▼ 2013/07/03(水) 第265回6月29日放送
■入選句
題『自転車』自転車の荷台で君にしがみ付く 朝子
ママチャリのママの背中に甘える目 はるママ
ペダルこぎ青春してるまだ六十 恭子
自我芽生えママもてあます三輪車 なごみ
補助輪が取れてボクちゃん青空へ 喜明
お下げ髪靡かせ少女ペダルこぐ 光子
人生も自転車乗りの要領よ 清香
題『自由吟』
もう少し力を抜けと昼の月 英樹
大丈夫医者の口出る重い嘘 節城
■川柳ヒストリー
老いて子に従うことを肯ンぜず 井上剣花坊(ケンカボウ)新川柳と唱えて、江戸時代からの川柳の革新を目差した井上剣花坊(イノウエ
ケンカボウ)の大正12・13年頃の句です。
老いて子に従う、などという事に甘んじたりしないぞ。
『老いては子に従え』と教えられる一方で、大正ロマン、新時代を謳歌する
時代でもあった大正時代。剣花坊自身、新川柳運動を唱え、活動した人でし
たが、この句には当時の若い人の新しい時代を背負う意気込みが込められ
ています。
剣花坊53・54歳頃の句です。
■選者の一句
四季ごとの風景映えて稲文化 正明☆8月のお題は『だから』 7月末日締切りです。
☆9月のお題は『池』 8月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『嫁に行く気も有り無しの曲り角』
この「曲り角」は、何歳の事?と、先生方と話題になりました。女には(男も?)
曲り角なるものがあるらしく、ドラマや小説の題材に事欠かないわけですが、
母親の娘に対するこもごもの思いが伝わってきて、川柳らしい一句だと思い
ます。
親としては、けっこうな悩みなのですが、当人はどこ吹く風。もう、どうするの?
って気持ちが軽快なリズムで(ふふ)って笑って、同感、同感、と、納得したり。
切実ですが、楽しい言い回しの川柳らしい一句ですね!