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2013/09/27(金) 第277回9月21日放送

特選句 

     公園の池にポチャンと愚痴捨てる            有子

入選句

題『池』
     この池にまつわる話たんとあり              敏晴
     私の迷いを澄ます心字池                 氷筆
     泣き顔の崩れた先に池の月                喜明
     溜池も都市化が進み邪魔になり             野薫
     「やっぱり」と「でも」が交互に池に浮く           葵
     亡き母が蓮のようにと遺言に               清香
                                                      
題『自由吟』
     通学路挨拶する子下向く子               瑠璃子
     暑くともゆっくり一ツを終りまで               めぐ
     札増やす俺の財布は異次元か              節城
                              

川柳ヒストリー

     もがき出た隙間余震で塞がれる       福島直球

9月1日は『震災の日』です。
    大正12年(1923年)9月1日、マグニチュード7.9、全被災者 約340万人。
   『関東大震災』を風化させない為に設けられ、各地で防災訓練など行われ
   ています。    
    今日は、神戸の川柳作家 福島直球さんの句集『直球』から『阪神・淡路
   大震災』の震災句を一句、選んで紹介します。
    震災直後の詠まれた句です。倒れた家屋の下敷きとなり、這い出ようとし
   た時、余震で塞がり、また隙間を探し出す。恐怖の中の懸命の努力。家族
   の安否が気懸かりな中、とにかく外へと足掻く。震災の情況を厳しく読んだ
   一句でしょう。
    正明さんの解説がありましたが、福島直球さんは私の憧れの川柳作家さ
   んです。
    優しい言葉でその時の心情をしみじみと伝える直球さんの川柳は私の目
   標です。
 
 
  

選者の一句

    月光る心孤独な影の行く            正明



 

    ☆10月のお題は『祭り』                 9月末日締切りです。
    ☆11月のお題は『写す』                10月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




  今回の特選句『公園の地にポチャンと愚痴捨てる』

    お散歩に出た公園。どんな事があったのでしょうか。大きな事?些細な事?
   お散歩に出るまでの気持ちは重かったのでしょう。公園までの道のり、公園
   での長閑な光景、友人とのおしゃべり。きっと、心が軽くなられたのでしょう。
    『愚痴』それは重かった心ではないでしょうか。その『重かった心』は」公園
   の池に捨てて行こう。そうして軽くなった心を持って帰ろう。そんな川柳でしょ
   うか。
    『ポチャン』という表現が効いている句だと思います。