■特選句　

　
　　　　　母笑顔たまに名を当て拍手する　　　　　　　　　　　しゅういち

■入選句

　　 題『空港』
　　　　　空港は夢とロマンが離着陸　　　　　　　　　　　　　　　行兵衛
　　　　　空港に国際色が舞っている　　　　　　　　　　　　　　　　益弘
　　　　　空港のキャリーバッグ夢運ぶ　　　　　　　　　　　　　　　　めぐ
　　　　　空港の騒音わかるドクターヘリ　　　　　　　　　　　　　瑠璃子
　　　　　向かい風孤独な空へ離陸する　　　　　　　　　　　　はるママ
　　　　　英語無理いかねばならぬジャマイカへ　　　　　　　　　　　寿
　　　　　空港に着くと浮かぶは夫の顔　　　　　　　　　　　　　　　有子
　　 題『自由吟』
　　　　　バーゲンセールみなぎる空気買い占める　　　　　　　としや
　　　　　叫ぶほど痛くないからよい歯医者　　　　　　　　　　　　　敏晴
　　　　　年賀状たぶん出来ない抱負書く　　　　　　　　　　　　　　朝子

■選者の一句

　　　　情報の海で溺れる芋一つ　 　 　　　　　　　　　　　　　　　夏牛

　

　　　　☆　３月のお題は『光る』　　　　　　　２月末日締切りです。
　　　　☆　４月のお題は『上役』　　　　　　　３月末日締切りです。


　　　　☆　なお『自由吟』は随時、募集しています。



　　　今回の特選句『母笑顔たまに名を当て拍手する』

　　　　年老いたお母様が名前を言い当てて、周りの皆は思わず拍手する…と
　　　いう情景を詠われたのでしょうか。切実な今を詠まれた川柳のように思
　　　われます。
　　　　たくさんのお孫さんで、名前を言い当てられたのでしょうか。それとも認
　　　知症を患われておられるのでしょうか。
　　　　この句の素晴らしさは『優しさ』だと思います。お母様は笑顔、周りの人
　　　達も皆笑顔なのです。
　　　　高齢者社会の問題、介護という問題が含まれた重いテーマの句ですが、
　　　拍手するという優しさでくくられて心に沁みる一句です。