▼ 2013/01/22(火) 第239回12月29日放送
■入選句
題『12月を感じさせるもの』家中の埃気になる十二月
木枯らしとジングルベルに背を押され
クリスマスケーキと共に愛食べる
届け先思い浮かべて蕎麦を打つ
新券を揃えて待っている晦日
忘れたき事無き年に感謝する
題『自由吟』
駅伝のように平和を次の世に
赤線を引いたヘッセの本が探せない
手も脚も俺の味方でまだ生きる
■江戸川柳
大石の中に軽石一つあり赤穂浪士の吉良邸討入りの川柳は数多く詠まれています。
全員切腹だったはずなのに泉岳寺の墓の数は46。一つ足りません。
その事を詠んだ川柳です。
大石は大石良雄と』浅野家藩士の事、軽石は浪士の藩士吉田忠左
衛門の足軽、寺坂吉右衛門のこと。足軽の軽を取って『軽石』と詠んだ
所に言葉遊びの妙味があります。
史実は、逃亡説と広島藩にいる浅野大学に命ぜられて報告に行った、
と言う説とあるそうです。82歳の天寿を全うして泉岳寺の46人の墓に
加えられて現在は47のお墓が並んでいるそうです。
■選者の一句
歳月の走る音聴く冬の陣 ヨシヱ☆2月のお題は『炎(ひ・ほのお)』 1月末日が締切りです。
☆3月のお題は『涙』 2月末日が締切りです。
今回の特選句は『新年の晴れ着を出して除夜の鐘』
新年を迎える準備を終え、お正月に着る晴れ着の準備も終えて
除夜の鐘を聴いている。新たな気持ち、厳かな気持ちが伝わって
来るようです。
私はいつもいっぱいいっぱいで、除夜の鐘を厳かな気持ちで聴く
余裕が無くて。少し反省です。除夜の鐘の音が染み入るような気が
しました。