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2014/01/06(月) 第292回1月4日放送

特選句 

     サイコロを独り振っても出ない七               葵

入選句

題『七』
      七人の敵も足踏み我が妻に               光子
      二代目が全部引継ぐ七つ癖               幸二
      お風呂場で孫がつかえる七の段             益弘
      七三に惹かれ騙され共白髪               重子
      七草の名前知らねど粥すする              有子
      七色の声で今年は笑わそう                めぐ


題『自由吟』
       囲炉裏端餅を焼いてる母のこと             喜明
       八十路です日々の暮らしに夢を持ち         瑠璃子
       シナリオはいらぬ気ままな老いの旅            栄                              

川柳ヒストリー

     改まる年へ助走路掃いておく     角本華峰(カホウ)

    『ふあうすと川柳社』の副主幹、角本華峰(カクモト カホウ)さんの平成20年
   頃の句をご紹介します。
    人さまざまな思いがあります。正月だ、新年だ、元旦だ、と言うけれど、
   昨日と今日、去年と今年、一日違うだけで大きな違いなど無い、と言われ
   る方もおられるでしょう。
    この句は、そうではなく、満足の行く新年を迎えるには、助走路が必要
   なのだ。その助走路をしっかりと掃き清め、満足できる助走をして新年に
   飛び立とう、と比喩的に詠っています。
    具体的な助走、とは、人それぞれ違うと思いますが、年賀状の作成、
   大掃除、すす払い。しめ縄飾り、鏡餅、餅つきなども。かつては『餅つき
   屋』という商売もあったそうです。そして、お節料理。
    人それぞれの助走があって、来る年を迎えましょうよ、と詠まれている
   のだと思います。なるぼど、そうかも、と思いました。
 
           

選者の一句

    行く年に悔いなく今年余福あれ         正明


 

    ☆2月のお題は『匂い』           1月末日締切りです。
    ☆3月のお題は『魚』            2月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『サイコロを独り振っても出ない七』

    少し難しい心象句だと思います。
    ですから、みな、それぞれの鑑賞をしました。作者の想いを汲み取れて
   いたのか、ちょっと心配です。
    でも、この句には、皆がちょっと引っ掛りました。
    面白い句です。サイコロは六までしか目が出ません。だから、いくら振っ
   ても『七の目』なんて出ないんだ。
    目付けがすごい句です。こんな表現は見た事がありません。
    『ラッキーセブンでしょ、』とヨシヱさんの鑑賞でした。可愛らしい、と。
    正明さんは『今年の宝くじは七億円ですからなぁ!』と。そうかも!
    皆さんはどう鑑賞されるのでしょう?私は『独り』という言葉もあって、少
   し切ない感傷のように思えたのですが(^_^;)
    句の一人歩き、という言葉がありますが、人それぞれの気持ちに コツッ
   と響くような句だと思います。