▼ 2017/05/13(土) 第463回4月15日放送
■入選句
題『それぞれ』比べるより長所見つけて誉めてやる 洋子
それぞれの個性生かしたボランティア 末美
梅 桜 それぞれにある死生観 わか子
それぞれに自分勝手なつくしんぼ 恭子
それぞれの想いを込める稲荷寿司 まこと
それぞれに居場所決めてるマイホーム 寿
題『自由吟』
宝島 地図にはないがきっとある 義子
春の陽がゆらりコップの中に来る 千恵子
目の高さちょっと下げたら見えてきた 一本杉
生き方を教えてくれた犬が逝く めぐ
■投句の宛先
☆ 葉書・封書〒673-0493 三木市エフエムみっきぃ
☆ Fax番号 0794-86-1761
☆ e-mailアドレス melbo@fm-miki.jp
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今回の特選句『それぞれに咲く時がある場所がある』
この句を読んだ時、まず春の桜が思い浮かび、これから見頃のサツキ、ツツジ等々が思い浮かびました。私の住む三木市青山の道路の両側にはヒラドツツジが咲き誇り、見事です。
でも、この句は花を詠まれた句ではなく、人間を詠まれて、深い句だなと思いました。
人それぞれに『咲く時がある』そして『場所がある』。
若い頃は楽器の出来る友人に憧れました。必死で練習したけど、そこそこ、でした。絵を描く友人にも憧れました。絵に関しては『超』が付くほど苦手です。音楽に、絵に、没頭する友人が眩しかったです。
でも、川柳と出会ってやっと、『場所』を見つけた気がしました。憧れでなく、川柳には自然と打ち込める気がしました。華々しく咲かなくてもいい、ひっそりと咲いていたいと思える場所です。
人『それぞれに』『咲く時がある』『場所がある』。
瞼には好きな花の姿と園を思い浮かべながら、ふと自分と重ねて立止まる、素敵な一句だと思います。(桔理子)