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2014/06/07(土) 第310回5月10日放送

特選句 

     古民家の秘密が眠る隠し部屋               敏晴

入選句

題『 部屋 』
     愛を呼ぶ そんなお部屋にしたい居間           清香
     部屋住みの娘が戻る世は不況               としや
     回復が見えて部屋がえ外は春                令子
     隅っこにゴミと秘密がたまってる               佐知
     何にでもすぐ手が届く四畳半                 益弘
     部屋に灯がついてる仮面軽くなる              重子 
                                              
題『自由吟』
     マンガ本読んで憲法考える                  めぐ
     あの写真剥がしてみたが捨てられず             寿
     葉桜に春の名残りの花一輪                瑠璃子

                      

江戸川柳

    土俵入りまけるけしきが見へぬなり

    安永9年(1780年)『柳多留15篇』、江戸時代の相撲人気を詠んだ川柳です。
    土俵入りには、大相撲ファンの方なら説明するまでもなく、横綱土俵入、太刀
   持、露払いを従えて、横綱が土俵中央で、雲竜型か不知火型で行う土俵入りと、
   大関以下幕内力士が東西に分かれて土俵周辺をめぐる土俵入りとがあります。

    この句の土俵入りは、後者の土俵入りの事です。

    相撲史によると当時人気だった谷風・小野川が初代横綱に昇進したのは、こ
   の句の9年後になります。人気に押されて横綱という地位を作ったのだと思れ
   ます。

    『幕内土俵入りの力士を見ると、みんな強そうじゃないか。負ける気がしない
   (負ける気色を見えぬ)、という、贔屓の観客の心を詠んだ句でしょう。国技館は
   無い時代ですから、雨が降れば順延、晴天十日の場所、だったそうです。


選者の一句

    ひと言に思い揺れてる春の川            ヨシヱ
   



    ☆6月のお題は『布団』         5月末日締切りです。
    ☆7月のお題は『運ぶ』         6月末日締切りです。                          

    ☆なお『自由吟』は随時、募集しています。



   今回の特選句『古民家の秘密が眠る隠し部屋』

    かつての旧家と呼ばれる家には隠し部屋、という物があったそうです。
    『隠し部屋』とは、少し暗いイメージがあって、そそられます。そこには『秘密』
   が『眠っている』。
    何とも気になる川柳です!古い時代の日本独特の世界ですね!
    立派な佇まいの古民家ですが、そこには『隠し部屋』があって、決して表には
   出す事の出来ない秘密があった、らしい。どんな秘密だったのだろう?
    十七音字の中に、想像力を掻き立てる、色や空気も感じさせる、とっても面白
   い川柳だと思います!