▼ 2013/09/20(金) 第276回9月14日放送
■入選句
題『 池 』この暑さため池までも涙涸れ 俊博
猿沢の池に沈んだおんな文字 英明
寺の池コインが並ぶ人の欲 めぐ
わたしの池で亡夫がたまに遊んでる 重子
池に浮く月をけちらす蛙たち すみえ
睡蓮が眠る夜には月が咲き 英樹
題『自由吟』
外人に道を教えた大仕事 敏晴
ヘリコプタ落ちるものだとリンゴいい 翔空
線香花火そんな儚い恋はイヤ はな
■江戸川柳
月になくのは傾城とほととぎす文化8年(1811年)柳多留57篇の句です。当時、月見の宴は盛大に行わ
れ、吉原遊郭でも一般人に開放して宴を開催しました。遊女たちは盛装し、
町民の女性たちは盛装の遊女を見て、自分の化粧や衣装の参考にすると
いう風習がありました。遊女たちがファッションリーダーだったのですね!
傾城(ケイセイ)は、『美女が色香で城や国を傾け滅ぼす』という意味があり、
この句の場合、遊女を表します。
月見の宴のスポンサーになってくれる贔屓客を巡って遊女たちが泣く。ほ
ととぎすが鳴くのと、遊女が泣く、との、掛け言葉が生命となる川柳です。
■選者の一句
根幹は一途なこころ 石を蹴る ヨシヱ☆10月のお題は『祭り』 9月末日締切りです。
☆11月のお題は『写す』 10月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『泥池の苦労は言わぬ蓮の花』
私は本当に無知で、無知なのでこの句の良さ、深さがイマイチ分かって
いなかったのですが(^_^;)蓮も睡蓮も同じようね池で咲くと思っていまし
た。
蓮は泥の池で咲きます。(皆さまはご存知でしょうね…)泥池で清楚な花
が咲く、しかも、葉っぱが覆い隠していて、泥池は見えないのだそうです。
人生、いろいろありますが、そんな苦労など微塵も見せない清楚で美しい
心。そんな心や心意気を読まれた句なのでしょう。深いですね!!!
ちなみに、泥の池からは『れん根』が収穫できます!
…花より団子でした…。すみません!(-_-;)