▼ 2014/07/29(火) 第320回7月19日放送
■入選句
題『 運ぶ 』宅配の汗に滲んだ若い靴 なごみ
どんぶりこ時間が運ぶ玉手箱 めぐ
時代劇裏に回って運ぶ金 清香
好いものは運んで来ない偏西風 敏晴
年ごとに風が運んだらしい花 重子
病む母を軽々移す孫の腕 氷筆
題『自由吟』
初夏なのにお出かけ用の靴がない 佐知
夫とて心の底は見せません 節城
主役誰犬の散歩に抱っこして 寿
■江戸川柳
百人のすけで七夕早くなり文化2年(1805年)『柳多留31篇』の句です。
七夕祭の笹に短冊を吊るす風習は今に伝わっていますが、当時は自
作の和歌を短冊に書いていました。しかし、和歌を作る事が苦手な人は、
百人のすけ、これは『百人一首』の事です、つまり、『百人一首』の和歌
を選んで短冊に書く人が増えたので七夕の準備が早くなった、という事
を詠った川柳です。
当時を知る、楽しい一句です。
また、江戸の初期から中期にかけて京の都では町娘が七夕の祭礼で
踊った『七夕踊り』が『盆踊り』のはじめとも言われているそうです。
■選者の一句
移る世に格差社会が待っている 正明☆8月のお題は『洗う』 7月末日が締切りです。
☆9月のお題は『遠い』 8月末日が締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『新天地夢も一緒に連れてきた』
広辞苑に書かれている『新天地』の意味は『その人にとって新しい
天地。これから切り開いていく新しい世界。』と、ありました。
この句の場合も、越してきた新しい土地を指すのではなく、『切り開
いていく新しい世界』、それはお仕事かもしれないし趣味の世界かも
知れませんが、新しい事を始める事への希望に燃えた一句のような
気がしました。
『夢も一緒に連れてきた』とても前向きでワクワクします!思わず空
を見上げてしまいそうな素敵な一句です!
1: 益弘 2014年08月16日(土) 午後8時23分
特選ありがとうございます。
若きころの新天地なら夢もあり初々しいですね~
しりとり句ならば・・・
「連れてきた夢に綻び三つある」(笑)かな
・病む母を軽々移す孫の腕
感銘を受けました。移すという表現にひとの温かさを感じました。
2: 桔理子 2014年08月24日(日) 午後6時10分
益弘様
特選おめでとうございます!
しりとり句、おおお!と思ってしまいました!(^^♪
そして、他の入選句への感想もありがとうございました。
なるほど、と、新鮮な気持ちです。
ちょっと、止まってしまっていますが、私もブログ、頑張らなくちゃ!って、気持ちが引き締まる思いです。
桔理子