▼ 2016/08/13(土) 第428回8月13日放送
■入選句
題『山』下宿屋の山盛り飯にある情け 一徳
古里に富士の名のつく山がある 隆太
山の日が祭日になり海へ行く 千恵子
銭湯に四季折々の富士がいる 益弘
氷山が見せぬ部分にある脅威 敏晴
どの人もそれぞれの山越えて今 れおん
題『自由吟』
八月の夾竹桃は戦火(ひ)の臭い はな
年金の許容範囲で呼吸する 喜佐男
詳しくはホームページといわれても 晴俊
■投句の宛先
☆ 葉書・封書 〒673-0493 三木市エフエムみっきぃ☆ Fax番号 0794-86-1761
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今回の特選句『御巣鷹に今年も浸みる蝉しぐれ』
日航機123便墜落事故から31年が経ちます。あの事故以来、この
悲劇を二度と起こさないと、整備や規約など見直され改定されたと
いいます。一瞬にして多くの人命が奪われる飛行機事故の恐ろしさ
と、私にはもっと印象に深く残ったのが、この機の乗客には多くの働
き盛りのビジネスマンが乗っておられた事、そして、その方々が残さ
れた家族に宛てて遺書を書かれていた事でした。
機の異常があって墜落を余儀なくされ、ダメージを最小限にと御
巣鷹山に運んだのでしょう。機はダッチロールを繰り返し30分余り
飛んでいたそうです。その恐怖の中で書き綴られた遺書の無念と
愛情と意志の強さを想うと本当に泣けました。焼失して届かなかっ
た遺書もあった事と思います。
『蝉しぐれ』の句は本当にたくさんあります。しかし、この句の『蝉
しぐれ』は耳に切なく重く、御巣鷹山に、御巣鷹山にお参り登山をさ
れる方々に、そして読む私たちにも浸み入る気がしました。
(桔理子)