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2014/07/29(火) 第317回6月28日放送

*特選句 

     安眠へ布団の歴史まだ続く                めぐ

入選句

題『布団』
     陽に干して夕べの悪夢パンと打つ             朝子
     お布団をかぶれば明日が見えてくる            重子
     お昼寝に掛けた布団は おかあさん             清香
     泣くために布団があると思う夜                葵
     太陽に香りもらった布団着る               あつ子
     人待ち顔して縁側のお座布団             はるママ

題『自由吟』
     ちらちらと女を見せる春一番                としや
     毛虫でも若葉を餌に空を舞い                 寿
     豆御飯初物供え亡夫思う                 瑠璃子                       

川柳ヒストリー

     新酒受くうたのこころに漂うか    去来川巨城(イサガワキョジョウ)

    ふあうすと川柳社の主幹を11年務め、会長に就任された去来川巨城
   (イサガワ キョジョウ)の川柳です。ふあうすと川柳社刊行の句集『さんれい
   抄』があります。

    この句は『さんれい抄』の序文の前のページに載せられています。
    「この冬、仕込んだ新酒の、市中に出回る頃に、その酒を頂く。詩の心
   は、どう受けとめたか。酒はゆっくりと詩人の心に溶けてゆくだろう」と詠
   まれた詩情豊かな句です。

    『さんれい抄』序文には、『川柳は明治に新しく興った短詩文芸である、
   云々』とし、短詩文芸としての完成に従事し、川柳作家としての気概を述
   べ、 『川柳の名を冠する限り、初代川柳点、柳多留作品の持つ真の精
   神が何であるかを解明し得るまでに研究することが川柳作家たる者の
   務めである』 と書き記しています。
 
 
         

選者の一句

    時鳥四方響かせている田植               正明

 

    ☆8月のお題は『洗う』            7月末日締切です。
    ☆9月のお題は『遠い』            8月末日締切です。
 
    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。




   今回の特選句『安眠へ布団の歴史まだ続く』

    布団の歴史、布団は打ち直しをしたりして大切に、大切に、受け継がれ
   て行くものなのでしょう。かつては着物を解いて布団を作ったのだと聞き
   ました。

    私は布団の打ち直しを実感として持っておらず、古くなったら買い換える
   物だと思っていました。でも、そう言えば私が結婚した時、父が持たせてく
   れた布団は今も使っています。陽に干せばふっくらとして、傷んだら買い
   換える布団とは意識が違います。

    安眠を約束してくれる、その布団の歴史は続いていくのでしょう。
    『布団』の事を考えさせられた一句でした。