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2017/04/22(土) 第461回4月1日放送

特選句 

 それぞれの人生観で花見する       朋子
 

入選句

題『それぞれ』
 それぞれの生き方がある それでいい   麦乃
 それぞれの意見を通す春嵐        末美
 それぞれの心を繋ぐ紙コップ       敏明
 それぞれの祝いの言葉みな同じ      めぐ
 それぞれの国益優先ポピュリズム     恭子
 帰り待つあの人想う夜行バス       一徳
題『自由吟』
 懐かしく忘れられない傷もある      義子
 私より存在感のあるカード       わか子
 勝ち負けは言わぬ余生の気の軽さ     麦人
 酔うたかな記憶に母が消えている     喜明
 

選者の一句

 レガシーか硯と筆を置く机       正明



☆6月のお題『マスコミ』 5月末日締切り。
☆7月のお題『魅力』   6月末日締切り。    

☆ なお『自由吟』は随時、募集しています。
 

投句の宛先

 ☆ 葉書・封書   
   〒673-0493 三木市エフエムみっきぃ
 ☆ Fax番号     0794-86-1761
 ☆ e-mailアドレス  melbo@fm-miki.jp
 ☆ ブログ・コメント欄
   『コメント』欄にご記入いただき、上の『非公開コメント』に『✔』を入れて、非公開でご投稿ください。



今回の特選句『それぞれの人生観で花見する』

 この句を読んだ瞬間、満開の桜と、その桜を見上げる人の姿と、下から見上げて目に映る桜の光景が浮かびました。
 でも、私の脳裏に浮かんだ光景は私の人生観の光景です。
 この句を読んで浮かべる光景はそれぞれ、一人一人違った光景なのでしょう。

 日本人にとって花見は春の待ち遠しいイベントの一つです。特別な観光地でなくても『ソメイヨシノ』は公園や学校、駅、私も町にもいたる所に植えられていて春を彩ります。でも、満開は本当に短いですね。
 私のハマっている米ドラマでの別れのシーンが偶然だったのかも知れませんが花吹雪の頃で、死地に赴く友をハグするその髪に、肩に花弁が舞い落ち、海外でも桜なのかな、と思ったりしました。

 日本人にとって馴染みの深い桜です。桜に重ねる人生はそれぞれ。サラリと深い一句だと思いました。(桔理子)

2017/04/22(土) 第460回3月25日放送

特選句 

 懸命に生きた親父に遺産なし      としや
 

入選句

題『顔』
 黒板に恩師の顔が消えぬまま      まこと
 顔を見て態度の変わる情けなさ      富夫
 わが庭に早や顔を出す蕗のとう      麦人
 どぶ板をどこでも踏んで顔を売り     一徳
 ダイエットすると余病が顔を出す     敏晴
 美人ならどんな人生 今さらね     瑠璃子
 整形を顔認証が通せんぼ      おーちゃん
題『自由吟』
 酒に酔い理性と本音喧嘩する      一本杉
 梅が咲き小鳥が歌う 歩きましょ     めぐ
 役交代気抜けしそうでボケそうで      寿
 

選者の一句

 幸せを拾うこころの種を蒔く     ヨシヱ



☆6月のお題『マスコミ』 5月末日締切り。
☆7月のお題『魅力』   6月末日締切り。    

☆ なお『自由吟』は随時、募集しています。
 

投句の宛先

 ☆ 葉書・封書   
   〒673-0493 三木市エフエムみっきぃ
 ☆ Fax番号     0794-86-1761
 ☆ e-mailアドレス  melbo@fm-miki.jp
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今回の特選句『懸命に生きた親父に遺産なし』

 この句の作者の真意はどうなのでしょうか。自嘲の句でしょうか。一見自嘲するかのように見せて、その生き方を誇らしく思われているのでしょうか。『親父に遺産なし』と締めくくった句です。

 『句は一人歩きする』と言われます。作者の真意とは違っていても一度手から放れた句の鑑賞は読み手に委ねられるもの、だそうです。だから私の鑑賞を述べさせて頂きます。

 懸命に働き、家族を守り、真面目に生きた『親父』には金目の遺産は無かった。何にも残さなかった。その生き様と背中以外は。

 『親父』に親しみと尊敬の気持ちを感じました。『遺産なし』と締めくくられ、哀愁を感じました。ふと父の姿が脳裏に浮かんだ一句です。(桔理子)