▼ 2017/01/21(土) 第447回12月24日放送
■入選句
題『埋める』その胸に顔を埋めた過去幾度 氷筆
鉛筆を舐めなめ埋めてゆく予定 節子
亡き父の記憶を埋める七回忌 俊博
娘が嫁ぎ隙間を埋めるポチがいる 有子
抜けた穴待ってましたとすぐ埋まる 一本杉
出る杭も埋もれる杭もある社会 英明
題『自由吟』
物が無く欲も無かったあの時代 一徳
多機能は要らぬ炊くだけ洗うだけ わか子
よく来たね ばあちゃんの味茶碗蒸し 喜佐男
ガンですと平気で告げる若い医者 聖也
■投句の宛先
☆ 葉書・封書 〒673-0493 三木市エフエムみっきぃ☆ Fax番号 0794-86-1761
☆ e-mailアドレス melbo@fm-miki.jp
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今回の特選句『わが家にも埋蔵金があるらしい』
埋蔵金といっても徳川の埋蔵金等でなく、この句は時事吟です。
ああ、こんなニュースあったなあ、と思って調べてみると…。最初
に句を読んだ時の印象と違ってきました。作者の詠まれた意図は
どちらなのでしょうか?
最初は楽しい句、クスッと笑える句だと思いました。埋蔵金という
のは、しっかり者の奥様の箪笥預金、へそくり、ファンド等々、ご主
人の知らない財産があるらしい、という風にとらえていました。ニュ
ースの『専業主婦・埋蔵金』だけ耳に残っていたので。
でも、よく調べてみると扶養手当が無くなるとか。専業主婦の埋
蔵金が危うくなる、みたいな記事でした。
『へえ。わが家にも埋蔵金があるらしい。知らなかった。扶養手
当が埋蔵金?何をおっしゃる』 みたいなシニカルな一句のように
思えてきました。私はシニカルな方が面白い気がします。
桔理子