▼ 2013/02/10(日) 第242回1月19日放送
■入選句
題『鉛筆』人生図4Bで描く夢を持ち なごみ
リハビリの初春絵手紙をはみ出して 重子
鉛筆で書いた予定は嘘ばかり 英明
尖り具合頬に聞いてた幼い日 好
鉛筆もことばも削る程の味 恭子
一本の鉛筆で国動き出す たか子
一ダース折っても母は書ききれぬ 英樹
題『自由吟』
論ずれば論ずるほどに世は逃げる 清香
階段の踊り場に立ち明日を見る 翔空
■江戸川柳
黄色いと誰(た)が見わけたか声の色江戸末期の川柳です。
天保(1830年頃)は、天候不順による冷害・洪水・大風雨等による凶作で、
苦しい時代でした。飢饉、大塩平八郎の乱などが起こり、まさに乱世だった
ようです。この頃、民衆の心を掴んでいた物の一つに『狂句』があります。
『狂句』とは、しゃれ、地口趣味のおどけた句、知的遊戯に堕した川柳、と
あります。
この句の『黄色い声』、声に色がある、という着想は素晴らしいです!現代
でも普通に使われている若い女の子達の『黄色い声』。180年昔から使われ
ていたんですね!すごいですね!
■選者の一句
弁天の手に落ちてゆく恋の夜 桔理子☆2月のお題は『炎(ひ・ほのお)』 1月末日締切りです。
☆3月のお題は『涙』 2月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『命日に逢える気がして散髪屋』
今回の一句は、切ない川柳を選ばせていただきました。お墓参りに行かれるの
でしょうか。連れ合いを亡くされたのでしょうか。『逢える気がして』散髪屋に行き、
きっとスーツなど、正装されてるんでしょうか。
句は、サラリと下五に『散髪屋』と持ってこられて、切なさを緩和されていて川柳
っぽい、本当に優しい句だと思いました。