ようこそゲストさん

ようこそ川柳広場へ

2013/02/10(日) 第244回2月2日放送

特選句 

     ワープして母に逢いたし冬銀河          英樹

入選句

題『炎(ひ・ほのお』
     御両人炎と炎ハッケヨイ                  めぐ
     誘惑にのれば炎えだす両乳房             すみえ
     燃え尽くしなおも愛しい恋の灰              朝子
     炎も水も被って寡婦の笑い皺             なごみ
                              
       
題『自由吟』
     今年こそ子を叱らずに抱きしめる            光子
     半永久 君と私の恋ゲーム                清香
     万博を想い起した太陽の党                俊夫
     昨日とはなんら変らぬ初日かな             末美
     我が人生抜け駆け出来ず皆の列             栄
              

楽々川柳

    『花の名、雲や雪…漢字にも顔(貌)がある』

    漢字にも顔(貌)があります。ラジオでは耳で聴く川柳ですが、句誌や句集
   などは目で見る川柳。自分の作った句に、どんな漢字が合うのか、選ぶのも
   大切な事です。例えば『あう』という言葉にも『逢う・会う・合う・遭う・遇う…』と、
   あります。どの漢字が一番、しっくりくるのか選びましょう!
    『桜』といえば、まつわるイメージがあります。儚い、潔い、春、別れ、新学期、
   ・・・。その物が持つイメージも大切です。
    『雲』といっても『いわし雲』が合うのか『千切れ雲』が良いのか、『雪』も、『細
   雪』『ぼたん雪』…様々な言葉を当て嵌めて自分の大切な一句、作っていきた
   いですね。   

選者の一句

    空色の靴で今年の第一歩          桔理子


   
    ☆3月のお題は『涙』                2月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句『ワープして母に逢いたし冬銀河』

  冬は本当に星が綺麗ですね。いつも綺麗のかも知れませんが、冴え冴えと見え、
 まるで降るようです。そんな冬の夜空の星々の美しさを『冬銀河』と言う言葉で表し
 ていますが、この言葉は川柳ではよく使われています。簡単なようで、とても難しい
 言葉です。
  この難しい言葉を、素直に美しく当て嵌められて、とっても素敵な句だと思いまし
 た。
  美しい『冬銀河』を見上げながら、ふと、母に逢いたいと思った…。ちょっと、心に
 チリチリきてしまいました。

2013/02/10(日) 第243回1月26日放送

特選句 

     鉛筆の両端にある 嘘 誠          おーちゃん

入選句

題『鉛筆』
     家計簿は赤鉛筆のお正月             はるママ
     塾通い鉛筆みんな尖がって               恭子
     逝った娘のデッサンを濃く 生にままに        喜明
     真っ暗闇鉛筆で句を書きつける            俊夫
     鉛筆だこできてた昔偲ばれる               好
     お出かけにメモと鉛筆いつも友             めぐ
     老記者が鉛筆舐めて斬る社会             英樹
     市長賞ちびた鉛筆児童(こ)の自慢         ひたき
     鉛筆をいつまで削る意気地なし            英明
         


楽々川柳

    『句のリズムについて』

    川柳の作句の約束事(ルール、というほど強くないのが現状です)として、五・
   七・五 で作る。八・九 または 九・八 のでもOKです。全部で十七音字の短
   詩文芸です。
    また、口語体(話し言葉)で作る、というのも川柳の特徴です。
    川柳は短詩文芸ですので、句のリズム、というものを重視しています。これは、
   『詩』という文芸全般に言える事だと思います。その意味で中八、と言われる真
   ん中が八字になるのを嫌う傾向があります。下五、も、そういった『リズム』という
   点で五文字でバシッと決まると句が『締まる』と思います。
    ですから『夜』『明日』『夫』等も、『よ・よる』『あす・あした』『おっと・つま』などと、
   状況に、リズムに応じて読み分ける事も大切だと思います。

   


選者の一句

    この池が世間か 鯉の五六匹        敏子


   
    ☆3月のお題は『涙』                2月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句『鉛筆の両端にある嘘 誠』

  実はこの句を本当に味わっていたわけではなかったので(^_^;)、最初はよく
 分からなかったのですが、鉛筆は消せる、消すことのできる鉛筆で書く、そこに
 揺れている『虚実』、を詠んだ句、です。
  なるほど…、と、感心してしまいました。『鉛筆』というお題でこんな深い句が、と、
 先生はおっしゃってました。
  はああ、私はまだまだだな…。上級クラスの名句です!

1: めぐ 2013年02月16日(土) 午後5時04分

ラジオから毎土曜日愉しく聴いていますが2月2日はスキー旅行で聴けなくて寂しかったですが”ブログ”で
じっくり見ました。皆様の川柳をゆっくり味わえてブログも愉しみです。出演の皆様の笑顔も素敵です。

2: めぐ 2013年02月16日(土) 午後5時04分

ラジオから毎土曜日愉しく聴いていますが2月2日はスキー旅行で聴けなくて寂しかったですが”ブログ”で
じっくり見ました。皆様の川柳をゆっくり味わえてブログも愉しみです。出演の皆様の笑顔も素敵です。

2013/02/10(日) 第242回1月19日放送

特選句 

     命日に逢える気がして散髪屋           健

入選句

題『鉛筆』
     人生図4Bで描く夢を持ち              なごみ
     リハビリの初春絵手紙をはみ出して         重子
     鉛筆で書いた予定は嘘ばかり            英明
     尖り具合頬に聞いてた幼い日              好
     鉛筆もことばも削る程の味               恭子
     一本の鉛筆で国動き出す              たか子
     一ダース折っても母は書ききれぬ          英樹
                              
       
題『自由吟』
     論ずれば論ずるほどに世は逃げる         清香
     階段の踊り場に立ち明日を見る           翔空
         


江戸川柳

      黄色いと誰(た)が見わけたか声の色

    江戸末期の川柳です。
    天保(1830年頃)は、天候不順による冷害・洪水・大風雨等による凶作で、
   苦しい時代でした。飢饉、大塩平八郎の乱などが起こり、まさに乱世だった
   ようです。この頃、民衆の心を掴んでいた物の一つに『狂句』があります。    
     『狂句』とは、しゃれ、地口趣味のおどけた句、知的遊戯に堕した川柳、と
   あります。
    この句の『黄色い声』、声に色がある、という着想は素晴らしいです!現代
   でも普通に使われている若い女の子達の『黄色い声』。180年昔から使われ
   ていたんですね!すごいですね!


選者の一句

    弁天の手に落ちてゆく恋の夜        桔理子


   
    ☆2月のお題は『炎(ひ・ほのお)』        1月末日締切りです。
    ☆3月のお題は『涙』                2月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句『命日に逢える気がして散髪屋』

  今回の一句は、切ない川柳を選ばせていただきました。お墓参りに行かれるの
 でしょうか。連れ合いを亡くされたのでしょうか。『逢える気がして』散髪屋に行き、
 きっとスーツなど、正装されてるんでしょうか。
  句は、サラリと下五に『散髪屋』と持ってこられて、切なさを緩和されていて川柳
っぽい、本当に優しい句だと思いました。