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2013/02/10(日) 第242回1月19日放送

特選句 

     命日に逢える気がして散髪屋           健

入選句

題『鉛筆』
     人生図4Bで描く夢を持ち              なごみ
     リハビリの初春絵手紙をはみ出して         重子
     鉛筆で書いた予定は嘘ばかり            英明
     尖り具合頬に聞いてた幼い日              好
     鉛筆もことばも削る程の味               恭子
     一本の鉛筆で国動き出す              たか子
     一ダース折っても母は書ききれぬ          英樹
                              
       
題『自由吟』
     論ずれば論ずるほどに世は逃げる         清香
     階段の踊り場に立ち明日を見る           翔空
         


江戸川柳

      黄色いと誰(た)が見わけたか声の色

    江戸末期の川柳です。
    天保(1830年頃)は、天候不順による冷害・洪水・大風雨等による凶作で、
   苦しい時代でした。飢饉、大塩平八郎の乱などが起こり、まさに乱世だった
   ようです。この頃、民衆の心を掴んでいた物の一つに『狂句』があります。    
     『狂句』とは、しゃれ、地口趣味のおどけた句、知的遊戯に堕した川柳、と
   あります。
    この句の『黄色い声』、声に色がある、という着想は素晴らしいです!現代
   でも普通に使われている若い女の子達の『黄色い声』。180年昔から使われ
   ていたんですね!すごいですね!


選者の一句

    弁天の手に落ちてゆく恋の夜        桔理子


   
    ☆2月のお題は『炎(ひ・ほのお)』        1月末日締切りです。
    ☆3月のお題は『涙』                2月末日締切りです。

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



  今回の特選句『命日に逢える気がして散髪屋』

  今回の一句は、切ない川柳を選ばせていただきました。お墓参りに行かれるの
 でしょうか。連れ合いを亡くされたのでしょうか。『逢える気がして』散髪屋に行き、
 きっとスーツなど、正装されてるんでしょうか。
  句は、サラリと下五に『散髪屋』と持ってこられて、切なさを緩和されていて川柳
っぽい、本当に優しい句だと思いました。