▼ 2013/10/30(水) 第282回10月26日放送
■入選句
題『 祭り 』お祭りの花火に赤い糸貰い なごみ
肩車父にねだった秋祭り おーちゃん
年金前 祭りの寄付を気にしてる 幸二
風の盆一夜限りの恋に落ち 英樹
一年中祭りのない日無い京都 氷筆
孫帰り金魚残って夏終る 千恵子
題『自由吟』
敬老日顔出す孫や電話の子 瑠璃子
朝夕の散歩は犬のいるおかげ めぐ
力瘤隠していますあなたには 光子
■江戸川柳
母の気に入る友達のやぼななり服装に浮身をやつさず、質実な身なりの友達が母に信用されます。
という意味の江戸川柳です。
柳多留71篇、文政2年、1819年の句です。類句が、この句の50年
以上前の頃にもありますから、母親が友達を評価するのに服装は重
要な判断基準なのでしょう。質実な着物は、家庭、両親の経済観など
表現していると言えます。
この句の『野暮ななり』という表現が良いのでしょう。
余談ですが、柳多留71篇は三代川柳の選の句集です。三代川柳は
初代川柳の子で、初代川柳は明主でしたが、三代川柳は明主の職を
人に譲って田安家の軽い侍となっていた所、すすめられて三代を継ぎ
ました。しかし、三代川柳は酒好きの怠け者で家督を早々と子に譲り、
密通をするなど、数年で三代川柳の座を追われたそうです。
■選者の一句
太陽に真向かい育つ樹も人も ヨシヱ☆11月のお題は『写す』 10月末日締切りです。
☆12月のお題は『残す』 11月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『人材を祭り上げては後託す』
この人、と、人柄を見込んで、本人の意志にかかわらず祭り上げて
後を託す。
男社会では有りがちな光景なのでしょうね。
すっきりと纏まった一句と思います。そして、『祭り』というお題で『祭
り上げる』という句を考えられたのは面白かったです。
川柳のお題は一つの視点にとどまらず、様々な角度から作句をして
楽しむのも一興と言えると思います。
視点の面白さ、それにすっきりと語呂が良く、人間臭さも表現されて
いる佳句だと思いました!
▼ 2013/10/30(水) 第281回10月19日放送
■入選句
題『祭り』十月の三木の祭が来いと言う 清香
一目惚れ怒涛のような阿波おどり 光子
七年後お祭りさわぎ見たい欲 千恵子
初孫が生まれ毎日カーニバル つかさ
コンバンハ浴衣の君ははんなりと 朝子
祭壇にどうかどうかと願いごと めぐ
題『自由吟』
一生で東京五輪二度見れる 隆太
割勘と聞いてピッチの上る酒 野薫
神頼み髪も時々聞き流す 敏晴
■楽々川柳
お便りコーナー寄せて頂いたお便りを時間の限り紹介させて頂きました。
皆さま、あたたかいお便りありがとうございます!
とっても励みになります!
また、川柳に関する疑問・質問を受け付けています。
こんなこと、聞いて良いのかしら?って思われる事も本当はとっても新鮮
な事だったりします。
私たちも勉強になります、どしどしお寄せ下さい!(#^.^#)
■選者の一句
秋桜がゆれる 初恋透けてゆく 桔理子☆11月のお題は『写す』 10月末日締切りです。
☆12月のお題は『残す』 11月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『還暦が若いと威張る村祭り』
私が放送の中で『知恵袋~』とか何とか、変な事ばっかり口走ったのです
が(^_^;)『還暦』とか『古稀』とか、すごく苦手で、『還暦(60歳)』と『喜寿
(77歳)』と勘違いした事から来るとんちんかん発言でした…(-_-;)
…覚えなくちゃ。
60歳の男たちが『まだまだ若いぞ!』と村祭りでは仕切っている、という句
ですね!
若いですよ、60歳なんて!川柳を初めてびっくりしました。60歳なんて若手
なんです、でも、本当なんです。発想も見た目も、生き生きされてて、でも、人
生の年輪はちゃんと重ねられてて。
『還暦』だけど、男たちをまだまだ意気揚々とさせる村祭りの熱気が伝わる
一句だと思います。