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2014/06/12(木) 第314回6月7日放送(第12回みっきぃ賞)

    人を恨まずと 日記に書き孤独         椙元紋太

25年12月~26年5月 みっきぃ賞ノミネート句

     大皿にえんりょポツンと残されて                恭子
     最後まで残しておいたおかずです               益弘
     残り香に酔ってあしたは別の顔                 めぐ

     サイコロを独り振っても出ない七                 葵
     赤のれん愚痴を肴に七杯目                  英明
     七つ星ひとつはボクの母の星                 喜明

     シャネル5も湿布も匂うシャトルバス             なごみ
     貴方の背危険な匂いだから好き                有子
     好きと言うにおいがほしい片思い               清香

     横丁の匂いに五感踊り出す                  良種
     商店街ナンパ上手の魚屋さん                  葵
     竿先がぴくんと揺れる息止める                 葵

     滝登る鮎に拍手の応援歌                   氷筆
     魚市場手品のようなせり現場                 有子
     鳥が鳴き大地が動く春が来た                  寿

     発つべこの鳴きに心が押し潰れ               なごみ
     まな板の鯉は鳴き声など出さぬ                英明
     カプセルも企業戦士の部屋である               益弘

     古民家の秘密が眠る隠し部屋                 敏晴
     明日はある逆光線に負けぬ部屋               喜明
     子供部屋夢しぼんだり開いたり                英明

     正直をお宝にして八十年                    翔空
     ピリオドを探しながらの三次会                 敏晴


     

みっきぃ賞発表

   最優秀みっきぃ賞
    カプセルも企業戦士の部屋である      静岡県    益弘
    たった十七音字の中にある良質のドラマ。川柳の醍醐味ではない
   でしょうか。わずか十七音字しかないのに絵が見えて、生活が見え
   る。心情が見える。
    『部屋』というお題で作られたこの句には企業戦士と呼ばれ、各地
   を飛び回り、守る家庭から離れてカプセルホテルに宿を取っている
   営業マンの姿が鮮明に浮かびます。
    その胸中はこの句を読まれた方がおのおの想像されるのでしょう。
    先生方絶賛の一句でした。



   優秀みっきぃ賞
    シャネル5も湿布も匂うシャトルバス     甲府市   なごみ
    楽しくて、生活の匂いのする、日常を上手くとらえられた川柳だと感
   心しました。
    設定がシャトルバス、なのも特定されて分かりやすいです。何処へ
   行くシャトルバスなのかはワイワイと話題に上りました。
    シャネル5、なので病院じゃないだろう、空港じゃないかって説と、で
   も、湿布も匂うんじゃ旅館?などと、本当に選をした時に盛り上がりま
   した。
    シャネル5と湿布、という対比がとっても楽しく、生活が滲み出ていて
   『見付けの良い句』と先生方が笑顔になられた一句でした。



  他、選者のお気に入りの一句
    『貴方の背危険な匂いだから好き』          正明さん
    『危険な匂い』という言葉に惹かれました、と、正明さん。
    危険な男は何故か女心を擽るようです。

    『大皿にえんりょポツンと残されて』          敏子さん
    光景が浮かぶ句で、経験あり、そして表現がおもしろい、と、敏子さん。
    『えんりょ』と平仮名『ポツン』はカタカナ。リズムも良い一句です。

    『商店街ナンパ上手の魚屋さん』            夏牛さん
    『ナンパ上手の魚屋さん』という表現が素晴らしいね、と、夏牛さん。
    活気ある商店街、取分け元気で人気者の店主の姿が浮かんできます。

    『好きというにおいが欲しい片思い』         ヨシヱさん
    とても女性らしい、可愛らしい句ですね、と、ヨシヱさん。
    『片思い』という所がまた良いわね、と、表現も女性らしい佳句です。

    『子供部屋夢しぼんだり開いたり』           桔理子
    『子供部屋』と特定された事で、小さな空間と、長い年月の流れを感じさ
   せられて、大好きな一句です。
    子ども達はどんな夢を見、挫かれ、成長したのだろうと思いました。

 


 
   
    人を恨まずと 日記に書き孤独
    冒頭の川柳は、ふあうすと川柳社創始者 椙元紋太さんの若い頃の
   一句です。優しいイメージばかりの紋太さんにもこんな風に思われる
   事があったのかと、新鮮な気がしました。




   次回の『みっきぃ賞』発表は今年12月を予定しています。
   6月~11月に発表した「今日の一句」から選ばせて頂きます。
   どしどし、ご投句下さいませ!
   私たちも一生懸命頑張ります!

   これからも、どうぞよろしくお願いします!m(__)m
   (ブログも遅れないよう順々アップいたします!)

1: 柳谷益弘 2014年06月17日(火) 午後9時11分

最優秀みっきぃ賞の栄・・ありがとうございます!!
各回のコメント批評もありがたく勉強になります。
なごみさん、おめでとうございます。(春爺)

2: なごみ 2014年06月18日(水) 午後7時28分

益弘さ~ん最優秀賞おめでとうございます。さすがあです。お隣りの県にいながらお会いする機会がなくて残念だわ。これからも楽しく川柳しましょうね❤