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2016/08/13(土) 第428回8月13日放送

特選句 

     御巣鷹に今年も浸みる蝉しぐれ        俊博

入選句

   題『山』
     下宿屋の山盛り飯にある情け         一徳
     古里に富士の名のつく山がある        隆太
     山の日が祭日になり海へ行く        千恵子
     銭湯に四季折々の富士がいる         益弘
     氷山が見せぬ部分にある脅威         敏晴
     どの人もそれぞれの山越えて今       れおん
   題『自由吟』
     八月の夾竹桃は戦火(ひ)の臭い        はな
     年金の許容範囲で呼吸する         喜佐男
     詳しくはホームページといわれても       晴俊
 

選者の一句

    お互いに老けたね 遠く花火がドン      桔理子



    ☆10月のお題は『テンポ』     9月末日締切りです。
    ☆11月のお題は『腰』      10月末日締切りです。    

    ☆ なお『自由吟』は随時、募集しています。
 

投句の宛先

    ☆ 葉書・封書   〒673-0493 三木市エフエムみっきぃ
    ☆ Fax番号     0794-86-1761
    ☆ e-mailアドレス  melbo@fm-miki.jp
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   今回の特選句『御巣鷹に今年も浸みる蝉しぐれ』

    日航機123便墜落事故から31年が経ちます。あの事故以来、この
   悲劇を二度と起こさないと、整備や規約など見直され改定されたと
   いいます。一瞬にして多くの人命が奪われる飛行機事故の恐ろしさ
   と、私にはもっと印象に深く残ったのが、この機の乗客には多くの働
   き盛りのビジネスマンが乗っておられた事、そして、その方々が残さ
   れた家族に宛てて遺書を書かれていた事でした。

    機の異常があって墜落を余儀なくされ、ダメージを最小限にと御
   巣鷹山に運んだのでしょう。機はダッチロールを繰り返し30分余り
   飛んでいたそうです。その恐怖の中で書き綴られた遺書の無念と
   愛情と意志の強さを想うと本当に泣けました。焼失して届かなかっ
   た遺書もあった事と思います。

    『蝉しぐれ』の句は本当にたくさんあります。しかし、この句の『蝉
   しぐれ』は耳に切なく重く、御巣鷹山に、御巣鷹山にお参り登山をさ
   れる方々に、そして読む私たちにも浸み入る気がしました。
                                     (桔理子)