▼ 2014/06/29(日) 第316回6月21日放送
■入選句
題『 布団 』手品師のように布団が夢を見せ 英明
座布団へごろり夫のいい寝顔 重子
お人形さんの布団になった宮参り はるママ
日々使う布団はりこみ上等を 瑠璃子
布団干す涙の痕を消すために 英樹
本当に病人にする魔の布団 葵
題『自由吟』
一仕事終わり緑茶にある平安 清香
娘のノート覗きたいけど勇気なし 節城
客になり世話役もするミニサロン 寿
■江戸川柳
丑の日にかごでのり込む旅うなぎ文政4年(1821年)『柳多留73篇』、土用の丑の鰻の句です。この句が読
まれたのは後に『化政文化』といわれている爛熟期で、江戸庶民が豊かな
生活を送っていた時代です。
この頃、すでに土用の丑の日には鰻を食べるという風習が定着していた
のでしょう。しかし、江戸で獲れる鰻だけでは足りないので『旅うなぎ』、地方
で獲れた鰻も入荷され、食べられていました。当時は当然輸送トラックも冷
凍技術もありませんから、丑の日に合わせて篭で運ばれて来た『旅うなぎ』。
この句からは分からないのですが『旅うなぎ』は味が落ちるので嫌だけど
丑の日に鰻を食べないわけにはいかない、と需要はかなりあったようです。
江戸時代の人々の暮らしが偲ばれる江戸川柳です。
■選者の一句
孤影曳き道の深さを問うている ヨシヱ☆7月のお題は『運ぶ』 6月末日締切りです。
☆8月のお題は『洗う』 7月末日締切りです。
☆なお『自由吟』は随時、募集しています。
今回の特選句『布団の上に正座した妻怖過ぎる』
午前様で帰宅して、こっそり鍵を開けて、こそこそとお風呂に入ったり、
お水を飲んだり、と、手早く、音を殺して、照明も出来るだけ落として寝室
に入ると…。
お布団の上に妻が正座をしている。
酔いもサーーッと醒める瞬間ですね!
本当の出来事だったらさぞかし怖いでしょう!びっくりして、ゾッとして、
緊張しながら妻の言葉を待つのでしょう。
とっても楽しくて、思わず笑ってしまう一句です。
たった十七音字という制限の中で、見事に状況、心情が見えて、面白い
けど達者な句だなあと感心しました。
1: 初心者 2014年07月15日(火) 午前5時45分
「布団の上に正座した妻こわすぎる」
指で数えても五七五になりませんが、そのあたりのことを教えていただけたら幸いです。
2: 桔理子 2014年07月26日(土) 午前9時13分
初心者さま
コメントありがとうございます。回答が遅くて本当に申し訳ありません!上記の句は『変調』と言われる句です。『七・七・五』で作られています。
『8月2日・3日の第322回放送』の『楽々川柳』のコーナーで先生方に詳しく解説して頂く事になりました。このブログでも記載させて頂きます。
せっかくコメント下さったのに遅くて本当にすみません!
桔理子
3: 初心者 2014年07月26日(土) 午前10時14分
お勉強になりました。ありがとうございます・・・
4: 桔理子 2014年07月27日(日) 午後2時50分
初心者さま
コメント下さってありがとうございます!
とっても嬉しいです。ブログ、滞っていますが…頑張ります!
第322回の放送内容がちゃんとお届けできるよう追いつきます!
読んでくださってありがとうございます!
桔理子