▼ 2014/07/29(火) 第318回7月5日放送
■入選句
題『運ぶ』伝書鳩幸せ運びクックックッ 清香
倦怠期離婚用紙が往き来する 節城
幸せな風を運んだブーメラン 喜明
お茶運ぶお盆が客を仕分けする 英樹
この種を持ってあなたを咲かせなさい 葵
運筆のかすれ具合の奥ゆかし 氷筆
題『自由吟』
探し物忘れた頃に出る不思議 かほる
時は金ならばオイラも大富豪 幸二
父の文捨てられもせずそっとなで 瑠璃子
■楽々川柳
お便りコーナー寄せて頂いたお便りを時間の限り紹介させて頂きました。
楽しいお便り、川柳の事、近況報告、励ましの言葉、本当に嬉しいです。
『川柳広場』楽しんで頂けて、嬉しいです!!!
また、川柳に関する疑問・質問を受け付けています。
こんなこと、聞いて良いのかしら?って思われる事も本当はとっても新鮮
な事だったりします。
私たちも勉強になります、どしどしお寄せ下さい!(#^.^#)
■選者の一句
夢を見る父と息子のコクピット 夏牛☆8月のお題は『洗う』 7月末日締切りです。
☆9月のお題は『遠い』 8月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『震災の忘れられない水運び』
来年、阪神淡路大震災二十周年です。
今もその時の話をすると昨日の事のように皆、話します。断片的ですが、
強烈に刻まれた記憶は薄れる事がないのです。
『忘れられない水運び』
経験のない人には何の事だろう?と、思われるかも知れません。私自身、
三木市在住でしたから震度5で、もの凄く揺れましたが、水道やガス、電気
が止まるという事はありませんでした。ですから、ピンと来なかったのです
が、敏子さんは神戸市に住まわれていて、この句を読み、『当時の事、いろ
んな事を思い出す』と言われました。
『水運び』とは、配給車から水を貰って自宅に運んだ、という震災後の日々
の出来事です。皆で並んで水を配給してもらい、真冬の寒さの中、重い水
を懸命に運んだ、というのです。
当事者にとって、色褪せない時事川柳です。語り継がれるべき川柳なの
でしょう。