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2013/10/11(金) 第279回10月5日放送

特選句 

     亡き義母の味まだ出せぬ祭り寿司             葵

入選句

題『祭り』
      想い出す肩ふれあった宵の宮              恭子
     初恋の人も子づれの夏祭り                 氷筆
     振り付けをまだ覚えてた盆帰省              益弘
     浴衣着てスマホばっかり見てる娘ら           隆太
     言っちゃった あとの祭りのあの言葉         千恵子
     花祭り主役は蓮の上の釈迦                有子

                                                      
題『自由吟』
     夏去りて視野少し変え秋を行く               栄
     何狙うじわり端歩を衝く女                 幸二
     また今日もトップがお詫びするニュース         はな
                              


川柳ヒストリー

     銭単位廃止神さまほくそ笑み           太鼓

    日本の通貨の最低額は一円。しかし、株式の日経平均には『銭』が使わ
   れています。
    銭貨が流通停止になり『銭』が廃止されたのは昭和29年1月1日です。
   その時、読売新聞の川柳欄に、『投句者  太鼓』で載った句です。
    句の意味は、お賽銭は少額の貨幣が一般的ですから、『銭』が使われな
   くなると、最低でも一円、うまくゆけば五円、十円のお賽銭が見込めるから
   一挙に増額、神様もほくそ笑まれる事だろう。と、穿った句です。約60年前
   の句です。楽しい時事川柳ですね。
    ちなみに当時の読売新聞川柳欄の選者は、東京は川上三太郎、大阪は
   岸本水府で、二人とも『六大家』と呼ばれている川柳家でした。
    
  
   

選者の一句

    十七歳等身大の親を知る             桔理子



 

    ☆11月のお題は『写す』               10月末日締切りです。
    ☆12月のお題は『残す』               11月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




   今回の特選句『亡き義母の味まだ出せぬ祭り寿司』

    お祭りの時に作られる『祭り寿司』。その土地、その家に受け継がれる味
   であり、飾りであるのでしょう。
    この句の命は『義母』だと思います。
    よく『お雑煮』などの句に自分の家の味、親しんだ味を競う、なんて句を見
   かけますが、『義母の味が出せない』、この作者の、この家庭の様子がとて
   も現れているように思います。温かいです。
    まだ、亡くなったお義母さまの味が出せない、とおっしゃっていますが、き
  っと美味しいでしょうね!!!
    ほっこりさせられる(はたまた反省!!!)句です。   
 

1: なごみ 2013年10月11日(金) 午後6時29分

葵さんの句、ほんとうにいい句ですね、義母さんを対称にしたところ(あっ実感句ですね)が成功ですね。

2: ようこそ川柳広場へ 2013年10月11日(金) 午後6時52分

ほんとうにいい句です!!!すなおで優しくて!
がんばれーーー!って応援したくなっちゃいます。
選者の藤原正明さんが超嬉しそうになさってました(#^.^#)
by桔理子

3: 美々女 2013年10月18日(金) 午後7時45分

久しぶりに、川柳広場に参加させてもらいました。
葵さんの 句  素敵です。なんだか優しくて、義母を母と呼ぶ関係に色々しがらみや負の感情もありますが、でもなお「ハハの味」というところが、しみじみとします。

4: ようこそ川柳広場へ 2013年10月21日(月) 午後6時01分

美々女 さま
コメントありがとうございます!
義母を母と呼ぶには、ホント、複雑な思いがいっぱいだけど(^_^;)
特選句、とっても自然で素敵でした!!!
美々女さまの句もお待ちしています!!!
by桔理子