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2015年7月の日記

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2015/07/18(土) 第371回7月11日放送

特選句 

     シャッター街看板だけが夢の跡               有子

入選句

   題『看板』
     看板のカニに財布を覗かれる                孝志
     看板の上で呼び込む換気扇                  葵
     看板を巡り親子の血の戦                   英樹
     看板はしっかり固定事故防止             しゅういち
     看板娘八十ですが人気者                  節城
     名画座の鞍馬天狗と目が合った              益弘
   題『自由吟』
     満席のなかで欠伸をうつされる              かほる
     恋しても三本足では追いつかず              義樹
     老介護幼き歌を口ずさむ                    栄
 

選者の一句

    押されても押されても母 澪つくし              夏牛
 


    ☆ 9月のお題は『誤解』        8月末日締切りです。
    ☆ 10月のお題は『辞書』       9月末日締切りです。

    ☆ なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『シャッター街看板だけが夢の跡』

    シャッター街。静かな社会問題ですね。
    静かな、と言ったのは、テレビや新聞などでも時々取り上げられていま
   すが、仕方のない事と納得されているからです。
    大型スーパーやアウトレッド、通販、ネット購入etc.。時代の波に呑み込
   まれてしまったのです。かく言う私もしょっちゅうインターネットで品物を購
   入しているのですが。(^_^;)

    商店街に看板を上げて、店主も大きな夢を掲げていた事でしょう。商店
   街自体が活気にあふれ、賑わい、物を売る楽しさ、買う楽しさに満ちてい
   た事でしょう。

    今はひっそりとシャッターが下ろされたままになっている商店街。
    『夢の跡』という表現が賑やかだった時代を偲ばせる一句だと思います。

2015/07/11(土) 第370回7月4日放送

特選句 

     看板が一見さんを寄せ付けぬ               千恵子

入選句

   題『看板』
     ウインドの見本のカツはデカかった            なごみ
     看板を背負って走るバス電車                野薫
     シャッターを閉めた看板薄くなる               益弘
     看板のモデル私によく似てる                 佐知
     看板と云われてからの長い尻                喜明
     にぎわいを看板だけが覚えてる               恭子
   題『自由吟』
     幸運が偶然やってきたのです                隆太
     父の日の一日だけですむ行事              かほる
     まわる寿司ハイタッチして子はケーキ           重子
 

選者の一句

    安らぎの緑陰 風と雉の声                    正明
 


    ☆ 8月のお題は『疲労』        7月末日締切りです。
    ☆ 9月ぼお題は『誤解』        8月末日締切りです。

    ☆ なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『看板が一見さんを寄せ付けぬ』

    『看板』というお題でしたので、同じ発想の句が多かったです。その中で
   この句は良い見付けをされた句だなと思いました。
    『看板』に、いろんな姿の浮かぶ句だと思います。

    『一見さん』という言葉で私が真っ先に浮かんだのは京都の花街です。
   先斗町とか祇園のお茶屋さんですが、でも、それだけではないでしょう。
   料亭や老舗、その『看板』に品格があってなかなか入りにくい、軽々しく
   入っちゃいけない気がする、そんなお店が浮かんできます。

    まさに門前払い。(^_^;)その看板の前で尻込みする人、悠々と入って
   いく一見さんじゃない人、想像が膨らむ楽しい一句だと思います。

2015/07/11(土) 第369回6月27日放送

特選句 

 
     自衛権総理警報鳴ってます                 有子

入選句

   題『警報』
     警報はまだかと父は車椅子                 重子
     警報か解除かサイレン鳴り響く               幸二
     警報器守られている鍋の焦げ                 寿
     鳴るよりも現場の崩れ先をこす              としや
     居酒屋の内ポケットに鳴る警報                葵
     妻がへそ曲げ警報が鳴り響く                俊博
   題『自由吟』
     健康な時は言えるね死ぬること             千恵子
     嘘 誠 現世を歩むカタツムリ                喜明
     正に初夏大の字もいいお茶もいい             めぐ 


選者の一句

    古民家の屋根から降って来る民話             ヨシヱ
 


    ☆ 8月のお題は『疲労』        7月末日締切りです。
    ☆ 9月ぼお題は『誤解』        8月末日締切りです。

    ☆ なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『自衛権総理警報鳴ってます』

    今を詠む時事川柳は私の苦手分野です。だからこの句のように言いた
   い事がはっきりと分かって、それでいて川柳らしいリズムで詠まれる軽妙
   な句に憧れてしまいます。
    解説なんて要らない、『そうだ、そうだ』と言いたくなりますが、川柳には
   『時事川柳』という分野があるのですから、小さな民の声を伝えていく事は
   大切ではないかと思います。