▼ 2013/10/11(金) 第279回10月5日放送
■入選句
題『祭り』想い出す肩ふれあった宵の宮 恭子
初恋の人も子づれの夏祭り 氷筆
振り付けをまだ覚えてた盆帰省 益弘
浴衣着てスマホばっかり見てる娘ら 隆太
言っちゃった あとの祭りのあの言葉 千恵子
花祭り主役は蓮の上の釈迦 有子
題『自由吟』
夏去りて視野少し変え秋を行く 栄
何狙うじわり端歩を衝く女 幸二
また今日もトップがお詫びするニュース はな
■川柳ヒストリー
銭単位廃止神さまほくそ笑み 太鼓日本の通貨の最低額は一円。しかし、株式の日経平均には『銭』が使わ
れています。
銭貨が流通停止になり『銭』が廃止されたのは昭和29年1月1日です。
その時、読売新聞の川柳欄に、『投句者 太鼓』で載った句です。
句の意味は、お賽銭は少額の貨幣が一般的ですから、『銭』が使われな
くなると、最低でも一円、うまくゆけば五円、十円のお賽銭が見込めるから
一挙に増額、神様もほくそ笑まれる事だろう。と、穿った句です。約60年前
の句です。楽しい時事川柳ですね。
ちなみに当時の読売新聞川柳欄の選者は、東京は川上三太郎、大阪は
岸本水府で、二人とも『六大家』と呼ばれている川柳家でした。
■選者の一句
十七歳等身大の親を知る 桔理子☆11月のお題は『写す』 10月末日締切りです。
☆12月のお題は『残す』 11月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『亡き義母の味まだ出せぬ祭り寿司』
お祭りの時に作られる『祭り寿司』。その土地、その家に受け継がれる味
であり、飾りであるのでしょう。
この句の命は『義母』だと思います。
よく『お雑煮』などの句に自分の家の味、親しんだ味を競う、なんて句を見
かけますが、『義母の味が出せない』、この作者の、この家庭の様子がとて
も現れているように思います。温かいです。
まだ、亡くなったお義母さまの味が出せない、とおっしゃっていますが、き
っと美味しいでしょうね!!!
ほっこりさせられる(はたまた反省!!!)句です。
1: なごみ 2013年10月11日(金) 午後6時29分
葵さんの句、ほんとうにいい句ですね、義母さんを対称にしたところ(あっ実感句ですね)が成功ですね。
2: ようこそ川柳広場へ 2013年10月11日(金) 午後6時52分
ほんとうにいい句です!!!すなおで優しくて!
がんばれーーー!って応援したくなっちゃいます。
選者の藤原正明さんが超嬉しそうになさってました(#^.^#)
by桔理子
3: 美々女 2013年10月18日(金) 午後7時45分
久しぶりに、川柳広場に参加させてもらいました。
葵さんの 句 素敵です。なんだか優しくて、義母を母と呼ぶ関係に色々しがらみや負の感情もありますが、でもなお「ハハの味」というところが、しみじみとします。
4: ようこそ川柳広場へ 2013年10月21日(月) 午後6時01分
美々女 さま
コメントありがとうございます!
義母を母と呼ぶには、ホント、複雑な思いがいっぱいだけど(^_^;)
特選句、とっても自然で素敵でした!!!
美々女さまの句もお待ちしています!!!
by桔理子