■入選句
題『 祭り 』お祭りの花火に赤い糸貰い なごみ
肩車父にねだった秋祭り おーちゃん
年金前 祭りの寄付を気にしてる 幸二
風の盆一夜限りの恋に落ち 英樹
一年中祭りのない日無い京都 氷筆
孫帰り金魚残って夏終る 千恵子
題『自由吟』
敬老日顔出す孫や電話の子 瑠璃子
朝夕の散歩は犬のいるおかげ めぐ
力瘤隠していますあなたには 光子
■江戸川柳
母の気に入る友達のやぼななり服装に浮身をやつさず、質実な身なりの友達が母に信用されます。
という意味の江戸川柳です。
柳多留71篇、文政2年、1819年の句です。類句が、この句の50年
以上前の頃にもありますから、母親が友達を評価するのに服装は重
要な判断基準なのでしょう。質実な着物は、家庭、両親の経済観など
表現していると言えます。
この句の『野暮ななり』という表現が良いのでしょう。
余談ですが、柳多留71篇は三代川柳の選の句集です。三代川柳は
初代川柳の子で、初代川柳は明主でしたが、三代川柳は明主の職を
人に譲って田安家の軽い侍となっていた所、すすめられて三代を継ぎ
ました。しかし、三代川柳は酒好きの怠け者で家督を早々と子に譲り、
密通をするなど、数年で三代川柳の座を追われたそうです。
■選者の一句
太陽に真向かい育つ樹も人も ヨシヱ☆11月のお題は『写す』 10月末日締切りです。
☆12月のお題は『残す』 11月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『人材を祭り上げては後託す』
この人、と、人柄を見込んで、本人の意志にかかわらず祭り上げて
後を託す。
男社会では有りがちな光景なのでしょうね。
すっきりと纏まった一句と思います。そして、『祭り』というお題で『祭
り上げる』という句を考えられたのは面白かったです。
川柳のお題は一つの視点にとどまらず、様々な角度から作句をして
楽しむのも一興と言えると思います。
視点の面白さ、それにすっきりと語呂が良く、人間臭さも表現されて
いる佳句だと思いました!
1: なごみ 『葵さんの句、ほんとうにいい句ですね、義母さんを対称にしたところ(あっ実感句ですね)が成功ですね。』 (2013/10/11 18:29)
2: ようこそ川柳広場へ 『ほんとうにいい句です!!!すなおで優しくて! がんばれーーー!って応援したくなっちゃいます。 選者の藤原正明さんが超嬉しそうにな...』 (2013/10/11 18:52)
3: 美々女 『久しぶりに、川柳広場に参加させてもらいました。 葵さんの 句 素敵です。なんだか優しくて、義母を母と呼ぶ関係に色々しがらみや負...』 (2013/10/18 19:45)
4: ようこそ川柳広場へ 『美々女 さま コメントありがとうございます! 義母を母と呼ぶには、ホント、複雑な思いがいっぱいだけど(^_^;) 特選句、とって...』 (2013/10/21 18:01)