▼ 2017/04/22(土) 第460回3月25日放送
■入選句
題『顔』黒板に恩師の顔が消えぬまま まこと
顔を見て態度の変わる情けなさ 富夫
わが庭に早や顔を出す蕗のとう 麦人
どぶ板をどこでも踏んで顔を売り 一徳
ダイエットすると余病が顔を出す 敏晴
美人ならどんな人生 今さらね 瑠璃子
整形を顔認証が通せんぼ おーちゃん
題『自由吟』
酒に酔い理性と本音喧嘩する 一本杉
梅が咲き小鳥が歌う 歩きましょ めぐ
役交代気抜けしそうでボケそうで 寿
■投句の宛先
☆ 葉書・封書〒673-0493 三木市エフエムみっきぃ
☆ Fax番号 0794-86-1761
☆ e-mailアドレス melbo@fm-miki.jp
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今回の特選句『懸命に生きた親父に遺産なし』
この句の作者の真意はどうなのでしょうか。自嘲の句でしょうか。一見自嘲するかのように見せて、その生き方を誇らしく思われているのでしょうか。『親父に遺産なし』と締めくくった句です。
『句は一人歩きする』と言われます。作者の真意とは違っていても一度手から放れた句の鑑賞は読み手に委ねられるもの、だそうです。だから私の鑑賞を述べさせて頂きます。
懸命に働き、家族を守り、真面目に生きた『親父』には金目の遺産は無かった。何にも残さなかった。その生き様と背中以外は。
『親父』に親しみと尊敬の気持ちを感じました。『遺産なし』と締めくくられ、哀愁を感じました。ふと父の姿が脳裏に浮かんだ一句です。(桔理子)