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2015年12月の日記

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2015/12/12(土) 第392回(第15回みっきぃ賞発表)12月5日放送

    弱い子に弱いと言わぬことにする             椙元紋太

27年6月~27年11月 みっきぃ賞ノミネート句

    「ほどほどに」が妻の警報第一号                節城
     遊び過ぎ 体 財布に警報が                   有子
     自衛権総理警報鳴ってます                  有子

     看板が一見さんを寄せ付けぬ                千恵子
     シャッター街看板だけが夢の跡                有子
     LEDでひたすら駆けているグリコ               氷筆

     看板をかすめてドローン御来訪                幸二
     疲労には笑顔美人の妻寝顔               しゅういち
     疲れたの形でタオル干してある                義樹

     抜擢へ疲労も見せぬ子のスーツ                重子
     老眼を隠し続けている疲れ                  孝志
     予想外想定外に疲れます                   めぐ

     おっちょこちょい耳学問が誤解生む              隆太
     取り違え笑い話の内は良い                  恭子
     空白を埋める一語を捜す辞書                かほる

     翔び立とう通訳辞書がしてくれる               朝子
     恋と引く錯覚ですと訳にある                 喜明
     ペンを持つとなりに漢字辞書を置き               葵

     亡き妻へ軽い会話を投げかける                堅坊
     投げきった俺を褒めてる俺がいる               節城
     あの人を信じて舫い綱投げる                真理子

     暑すぎて記憶が元に戻らない                 野薫
     微塵にも殺意はないが卵割る                 敏晴
     富士山が神様捨てて遊園地                  富夫
     答えないことが返事のこともある               聖也


みっきぃ賞発表

    『みっきぃ賞』の選考方法は、選者4人と私を加えて頂いて5人で行いま
   す。各自持ち点5点でこれこそ!と思う句を選び、投票する方法です。
    前回も一回の投票で『みっきぃ賞』が決まったのですが、今回も票が割
   れたにも拘らず一回で決定しました。
    
    ただ、私自身は5句を選ぶ作業には時間が掛かってしまいました。本当
   に佳句が並んでいたと思います。



   最優秀みっきぃ賞
    微塵にも殺意はないが卵割る         神戸市   敏晴
    この句を目にした時、ドキッとしました。『微塵にも殺意はないが』という
   上五と中七、何だろうと思う次の下五は『卵割る』。
    日常の何気ない作業の中に、当たり前に行っている料理にも(そうだ、
   確かに!)と思わせる見付けがとても新鮮でした。川柳ならではの一句
   だと思います。
    おめでとうございます!

   優秀みっきぃ賞
    投げきった俺を褒めてる俺がいる       神戸市   節城
    投げ切った、やり切った、力を尽くした俺をよくやった!と褒めている
   俺がいる。具体的に『何をした』という事は句には書かれていませんが、
   読む人の経験に訴える物があったのだと思います。
    この句の中に色々な含みが感じられて心に響く一句だと思いました。
    おめでとうございます!



  他、選者のお気に入りの一句
    『亡き妻へ軽い言葉を投げかける』           正明さん
    亡き奥様へ投げかける「軽い言葉」、日常的な言葉なのでしょう。
    『ただいま』『行って来るよ』『冬らしくなった』等々…『軽い』という一語
    がこの句を光らせていると思います。

    『疲れたの形でタオル干してある』            夏牛さん
    どんな形でタオルが干してあるのでしょうか?疲れているのは勿論、
   ご自分なのでしょう。くたっと干されたタオルに日常が詠み込まれて
   いて、クスッと笑える川柳らしい一句だと思います。

    『抜擢へ疲労も見せぬ子のスーツ』           敏子さん
    抜擢されたと張り切っている我が子の姿が誇らしくもあり、眩しく
   もあり。我が子の成長を爽やかに詠まれた一句だと思います。
    パリッと皺の無いスーツ姿が目に浮かぶようです。もしかするとその
   身を案じておられるのか。母の愛情が伝わる一句だと思います。

    『答えないことが返事のこともある』          ヨシヱさん
    う~ん!と唸る一句です。答えにくいのか答えを出したくないのか、
   はたまた意に添わぬ返事を強いられているのか。様々な情景が浮か
   んでクスッと笑える、川柳らしい奥が深い一句だと思います。

    『恋と引く錯覚ですと訳にある』              桔理子
    ニヤッと笑ってしまいました。辞書で「恋」と引けばキチンとした訳
   が載っていることでしょう。でも、本当は「錯覚です」が正しい意味じゃ
   ないかと思ってしまいます。
    軽みがあってクスリと笑える楽しい一句です!


   次回の『みっきぃ賞』発表は6月初旬を予定しています。
   12月~5月に発表した「今日の一句」から選ばせて頂きます。
   私たちも一生懸命頑張ります!
   ご投句、コメント、お寄せ下さいませ!


   これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2015/12/12(土) 第391回11月26日放送

特選句 

     答えないことが返事のこともある           聖也

入選句

   題『投げる』
     笑顔投げハート掴んだ午後でした           葵
     投げだした足に悔しさにじみ出る          喜明
     石一つ投げて明日の運試し             義樹
     投げ返す言葉の裏にある野心           かほる
     投げあった言葉にやけどをさせられる        蕉子
     国会にタオルと匙を投げて来た           孝志
     結論はあなた次第と投げてみる           幸二
   題『自由吟』
     ため息をつき新聞を折りたたむ          喜八郎
     増税に怒る力もない庶民               野薫
 

選者の一句

    カメラには疲れていない七五三            正明
 


    ☆ 来年1月のお題は『飛ぶ』     12月末日締切りです。
    ☆ 来年2月のお題は『二階』   来年1月末日締切りです。

    ☆ なお『自由吟』は随時、募集しています。
 

投句の宛先

    ☆ 葉書・封書   〒673-0493 三木市エフエムみっきぃ
    ☆ Fax番号     0794-86-1761
    ☆ e-mailアドレス  melbo@fm-miki.jp
    ☆ ブログ・コメント欄
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   今回の特選句『答えないことが返事のこともある』

    う~ん!
    なかなか意味深な一句だと思いました!
    正明さんは政治の世界の例を挙げておられました。答弁で聞かれた事
   と相反する答えをワザとして、煙に巻くような…。

    私は単純ですから身近な所で…主人?
    答えたくない事は聞こえてない振りしているんじゃないかと!

    もっと深刻な場合も想像できます。あえて答えない場合…
    川柳らしい一句で、全部を言い切っていないので、いろんなシチュエー
   ションが思い浮かんで深い句だと思います!

2015/12/02(水) 第390回11月21日放送

特選句 

     あの人を信じて舫い綱投げる          真理子

入選句

   題『投げる』
     匙投げず医者の奮闘ただ感謝            幸二
     手探りで言葉投げ合う初対面            英樹
     コメンテーター画面でなけりゃ投げとばす    行兵衛
     投げるにはチョット勇気のいるキッス        五月
     投げかけてもしやもしやの返事待つ         聖也
     野良猫に当たらぬように石を投げ         瑠璃子
   題『自由吟』
     老犬も食欲だけは揺るがない            めぐ
     する しない 髪染め迷う八十路です         寿
     神無月やっぱり貧乏神と呑む            幸雀
 

選者の一句

    今の位置天井ですか底ですか           桔理子
 


    ☆ 来年1月のお題は『飛ぶ』     12月末日締切りです。
    ☆ 来年2月のお題は『二階』   来年1月末日締切りです。

    ☆ なお『自由吟』は随時、募集しています。
 

投句の宛先

    ☆ 葉書・封書   〒673-0493 三木市エフエムみっきぃ
    ☆ Fax番号     0794-86-1761
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   今回の特選句『あの人を信じて舫い綱投げる』

    舫い綱、私はよく知らなかったので広辞苑を調べると、『船をつなぐ綱。
   やりて。てやす。』 とありました。…えらい簡単な説明だな、余計分から
   なくなってネットで調べると、『船と船、あるいは船と岸をつなぐための綱』
   とありました。

    海が荒れた時、船が流されてしまわないように船と船を繋いだり、岸に
   船を繋ぐ為の綱の事です。

    いつも元気で、何が起こっても平気そうに振舞ってはいても心細い時
   があります。そんな時、信じられる『あの人』がいて、信じて『舫い綱』を
   投げる。その人はきっと、しっかりと掴んで杭に繋いでくれるのでしょう。

    この句は破調の句です。『あの人を信じて投げる舫い綱』とするとスッ
   キリします。でも、スッキリし過ぎて主題がぼけてしまいます。
    いつもリズム、リズムと言っているので矛盾しますが、主題を強調する
   ためにわざと破調になっているのでしょう。

    リズムは大切ですが、崩す事によって心に響く句もあると思います。