▼ 2012/11/11(日) 第231回11月3日放送
■入選句
題『侍』散り際に美学求める武士 桜
はまり役貧乏武士の妻の顔
武士道がすたり政治が寒くなる
高楊枝そんな御仁はもう居ない
二心無き侍は肚太い
雷蔵の写真は奥の奥の箱
題『自由吟』
ちぎれ雲楽しかったと言いながら
コオロギも生き長らえて庭の隅
楽しんで毎日過し前進だ
■川柳ヒストリー
祝復帰基地がなければもっとよし 令二昭和47年(1972年)5月 読売新聞の時事川柳です。
作者は『令二』と記録されています。
アメリカ軍の施政権の元にあった沖縄は、昭和45年(1970年)返還協定調印、
この川柳の発表された時、返還されました。
選者は『川柳非詩論』を唱えた 石原青竜刀。青竜刀の川柳理論として、『批判
精神の短文芸術』が挙げられます。
時事川柳として、当時の民意、世論を詠まれた川柳 をご紹介しました。
■選者の一句
カレンダーの絵に落着けと諭される 正明☆12月のお題は『12月を感じさせるもの』 11月30日締切りです。
☆来年1月のお題は『鉛筆』 12月31日締切りです。
今回の特選句『侍は扱いにくいと上司言い』。
ううむ、この『侍』は、どんな人の事でしょうか?どういったシチュエーションで『扱い
にくい』と言われたのでしょうか?
以前、川柳の一人歩き、という事に触れましたが、川柳は読む人の感じたままに
受け取っていい、と言われています。
…なので、私はちょっぴり(曲げない人に手を焼く)皮肉っぽい意も込められている
のでは、と思いますが…。
コミカルなワンシーンのように思うのですが、如何でしょう?