われば優しくなる役所　　　　　　　　　無球

■入選句

　　 題『担当』
　　　　　担当はアッシー妻のお買い物　　　　　　　　　　 隆太
　　　　　担当が不在でタライ回しされ　　　　　　　　　 　なごみ
　　　　　主夫拝命じょうずになった洗いつけ　　　　　　　益弘
　　　　　担当を決めて生じるセクト主義　　　　　　　　　　英樹
　　　　　おさめます母の担当愚痴ぽすと　　　　　　　　　　葵
　　　　　担当がロボットになる近未来　　　　　　　　　　　恭子
　　 題『自由吟』
　　　　　あほらしい程のすかたん繰り返す　　　　　　　　堅坊
　　　　　誰にでも書ける平和の字が軽い　　　　　　　　　敏晴
　　　　　事故悲惨自転車保険加入義務　　　　　　 しゅういち

　

■選者の一句

　　　　閉校へ校歌未練と響き合う　　　　　　　　　　　　ただじ

　


　　　　☆　５月のお題は『迷う』　　　　　　 ４月末日締切りです。
　　　　☆　６月のお題は『越える』　　　　　５月末日締切りです。　　　　

　　　　☆　なお『自由吟』は随時、募集しています。
　

■投句の宛先

　　　　☆　葉書・封書　　　〒673-0493　三木市エフエムみっきぃ
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　　　今回の特選句『担当者替われば優しくなる役所』

　　　　ああ、わかる、と、経験に問いかけます。サラリと優しい言葉で詠まれ
　　　ていますが、なかなか奥がありますね！
　　　　『役所』とされている所がなかなかミソだと思います。民間の企業の場
　　　合、客との対応はその企業の『顔』ですから細かい指導がなされていて、
　　　しかも昨今はネットの口コミも影響力がありますから、とても心地よい事
　　　が多いです。

　　　　でも『お役所仕事』なんて言葉もあります。そういう態度をされる『担当
　　　者』…無いとは言えません。だけど、そんな人ばかりじゃ決してありませ
　　　ん。だから…。『担当者替われば』優しくなるのでしょう。

　　　　４月は異動のシーズン、ちょっと期待されているのかも知れません。