▼ 2013/04/25(木) 第255回4月20日放送
■入選句
題『茣蓙』ゴザの上花びら落ちて宴たわわ 孝一
花冷えも茣蓙と夜空は温かい もみ
盃に月を浮かべて花の茣蓙 英樹
花見茣蓙隣近所も青シート 俊夫
外されて右往左往の松の虫 恭子
桜咲きござの上には夢がある 清香
題『自由吟』
肩を組み寮歌に酔って花の下 おさむ
切り捨てず病と共に長く生き 幸子
無人駅花一輪のあたたかさ 喜明
■江戸川柳
一寸の草にも五分の春の色『春になって、青い草が少し伸びて来た。その色には、半分は春の色。春
がやって来たなと実感できる。』 という意味の川柳ですが、一寸は長さの
単位で約3㎝、五分(ゴブ)は、ごく僅か、長さの単位では一寸の半分です。
『一寸の虫にも五分の魂』という諺がありますが、それをもじった言葉遊び
の句のようです。この川柳は、享和五年(1801年)柳多留拾遺の中の一句
で、この頃は遊びの句が好まれた時代だったようです。
■選者の一句
忘れたらちょっと斜めに小休止 ヨシヱ☆5月のお題は『切る』 4月末日締切りです。
☆6月のお題は『自転車』 5月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『ままごとの一人二役ござの上』
『子どもは遊びの天才』と言った友がいましたが、本当にそうだなぁ、と、い
つも感心します。頭の中でおままごとの設定が成された瞬間から茣蓙の上は
居間でありキッチンなのです。人数が足りなければ一人二役は当然の事。傍
から見ていると微笑ましい光景ですが、子どもの世界では空想と現実の境目
は曖昧なのかもしれません。
なーんて、小難しい事考えずに鑑賞した方が良いのかも知れません。一人
二役を上手にこなす可愛らしい光景が、自然に浮かんでくるような素敵な一句
だと思います。