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2013年8月の日記

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2013/08/28(水) 第273回8月24日放送

特選句 

     好きだから許しています あの事も            光子

入選句

題『だから』
     冷めました だから別れて今一人            清香
     写真焼くどうせ叶わぬ恋だから              英樹
     会議中だからと割り込む古狸                寿
     目立ちたい出る杭だから叩かれる           千恵子
     「兄ちゃんだから」言いすぎ長子ダメにする       氷筆
     満ち足りた日だから明日も頑張れる          なごみ                                                       
題『自由吟』
     とんぼりのグリコが走る飽きもせず           喜明
                              

川柳ヒストリー

     総選挙また鉄道でだますのか      亭々子(テイテイシ)

   七月二十一日、参議院選挙がありました。今回の選挙からネットが解禁
  となり、選挙戦が変化するだろうと報道されました。
   明治25年(1892年) 121年前、帝国議会衆議院の2回目の総選挙の時の
  川柳です。
   出典は、読売新聞社『川柳二百年/川上三太郎 編』、作者は『亭々子』で
  す。明治25年の川柳が生き返ったのです。
   明治23年11月、第1回総選挙に当選した議員は、1年余後解散、第2回
  総選挙となったのですが、『鉄道でだますのか』というは、当時、予算の為の
  法案が不十分で多額の剰余金が生じ、その使途に『この地方に鉄道をひく。
  駅を造る』という利益誘導の政策で票を集めた、という句です。
   百余年前の川柳、ですが、現代も納得の川柳です。
 

   

選者の一句

    高齢を現役並みと褒め言葉            正明



    ☆10月のお題は『祭り』                 9月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




  今回の特選句『好きだから許しています あの事も』

   一見、優しい女性の句、のように思えるのですが…。
   ようく噛み締めて読んでみると、むむむ、なかなか怖い句ではないでしょうか。
   『あの事も、って、何だい?』 『あの事よ』 (どの事だろう?) と考えてもヘ
  タな事は言えない。ドギマギする男性とにっこり微笑む女性の姿が浮かぶよう
  な…。もちろん、目の奥は探るような(^_^;)
   でも、許しているんですもの!良いじゃないですか!女性の勘の鋭さは侮れ
  ません。でも、許してるんですから。
   少し、ゾッとして、少し可愛い女心を詠んだ句ですね!

 

2013/08/23(金) 第272回8月17日放送

特選句 

     几帳面いつもだからで嫌われる            めぐ

入選句

題『だから』
     ほら倒けただから言わないこっちゃない        氷筆
     だからから始まる愚痴は終りなく            喜明
     応援歌うたっているよ母だから               葵
     九条の点す平和の灯を消すな          おーちゃん
     噂だから言うだけ言って気にするな         千恵子
     打ち明けず初恋だからそっと在る            朝子
                                       
       
題『自由吟』
     公園に落ちてる老いの愚痴話                健
                        

江戸川柳

     仏壇の戸は明ける時袖たたみ

    八月はお盆の月です。仏壇の川柳をご紹介します。柳多留165篇の句。
    魚問屋 水谷金蔵が五代川柳を襲名し、1840年代頃に出版しています。
    『袖たたみ』は、和服の略式の畳み方。句の意味は、事実を事実として詠
   んだ句と思われます。『仏壇の扉を明けた時に開けると「袖たたみ」つまり
   略式の畳み方で収納されていた』、後に『柳風狂句』と称する選をした五代
   川柳ですから祖先崇拝の念が軽んぜられた時代だった、と言えるようです。
    天保4年から7年は全国的に大飢饉、天候不順の冷害・洪水・大風雨が
   あり、幕府の財政は悪化、、幕府、農民、町民ともに苦しい時代でした。そ
   の頃の日常の一コマを詠んだ句と思われます。



選者の一句

    ポケットに遥かはるかが渦を巻く            ヨシヱ


   
    ☆9月のお題は『池』                8月末日締切りです。
    ☆10月のお題は『祭り』              9月末日締切りです。               

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




  今回の特選句『几帳面いつもだからで嫌われる』

    几帳面は良い性格だと思うのですが(^_^;)私などは変な所で几帳面な
   所があり、つい口を出したくなりますが、半分くらいは我慢します。…几帳
   面でない部分を突っ込まれたくないので!
    そう考えると几帳面は美徳でありながら「それくらい大目に見てよ!」って
   事になるのでしょうね!
    ちょっと穿ちの効いた一句だと思います。


  

2013/08/12(月) 第271回8月10日放送

特選句 

     説得力なくてだからを繰り返す             氷筆

入選句

題『だから』
     だからから始まる妻のお説教            千恵子
     だから今増税稼働身構えて                栄
     小さくなる尾灯へだからくり返す            重子
     横着の性格だからこんなもん              めぐ
     青臭いトマト同士で恋芽生え             なごみ
     弁解はしっかり聴きました だから?           葵
     大人だから男だからと荷を負わせ           英樹
                                                 
       
題『自由吟』
     お盆ですお墓で舞って千の風               寿
     鮭登る恩に報いるためじゃない            喜明
                                  

楽々川柳

   お便りコーナー
    
  兼題(お題)のある川柳の作り方について
  
   川柳には『題』に沿って句を作る『兼題、またはお題』ものと、自由な発想で
  句を作る『雑詠、または自由吟』があります。
   他にも絵やカード等を見て作る『印象吟、またはイメージ吟』、参加した句会
  で、その場で出された兼題に沿って句を作る『席題』等がありますが、今回は
  『兼題(お題)』について、解説したいと思います。

   兼題のある場合、その言葉を句に入れて作る事を『読み込み』と言います。
  最近は、どこの句会・大会でも読み込みしてもしなくても大丈夫です。『読み込
  み不可』の場合は、兼題の言葉を入れずに作句します。
   初心者は兼題の言葉を入れて作る方が、楽に作れるように思います。今回
  でしたら『だから』を入れて作った方が楽です。でも、句は2句、3句と提出出来
  るので、兼題を入れずに、一句は兼題に沿った内容の句を作ってみるのも面
  白いし、力にもなるのでチャレンジしてみましょう。
   兼題の言葉を前に持ってくるか、後ろに持ってくるか。
   なかなかイメージが湧かない時は辞書を引くのも手です。辞書にはいろいろ
  その言葉の持つ意味が書かれているので、イメージが湧く事があります。



選者の一句

    この夏も踊る阿呆に成り切れず           敏子



   
    ☆9月のお題は『池』                 8月末日締切りです。
    ☆10月のお題は『祭り』               9月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。





  今回の特選句『説得力なくてだからをくり返す』

   言葉とは難しいもの。他人に思いを伝えようとすると、よほど話し上手な人で
  ないと上手く伝わらないです。
   適切な表現が出来ず、ついつい『だから、』と、重ねて説明するも、まだ足りな
  い。また、補足する時に使う『だから』。
   つい状況が浮かぶ、面白い一句です。
   『だから』をくり返してしまう自分を、少し醒めた目で、一歩引いて詠まれている
  のかも知れません。『説得力なくて』…ちゃんと反省されているんですね!
   ふと、ほのぼのした気持ちになります。

2013/08/09(金) 第270回8月3日放送

特選句 

     農家にはだから嫁くなと言ったのに         すみえ

入選句

題『だから』
     土用の日だから無理して買っちゃった        恭子
     髪のばし だから恋しているんでしょ         清香
     涙などいつでも だから女です             喜明
     だからねとつまづく妻が愛らしい             寿
     着たい服だから頑張るダイエット           有子
     仕分けされ週に三日の休肝日         おーちゃん
     何気取る「だからさ」なんて言っちゃって       英明
     
                                            
       
題『自由吟』
     叱ってもくすくす子等の夏休み             朝子
     ケータイが人に施す功と罪               氷筆

                                  

楽々川柳

   お便りコーナー

  寄せて頂いたお便りを時間の限り紹介させて頂きました。

  皆さま、あたたかいお便りありがとうございます!
  とっても励みになります!



  兵庫県川柳協会主催の『川柳祭』(今年はin篠山です)の事前投句募集
 ご案内をしました。

  事前投句締切   平成25年9月14日(土)(当日消印有効)
  課  題        『黒豆』 『守る』 『屋敷』    各題一句
  応募料       1,000 円(郵便定額小為替を句稿に同封して下さい)
  応募先       〒669-2205 篠山市網掛429
              篠山市立中央公民館  兵庫県川柳祭篠山市実行委員会宛

 ※お問合せ先    兵庫県川柳祭篠山市実行委員会事務局
              篠山市立中央公民館
              ☎ 079-594-1180  FAX 079-594-1174

  是非、ご参加くださいませ!



    

選者の一句

    薀蓄の終りを待っているジョッキ            夏牛



   
    ☆9月のお題は『池』                 8月末日締切りです。
    ☆10月のお題は『祭り』               9月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




  今回の特選句『農家にはだから嫁くなと言ったのに』

   同じ日本でも東と西とでは風習、空気、等々違います。ましてや、サラリー
  マンの家と農家とはいろんな事が違います。
   「苦労するよ」 「大家族だよ」 「お百姓のお手伝いが出来るのかい」 「近
  所付き合いだって大変なんだよ」そんな嫁ぐ娘を気遣う会話が聞こえてきそう。
  親は心配で、経験で先が見えるから小言のように言うのです。
   仕方ないじゃん!好きになっちゃったんだもの。…そういう事でしょう。
   だけど、やっぱり大変で愚痴の一つも零すのでしょうか。
   親の気持ち、娘の気持ち、素直に伝わってくる一句だと思います。